Live2Dは無料版だけで1体作れる?|有料版が必要になる境界

Live2D Cubismの無料版だけでも、VTuberとして使える1体のモデルを作ることはできます。

まばたき、瞳の動き、口の開閉、顔の左右・上下、体の傾き、呼吸などを付けたモデルも、作り方を絞れば無料版の範囲で制作できます。

ただし、「1体なら無料、2体目から有料」という仕組みではありません。

無料版には、一つのモデルで使えるイラスト部品、動きの設定、変形用の仕組みなどに上限があります。

そのため有料版が必要になる境界は、

「1体完成したか」

ではなく、

「自分が付けたい動きを、無料版の上限を超えずに作れるか」

です。

無料版だけでもVTuberモデルは完成させられる

Live2D Cubismには、期間制限なく使えるFREE版があります。

FREE版は体験用にモデルを見るだけのソフトではありません。

イラストを読み込み、目や口を動かし、髪や身体へ動きを付け、完成したモデルを書き出すところまでできます。

Live2D公式の初心者向け講座でも、FREE版だけで簡単なVTuberモデルを作る方法が公開されています。

そこでは、

まばたき。

瞳の上下左右。

口の開閉。

顔と身体の傾き。

呼吸。

顔の左右・上下。

などを作っています。

そのため、

「無料版は口パクくらいしかできない」

ということではありません。

初めてLive2Dを触り、自分用の1体を作ってみるのであれば、まずFREE版だけで始めることができます。

無料版で最初に気にしたいのは「100個」の上限

FREE版には、アートメッシュを100個まで使える制限があります。

アートメッシュとは、少し分かりにくい名前ですが、簡単にいえばLive2D上で動かすイラストの部品です。

Live2DへPSDというレイヤー付きのイラストデータを読み込むと、基本的にはイラストの各レイヤーが一つずつアートメッシュになります。

たとえば目なら、

白目。

瞳。

ハイライト。

まつげ。

といった部品があります。

髪なら、

前髪。

横髪。

後ろ髪。

さらに細かい毛束。

と増えていきます。

アクセサリー、リボン、手、腕、服、表情差分なども独立して動かすなら、それぞれ部品が増えます。

FREE版では、これらが合計100個までです。

そのため、最初から非常に細かくパーツ分けされたイラストを読み込む場合は、この上限が一つの境目になります。

「パーツ30個」と「イラスト100枚」は別の制限

FREE版には「パーツ30個まで」という制限もあります。

ここで混乱しやすいのが、

「さっき100個と言ったのに、30個しか使えないの?」

という点です。

Live2Dでは意味が違います。

アートメッシュは、実際に表示されるイラストの部品です。

一方、Live2Dでいう「パーツ」は、それらを整理するためのグループに近いものです。

たとえば、

右目。

左目。

口。

前髪。

後ろ髪。

身体。

右腕。

左腕。

といった単位で部品をまとめます。

FREE版では、この管理用のパーツを30個まで作れます。

イラストを30枚までしか読み込めない、という意味ではありません。

無料版で作れるモデルの規模を見るときは、この二つを分けて考えます。

動きを増やすと「パラメータ30個」が効いてくる

Live2Dでは、キャラクターの動きを「パラメータ」という項目で管理します。

たとえば、

顔を左右へ向ける。

顔を上下へ向ける。

口を開閉する。

口の形を変える。

右目を開閉する。

左目を開閉する。

瞳を左右へ動かす。

瞳を上下へ動かす。

身体を傾ける。

呼吸する。

といった動きです。

FREE版では、このパラメータが30個までです。

基本的なVTuberモデルなら、30個以内で組むことは可能です。

しかし、

特殊な表情を何種類も追加する。

手のポーズをいくつも切り替える。

髪やアクセサリーへ別々の動きを設定する。

衣装を切り替える。

口の表現を細かく増やす。

といったことを始めると、使いたいパラメータが増えていきます。

このとき、

「もう30個だから、この表情はやめよう」

となったなら、有料版を考える境界が見えてきます。

髪や服を細かく動かすとデフォーマ50個にも近づく

Live2Dでは、イラストの部品をまとめて動かしたり変形したりするために、「デフォーマ」という仕組みを使います。

難しい言葉ですが、イラストの上に置く「動かすための枠」のようなものと考えると分かりやすくなります。

たとえば、

顔全体を左右へ向ける。

前髪全体を揺らす。

腕を回転させる。

身体を傾ける。

といった動きを作るために使います。

FREE版では、ワープデフォーマと回転デフォーマを合わせて50個まで使えます。

シンプルなモデルなら収められます。

しかし、

髪の毛束をそれぞれ違う揺れ方にする。

服やアクセサリーも別々に揺らす。

腕や手を細かく動かす。

顔を大きく左右上下へ動かす。

とモデルを複雑にしていくと、必要なデフォーマも増えます。

つまり、FREE版で先に問題になるのはモデルが全身か上半身かではありません。

画面にある各部位を、どれだけ別々に動かすかです。

全身モデルでも無料版に収まる場合はある

「全身モデルならPRO版」と考える必要はありません。

全身まで描かれていても、

足はほとんど動かさない。

髪を大きな単位でまとめる。

表情を必要最低限にする。

手の複雑な動きを付けない。

という作り方なら、FREE版の上限に収められる場合があります。

反対に上半身だけでも、

前髪を細かい毛束へ分ける。

複数の表情を付ける。

アクセサリーをたくさん揺らす。

手や指まで動かす。

とすれば、モデルは複雑になります。

そのため、

「上半身だからFREE」

「全身だからPRO」

という分け方では判断できません。

テクスチャ2048px・1枚も見た目に関係する

FREE版では、完成したモデルを書き出す際に使うテクスチャが2048ピクセルの1枚までに制限されています。

