VTuberモデルをオーダーメイドで依頼するなら、一般には3Dモデルの方が高くなりやすいです。
ただし、「3Dなら必ず2Dより高い」わけではありません。
3Dには、VRoidのような既存の仕組みを使って作る方法と、キャラクターの形から一つずつ作るフルオーダーがあります。
2Dにも、シンプルな上半身モデルから、高可動域・全身・多数の表情や衣装を組み込んだモデルまであります。
そのため、安価な3Dモデルより高価な2Dモデルもあります。
制作費を比べるときは、「2Dか3Dか」だけでなく、どこまで一から作るのかをそろえて考える必要があります。
フルオーダー同士なら3Dの方が高くなりやすい
同じキャラクターを、同程度の品質でゼロから2Dと3Dにするなら、3Dの方が高くなるケースが多くなります。
実際の制作会社でも、Live2Dモデル制作のみ30万円〜に対し、3Dモデル制作のみ100万円〜としている例があります。
キャラクターデザインから含めたプランでも、Live2D45万円〜に対して3D150万円〜という料金例があります。
別の制作事業者でも、Live2Dモデル25万円〜、フルボディ3Dモデル60万円〜という料金例があります。
もちろん、これは全業者共通の価格ではありません。
ただ、同じ事業者が2Dと3Dの両方を提供している料金表を見ると、フルオーダー3Dの方が高く設定されている例は確認できます。
3Dが高くなりやすいのは「立体だから」だけではない
2DのLive2Dモデルでは、まずキャラクターのイラストを用意します。
そのイラストを、
目。
口。
顔。
髪。
首。
体。
服。
など、動かす部分ごとに分けます。
その後、顔の向きやまばたき、口、髪の揺れなどを設定して動かします。
一方、フルオーダー3Dではキャラクターそのものを立体として作ります。
正面から見える形だけではなく、横や後ろから見た形まで必要です。
さらに、
立体形状の制作。
色・模様・質感の設定。
動かすための骨組み。
骨に合わせて体がどう曲がるかの調整。
髪や服の揺れ。
顔の表情。
使用する配信ソフトなどに合わせたデータ調整。
といった工程があります。
単に「平面を立体にするから高い」というより、完成したキャラクターを全方向から動かせる状態へ仕上げる工程が増えるため、価格が上がりやすくなります。
ただしVRoidの3Dなら話が変わる
ここが「3Dの方が高い」とだけ書くと抜ける部分です。
VRoid Studioという3Dキャラクター制作ソフトがあります。
顔。
髪。
体型。
服。
などを用意された機能から選び、調整しながらキャラクターを作れます。
ソフト自体は無料です。
そのため、3Dモデルを一から立体造形する必要がありません。
VRoidをベースにした3Dモデル制作サービスでは、数万円から受けている例もあります。
つまり、
高品質なLive2Dが20万円。
VRoidベースの3Dが7万円。
という逆転もあり得ます。
「2D対3D」ではなく、
Live2D。
VRoidベース3D。
フルオーダー3D。
の3つに分けた方が、費用の違いを理解しやすくなります。
VRoidで安くなる代わりに、作れる形には境界がある
VRoidは3Dを安く始めやすい方法ですが、何でも自由に作れるわけではありません。
用意されたキャラクター構造を利用して制作するため、特殊な体型や複雑な髪型、衣装、独自構造などは再現しにくいことがあります。
実際のVRoid制作サービスでも、VRoidでは再現が難しい髪型・体型・服装の場合、デザイン変更が必要になることがあるとしています。
つまり、
VRoidで再現できるデザインなら安く3D化できる。
VRoidでは再現できず、一から立体を作る必要があるなら価格が大きく上がる。
という境界があります。
2Dも「一枚絵を動かすだけ」ではない
Live2Dを安く考え過ぎるのも注意が必要です。
一枚の完成イラストを、そのままソフトへ入れれば自由に動くわけではありません。
Live2D向けに、
パーツを分ける。
隠れている部分を描き足す。
顔の左右・上下を作る。
目や口を動かす。
髪や服を揺らす。
体を動かす。
といった作業があります。
可動域を広くしたり、表情を増やしたりすれば作業量も増えます。
そのため高品質なLive2Dでは、数十万円以上になることがあります。
2Dは「何を動かすか」で値段が変わる
Live2Dの見積もりで金額が変わりやすいのは、
上半身か全身か。
顔をどこまで横・上下へ向けるか。
髪をどこまで細かく揺らすか。
服をどこまで動かすか。
表情はいくつ付けるか。
手や腕を動かすか。
衣装切り替えを付けるか。
口をどこまで細かく動かすか。
などです。
同じ「全身Live2D」でも、動きが少ないモデルと、体・手・髪・服まで細かく動くモデルでは制作費が違います。
