Live2D Cubismの無料版で作業していて、急に保存できなくなった場合、すぐ有料のPRO版を買う必要があるとは限りません。
まず確認したいのは、保存できない原因です。
大きく分けると、
「FREE版ではなく、保存できない機能制限状態で起動している」
「FREE版で作っているが、モデルがFREE版の上限を超えた」
の2つがあります。
前者ならモデルを削る必要はありません。
後者なら、超えた部分を減らしてFREE版のまま使うか、その機能を残すためPRO版へ移るかを決めます。
判断基準は「いくら作ったか」ではなく、削る対象が完成モデルに本当に必要かどうかです。
最初に「FREE版で起動しているか」を確認する
保存できないからといって、最初からモデルのパーツを削らない方がよいでしょう。
特にPRO版の42日間無料トライアルを使ったことがある人は、起動状態を確認します。
トライアル期間が終了したあと、PRO機能を試せる機能制限状態で起動すると、モデルの保存や書き出しができません。
この状態は「FREE版」とは別です。
FREE版を使う場合は、Cubism Editorの起動時に「FREE版として起動」を選びます。
もし保存メニューそのものが使えない状態なら、モデルの上限を削る前に一度起動状態を確認してください。
FREE版で起動しているのに保存できないなら上限を確認する
FREE版には、モデルの複雑さに上限があります。
2026年9月時点で、主なモデリング上限は次のとおりです。
| 項目 | FREE版 |
|---|---|
| テクスチャ | 2048ピクセル・1枚まで |
| アートメッシュ | 100個まで |
| パラメータ | 30個まで |
| ブレンドシェイプ用パラメータ | 3個まで |
| デフォーマ | 50個まで |
| パーツ | 30個まで |
| アートパス | 3本まで |
| ワープデフォーマの分割数 | 9×9まで |
| 描画順グループ | 2個まで |
| リピート機能 | 2個まで |
FREE版の制限を超えると、ファイルを保存できなくなります。
PRO版で作ったモデルをFREE版で開くこと自体はできますが、そのままFREE版で保存できるとは限りません。
FREE版の上限までモデルを編集する必要があります。
保存時のダイアログを先に読む
FREE版の上限を超えている場合、保存時の情報ダイアログに問題となっている項目が表示されます。
「保存できないから、とりあえずパーツを削ろう」と始めるより、まず何が超えているのかを確認します。
例えば、
アートメッシュが100個を超えている。
パラメータが30個を超えている。
デフォーマが50個を超えている。
テクスチャの条件を超えている。
など、原因によって直し方は違います。
制限項目が1つだけなら、そこを直すだけでFREE版へ戻せる場合があります。
複数項目が大幅に超えているなら、モデル全体がすでにPRO版向けの規模になっている可能性があります。
[モデルの統計情報]で現在の数を確認する
Cubism Editorには、モデル内のデータ数を確認する「モデルの統計情報」があります。
[ファイル]メニューから[モデルの統計情報]を開きます。
そこでアートメッシュ、デフォーマなど、現在のモデルにどの程度のデータが入っているかを確認できます。
公式のPRO・FREE比較表と照らし合わせれば、
「あと2個減らせば入る」
のか、
「かなり作り直さないと入らない」
のかを分けられます。
この差が、FREE版へ戻すかPRO版へ進むかを考える一つの材料になります。
1個だけ超えた場合と、大幅に超えた場合は分けて考える
例えばデフォーマが51個で、FREE版の上限が50個だったとします。
その中に、作ったものの結局何も入れていないデフォーマが1個あるなら、それを削除して50個へ戻せる可能性があります。
この場合、完成モデルの動きを犠牲にしてまでPRO版へ移る理由はまだ強くありません。
一方、
デフォーマが80個あり、そのほとんどが顔、髪、体の動きに使われている。
パラメータも30個を超えている。
アートメッシュも100個を超えている。
という状態なら話は変わります。
FREE版へ戻すということは、数字だけを減らすのではなく、モデルの構造や表現まで簡略化することになります。
まず削ってよいのは「使っていないもの」