テクスチャとは、キャラクターを構成するイラストの部品を一つの画像上へ並べたものです。

モデルを配信用ソフトなどで動かすときに使われます。

部品が少なく、上半身を中心にしたモデルなら1枚へ収めやすくなります。

一方、

全身。

細かな衣装。

複数の表情差分。

大きなアクセサリー。

高い解像感を残したい。

といった条件が重なるほど、限られた1枚へ部品を配置するのが厳しくなります。

ここでも「1体だから大丈夫」ではなく、その1体にどれだけの素材を入れるかが問題になります。

「無料版に入るようパーツを減らす」が始まったら境界

数字だけを見ると、

アートメッシュ100個以内。

パラメータ30個以内。

デフォーマ50個以内。

なら無料版でよいように見えます。

ただし、本当の判断はもう一段先です。

たとえば、本来は前髪を5つに分けて自然に揺らしたいのに、

「100個を超えるから前髪を一つにまとめよう」

とする。

本当は怒り・困り・照れなどの表情を増やしたいのに、

「パラメータが30個になるからやめよう」

とする。

本当は腕と手を別々に動かしたいのに、

「デフォーマが足りないから一緒に動かそう」

とする。

このように、本来欲しかった表現をFREE版の上限へ合わせて削り始めたら、PRO版を検討する意味が出てきます。

無料版の数字へ収めること自体を目的にしない方がよいでしょう。

制限には収まっていても有料版が欲しくなる場合がある

FREE版とPRO版の違いは、使える数だけではありません。

PRO版には、制作作業を効率化する機能もあります。

たとえば、作った形をコピーして別の状態へ貼り付ける機能があります。

左右対称の部品でメッシュをコピー・貼り付けする機能もあります。

選択したものだけを表示して編集するSolo表示などもあります。

FREE版でも同じ完成形へ近づけられる場面はありますが、手作業が増える場合があります。

つまり、

「無料版では絶対に作れない」

ところまで待ってからPROへ移る必要はありません。

1体をしっかり作り込み始め、

同じような作業を何度も手作業している。

細かい部品が増えて編集しづらい。

効率化機能がないため作業時間が増えている。

という段階も、有料版へ移る理由になります。

最初からPROのトライアルを使うときは注意する

Live2D Cubism Editorには、PRO版の機能を42日間試せるトライアルがあります。

ただし、初めてモデルを作る人は少し注意が必要です。

PRO版のトライアルではFREE版の上限を超えてモデルを作れます。

そのまま42日が終了してFREE版へ戻ると、モデルを開くこと自体はできますが、FREE版の上限を超えた状態では保存できません。

その場合、FREE版の制限内へパーツやパラメータなどを減らさなければなりません。

「無料だけで1体作り切りたい」と決めているなら、最初からFREE版として起動し、その範囲で設計する方法があります。

Live2D公式でも、トライアルを開始せずFREE版だけを利用することが可能と案内しています。

逆に、

「最終的にはPROを使うつもり」

なら、42日間のトライアル中に本格的なモデル制作を進める方法があります。

収益化するだけで必ずPROが必要になるわけではない

もう一つ誤解しやすいのが商用利用です。

「YouTubeを収益化したら無料版は使えないのでは」と考えるかもしれません。

2026年9月時点のLive2D公式では、FREE版について、一般ユーザーと年間売上1000万円未満の小規模事業者は商用・営利目的でも利用できると案内しています。

そのため、個人VTuberが収益化するからという理由だけで、直ちにPRO版が必須になる仕組みではありません。

ただし、事業規模などによって利用条件は変わるため、事業として利用する場合は最新の公式利用条件を確認します。

この記事でいう「PRO版が必要になる境界」は、主にモデル制作上の機能制限についての話です。

無料版で始めるかは作りたいモデルから判断する

FREE版とPRO版を判断するときは、次のように考えられます。

作りたいもの・状況判断
Live2Dを初めて触って1体作ってみたいFREE版から始められる
まばたき・口パク・顔の向き・呼吸を付けたいFREE版でも可能
シンプルな上半身VTuberを作りたいFREE版をまず検討
全身だが動きはシンプル上限内ならFREE版でも可能
アートメッシュが100個を超えるPRO版が必要
パラメータが30個を超えるPRO版が必要
デフォーマが50個を超えるPRO版が必要
テクスチャ1枚・2048pxでは足りないPRO版を検討
FREE版へ収めるため欲しい表情・動きを削っているPRO版を検討
複雑なモデルで制作効率が悪くなっているPRO版を検討

「とりあえず1体作る」という目的なら、最初からPRO版を買わなければならないわけではありません。

公式でもFREE版だけで簡単なVTuberモデルを完成させる講座が用意されています。

まずFREE版の範囲で、

まばたき。

口パク。

顔の向き。

身体の傾き。

呼吸。

などを作り、Live2Dの仕組みを理解することができます。

そのあと、

もっと髪を分けたい。

表情を増やしたい。

腕や手を動かしたい。

衣装差分を増やしたい。

細かな揺れを作りたい。

となったとき、FREE版の上限を確認します。

本来作りたいモデルがその上限を超える、あるいは上限へ合わせるために表現を削る状態になったところが、PRO版へ移る分かりやすい境界です。

「初心者だから無料版」「本気だから有料版」ではありません。

自分が作りたい1体の中身を見て決めます。

出典

Live2D|PRO版とFREE版の機能比較

Live2D|Live2D Cubism Editorとは

Live2D|トライアル版を利用しないでFREE版を利用したい

Live2D|トライアル版とフリー版の違い

Live2D JUKU|超初心者向け!今すぐできるVTuberモデルの作り方