3Dは「どこまで作るか」でさらに差が広がる
3Dも、全身モデルというだけでは金額を決められません。
例えば、
既存素体を使う。
VRoidを使う。
一から体型を作る。
衣装を一から作る。
複雑な髪型を作る。
小物や羽・尻尾を作る。
多数の表情を作る。
髪や服を揺らす。
指まで動かす。
VRChatにも対応させる。
ライブ用に調整する。
などがあります。
特にフルオーダーでは、キャラクターのデザインが複雑になるほど制作範囲が広がります。
単純な人型キャラクターと、特殊な衣装・翼・尻尾・武器を持つキャラクターでは同じ価格にはなりません。
「2D全身」と「3D全身」をそのまま比較しても同条件ではない
ここも分かりにくいところです。
Live2Dの「全身」は、全身イラストを正面中心に動かすモデルです。
3Dの「全身」は、体そのものが立体で作られており、横・後ろからも見せられます。
両方とも商品名に「全身」と書かれていても、作っている範囲は同じではありません。
そのため、
Live2D全身10万円。
3D全身30万円。
だけを見て「3倍高い」と考えるより、何ができるモデルなのかを確認します。
キャラクターデザイン代を含むかでも数字が変わる
料金比較で最も間違えやすい部分の一つです。
例えば、
Live2D 10万円。
3D 20万円。
と表示されていても、Live2Dにはキャラクターデザインとイラストが含まれ、3Dは「完成済みデザイン持ち込み」が前提かもしれません。
反対の場合もあります。
見積もりでは、
キャラクターデザイン。
Live2D用立ち絵。
パーツ分け。
Live2Dモデリング。
3D用三面図。
3Dモデリング。
表情。
衣装。
まで、どこが含まれているか確認します。
表示価格だけでは比較できません。
すでに立ち絵を持っているなら2D費用は下がることがある
すでにLive2D向けに使えるイラストを持っているなら、イラスト制作を省略できることがあります。
さらにパーツ分けまで終わっていれば、モデリングだけ依頼できます。
その場合、ゼロから全部依頼するより費用を抑えられる可能性があります。
ただし普通の一枚絵を持っているだけなら、そのまま使えない場合があります。
パーツ分けや描き足しが必要なら、その費用を含めて比較します。
3Dでは三面図が必要になることもある
フルオーダー3Dでは、正面だけでなく横・後ろの形も作らなければなりません。
そのため、
正面。
横。
後ろ。
を描いた「三面図」という設定資料を求められることがあります。
すでにデザイン資料が揃っていれば、その分の工程を減らせる場合があります。
反対に正面立ち絵しかなく、背面デザインも新しく考える必要があるなら、キャラクターデザインや設定画の費用が追加されることがあります。
衣装追加も2Dと3Dで作業内容が違う
後から新衣装を作る場合にも費用が掛かります。
Live2Dなら、新しい衣装を描き、それを動くようにパーツ分け・モデリングします。
3Dなら、新しい衣装を立体として作り、体へ合わせ、動いたときに不自然にならないよう調整します。
どちらが必ず安いとは言えません。
衣装の複雑さや既存モデルの作り方によって変わります。
「初期モデルが安い方」だけでなく、今後どれくらい衣装を増やす予定かも考えておくと、長期的な費用を判断しやすくなります。
モデル制作費と配信機材費は分けて考える
3Dについて調べると、
VR機器。
トラッカー。
モーションキャプチャー。
スタジオ。
などの費用も出てきます。
これらは「3Dモデルを作る料金」とは別です。
例えば、3Dモデル本体を作ってもらう料金が30万円でも、全身ダンス配信をしたいなら、モデルとは別に全身の動きを読み取る環境が必要になる場合があります。
一方、通常の顔中心のLive2D配信なら、Webカメラや対応スマートフォンなど比較的簡単な環境から始められます。
「モデル制作費」と「そのモデルをどう動かすかの費用」を分けて比較します。
3Dライブをしたい場合はモデルだけの金額で考えない
3Dを選ぶ理由が、
踊りたい。
ライブをしたい。
全身で動きたい。
イベント出演したい。
という場合は、特に注意が必要です。
必要なのは3Dモデルだけではありません。
全身の動きを取得する仕組みや、場合によっては収録スタジオも必要です。
したがって「2Dより3Dモデルが30万円高い」というモデル差額だけでは、実際にやりたい活動まで含めた費用差にはなりません。
活動方法から総額を考えます。
雑談・ゲーム配信だけなら高い3Dが必要とは限らない
普段の配信で画面に出るのが胸から上だけなら、3Dモデルの背中や脚まで作っても、ほとんど画面に映らないかもしれません。
その場合、
顔。
目。
口。
髪。
表情。
上半身。