FREE版へ戻すなら、完成モデルへ影響しないものから確認します。
例えば、途中で作ったものの使用していないパラメータ。
試しに作っただけのパーツ。
中身が入っていないデフォーマ。
使わなくなった表情用の構造。
などです。
Live2Dには、モデルの統計情報から中身のないデフォーマを調べる方法もあります。
こうした「制作途中の残り物」で上限を超えているなら、整理してFREE版へ戻す意味があります。
モデルを軽くする整理にもなります。
アートメッシュ100個を超えた場合は、簡単に削れないこともある
アートメッシュは、PSDから読み込んだ画像パーツなどに設定される、実際に変形させるための画像部品です。
髪、目、眉、口、服、アクセサリーなどを細かく分ければ数が増えます。
100個を少し超えたとき、使っていないパーツが残っているなら削れます。
しかし、すべて必要な場合は別です。
例えば髪の毛束を細かく分けたことで自然な揺れを作っているモデルなら、単純に毛束を削ると見た目が変わります。
表情用の追加パーツを削れば、その表情が使えなくなることもあります。
アートメッシュを減らすために必要な絵まで削る状態なら、「FREE版へ戻すための整理」ではなく「モデルの仕様変更」になっています。
ここまで来たらPRO版も比較対象になります。
パラメータ30個を超えたら「使わない動き」があるかを見る
パラメータとは、「顔の左右」「口の開閉」など、モデルの動きを管理する項目です。
FREE版では30個までです。
使っていないテスト用パラメータが残っていれば削除できます。
一方、
顔の向き。
目の開閉。
瞳の上下左右。
眉。
口。
体。
髪。
表情。
など、必要な動きを積み上げた結果30個を超えているなら、どれかの動きをやめなければFREE版へ収まりません。
ここで考えるのは、
「このパラメータを削除できるか」
ではなく、
「この動きを完成モデルからなくしてよいか」
です。
答えが「なくしたくない」なら、PRO版へ移る理由になります。
デフォーマ50個を超えたら、まず空のものを探す
デフォーマは、複数の画像部品をまとめて動かしたり変形したりするための仕組みです。
モデル制作中には、作ったものの使わなくなったデフォーマが残ることがあります。
まず、こうした不要データがないか確認します。
しかし、
顔を動かすための階層。
髪を揺らすための階層。
体を傾けるための階層。
など、現在のモデル構造に必要なものばかりなら、50個へ減らすために構造そのものを組み直すことになります。
「整理すれば戻せる」のか、「動きを作り直さないと戻せない」のかを分けます。
テクスチャだけが原因なら、PROにする前に作り直せるか確認する
FREE版ではテクスチャが2048ピクセル1枚までという制限があります。
この条件だけを超えているなら、テクスチャアトラスをFREE版向けに作り直して収められる可能性があります。
ただし、画像を小さくすればモデルの表示品質との兼ね合いが出てきます。
配信ではモデルを小さくしか表示しないので問題ない。
アップで表示するため解像感を落としたくない。
この違いによって判断が変わります。
単に数値だけを下げるのではなく、実際の使用画面で画質が許容できるかを確認します。
表情や装飾を削るだけならFREEへ戻す選択もしやすい
例えば、本番では使わない予定だった特殊表情をいくつも試作していた。
衣装の追加パーツを作ったが結局使わない。
揺れ物を細かく作りすぎた。
こうした部分が原因なら、削ってFREE版へ戻しやすくなります。
反対に、通常のまばたき、口、顔角度、髪など、毎回の配信で使う基本動作まで削らなければならないなら、無料版に合わせる意味をもう一度考えた方がよいでしょう。
「モデルを完成させるために必要な動き」まで無料版へ合わせて削ると、本来作りたかったものとは違うモデルになる可能性があります。
現在の作業がまだ保存できていないなら、削除を急がない
ここは重要です。
FREE版の制限を超えた状態で、まだ一度も現在の変更を保存できていない場合があります。
この状態で、
「何か減らさなければ」
と大量のパラメータやデフォーマを消していくと、今作った状態そのものを壊す可能性があります。
特に、何時間もかけた作業をまだ保存できておらず、どの部分が原因かも分からないなら、まず情報ダイアログとモデルの統計情報を確認します。