をしっかり作ったLive2Dへ予算を使う方法があります。
3Dだから上位、2Dだから簡易版という関係ではありません。
実際に使う部分へ予算を集中させる方が、配信画面上では満足度が高くなる場合があります。
逆に全身で動くなら3Dの費用に意味がある
ダンス。
全身ジェスチャー。
VR空間。
3Dライブ。
後ろ姿を含むカメラ演出。
などを行いたいなら、3Dであること自体に意味があります。
Live2Dを高額な高可動域モデルにしても、立体空間を自由に歩き回れる3Dモデルと同じものにはなりません。
必要な動きが3Dにしかできないなら、価格差だけで2Dへ下げると目的を達成できません。
自作なら「3Dの方が高い」とは限らない
依頼せず自分で作る場合は話が大きく変わります。
VRoid Studioは無料で利用できます。
Blenderも無料の3D制作ソフトです。
Live2D CubismにもFREE版があります。
つまり、ソフト代だけを見るなら2D・3Dとも無料から試せます。
ただし、無料なのは自分の制作時間ではありません。
フルオーダー3DをBlenderで一から作るには、立体造形、色・質感、骨組み、表情などを自分で作る知識が必要です。
「ソフトが無料」と「簡単に完成する」は別です。
安く3Dを試したいならVRoidという境界がある
予算が少ないけれど3Dを使ってみたいなら、最初からフルオーダー3Dを作る必要はありません。
VRoidで自作する。
VRoidモデルをクリエイターへ依頼する。
まず既製モデルで試す。
という方法があります。
活動してみて、
もっと独自の体型にしたい。
特殊な衣装にしたい。
ライブ向けに作り込みたい。
となった時点でフルオーダーを検討できます。
3Dを選ぶ=最初から数十万・百万円単位のモデルが必要、ではありません。
逆に2Dも最初から高可動域にする必要はない
Live2Dでも同じです。
最初から、
全身。
高可動域。
大量の表情。
複数衣装。
手の動き。
特殊モーション。
を全部入れれば価格は上がります。
雑談やゲーム配信から始めるなら、必要な範囲だけ作って後から追加する方法があります。
2Dと3Dのどちらでも、「最初に全部載せる」と高くなります。
見積もりはこの条件をそろえて比べる
2Dと3Dの見積もりを比較するときは、最低限、条件をそろえます。
キャラクターデザイン込みか。
すでに立ち絵があるか。
全身か上半身か。
表情はいくつか。
衣装はいくつか。
商用利用を含むか。
編集用・元データをもらえるか。
配信用セットアップを含むか。
後から衣装追加できるか。
そのうえで3Dなら、
VRoidベースか。
既存素体を使うか。
フルオーダーか。
VRChat対応が必要か。
全身トラッキングを想定するか。
まで確認します。
この条件が違う見積書を並べても、2Dと3Dの価格差は判断できません。
「モデルだけ」と「デビュー一式」を混ぜない
検索結果や料金ページには、
モデリングのみ。
キャラクターデザイン込み。
ロゴ込み。
配信画面込み。
設定サポート込み。
といった商品が混在しています。
10万円のLive2Dモデルと30万円の3Dモデルを比較しているつもりでも、片方だけキャラクターデザイン込みということがあります。
最初に「完成後、何が納品されるのか」を並べます。
ここをそろえるだけでも価格比較の精度は上がります。
結局、2Dモデルと3Dモデルはどっちが高い?
フルオーダーで同程度の品質を求めるなら、基本的には3Dモデルの方が高くなりやすいです。
3Dでは立体造形、テクスチャ・質感、骨組み、表情、揺れ、各用途へのセットアップなど、全身を立体として成立させる工程が増えるためです。
ただし、これだけで「3Dの方が高い」と決めてはいけません。
VRoidベースの3Dなら数万円から制作されている例があります。
一方で、高可動域・全身・多数の表情や衣装を盛り込んだLive2Dなら数十万円以上になることがあります。
そのため、実際の判断は、
シンプルなLive2D。
高品質Live2D。
VRoidベース3D。
フルオーダー3D。
に分けて考えます。
雑談・ゲーム配信で正面中心に活動するなら、必要な部分へ予算を集中できるLive2D。
まず安く3Dを試したいならVRoid。
全身ダンス、VR空間、3Dライブなどを本格的に行うならフルオーダー3D。
というように、必要な活動から制作範囲を決めます。
制作費の差を決めているのは、「2Dか3Dか」だけではありません。
どこまで一から作るのか。
どこまで動かすのか。
どの用途に対応させるのか。
この3つです。
出典
株式会社ジーアングル|VTuber用Live2D/3Dモデリング・キャラクターデザイン制作
デジタルギア株式会社|VTuberとは?仕組み・始め方・費用・モデルの種類まで完全解説