そのうえで、このモデルを今後もPRO相当の構造で使いたいなら、作業中にPROライセンスを認証して保存する方法があります。
「無料に戻すために削る」のは、そのモデルを本当に簡略化してよいと判断してからです。
PRO版にすれば、今のモデルを最初から作り直す必要はない
FREE版とPRO版にはデータ互換があります。
FREE版で作ったモデルをPRO版で開いて、そのまま制作を続けられます。
逆に、PRO版やトライアル版で作ったモデルもFREE版で開くことはできます。
問題になるのは、FREE版で保存するときです。
FREE版の制限を超えたデータは、そのままでは保存できません。
つまり、
「PROにしたら今のモデルが消える」
ということではありません。
今のモデル構造を維持したまま制作したいなら、PRO版へ移る方法があります。
「今回だけ上限を超えた」のか「今後も超える」のかを見る
PRO版にするか迷うなら、今の1回だけではなく、今後の制作も考えます。
例えば初めてのモデルで、練習用パーツを大量に残した結果たまたま上限を超えた。
整理すれば今後も100アートメッシュ、30パラメータ、50デフォーマ以内で十分。
この場合はFREE版へ戻す方法があります。
一方、
髪を細かく揺らしたい。
表情を増やしたい。
衣装差分を作りたい。
体も大きく動かしたい。
今後さらにモデルを作り込みたい。
という場合、今回上限まで削っても、次の追加ですぐ再び制限に当たる可能性があります。
「今回保存できるか」だけでなく、「このモデルをこの先どこまで育てるか」で考えます。
無料版に合わせるために何度も作り直しているならPROも考える
最初はFREE版で十分でも、モデル制作を続けるうちに制限が作業そのものへ影響し始めることがあります。
新しい動きを作るたびに古いパラメータを削る。
新しいパーツを足すために別のパーツを減らす。
デフォーマを追加するたびに構造を組み直す。
こうなれば、「無料で使えている」代わりに制作時間を多く使うことになります。
PRO版にするかどうかは、単に機能が多いかではなく、
「FREE版の上限に合わせるための作業が、どの程度増えているか」
でも判断できます。
保存できない原因が制限ではない場合もある
FREE版として正常に起動している。
公式比較表の上限も超えていない。
それでも保存できない。
この場合、無理にPRO版を購入して解決しようとしない方がよいでしょう。
ソフトの状態や不具合など、FREE版の制限とは別の原因の可能性があります。
公式フォーラムでも、PRO版使用中やFREE制限とは関係なく保存できなかった事例では、ソフトのバージョン、OS、ログなどを確認するよう案内されています。
上限内なのに保存できないなら、エディタを最新版へ更新し、ログやエラーメッセージを確認したうえで公式サポートを検討します。
結局、PRO版にする?FREE版の制限内へ戻す?
まず起動状態を確認します。
保存・書き出しそのものが無効な機能制限状態なら、FREE版として起動し直すか、PROライセンスを認証します。
正常なFREE版で、モデルが上限を超えているなら、何が超えているかを確認します。
不要なパラメータ。
空のデフォーマ。
使わない表情。
試作用のパーツ。
などを整理するだけで上限内へ戻せるなら、FREE版を続けられます。
一方、
必要な髪を削る。
使う表情をなくす。
基本動作のパラメータを減らす。
必要なデフォーマ構造を組み直す。
画質を許容できないところまで下げる。
といった変更が必要なら、それは整理ではなくモデルの仕様を落とす作業です。
この場合はPRO版へ移る意味が出てきます。
判断の境界は、
「数字を減らせるか」
ではありません。
「FREE版へ戻すために削るものが、完成モデルでは要らないものか」。
不要なら削る。
必要なら残してPROを検討する。
この順番で考えると、保存できないから慌ててモデルを壊すことを避けられます。
出典
Live2Dヘルプ|トライアル版を利用しないでFREE版を利用したい
Live2D Creators Forum|How to save with free version
Live2D Creators Forum|Unable to save
Live2D Creators Forum|If I purchase the license will I be able to save my work.