VTuberモデルを依頼するとき、表情差分を何個付ければよいかに決まった正解はありません。
実際のLive2D制作サービスでも、基本料金に2個、3個、4個、6個と含まれる数はばらばらで、すべて追加料金にしている制作者もいます。
そのため「みんな5個くらい付けているから5個」と決めるより、まず自分のモデルが通常状態でどんな表情を出せるのか確認した方がよいでしょう。
特に最初の依頼では、「笑顔・怒り・泣き・照れ・驚き……」と数を増やす前に、その表情が本当に追加差分として必要なのかを分けます。
まず「普通に動く表情」と「ボタンで切り替える表情」を分ける
Live2Dモデルでは、すべての表情をボタンで切り替えるわけではありません。
通常のモデルでも、
まばたき。
目線。
口の開閉。
眉の上下。
笑ったときの目。
口角の変化。
などが顔の動きに合わせて変化する場合があります。
これは配信中に自分の顔へ追従して動く部分です。
一方、
ハート目にする。
顔を真っ青にする。
瞳の光を消す。
涙目にする。
照れを強く出す。
といったものは、キーボードなどで切り替える表情として作られることがあります。
表情を何個依頼するか考える前に、この二つを分けます。
「笑顔を1個追加」は必要ない場合もある
例えば基本モデリングですでに、口角が上がると目元も笑顔になるモデルがあります。
この場合、普通に笑うためだけに「笑顔差分」を追加する必要はないかもしれません。
逆に、
普段より大きくニッコリする。
目を完全な笑い目へ固定する。
キラキラを追加する。
頬を赤くする。
といった特別な笑顔を出したいなら、切り替え表情として作る意味があります。
依頼時には「笑顔差分はいりますか」と聞くだけでなく、
「通常の顔追跡で笑ったときは、どこまで表情が変わりますか」
と確認します。
基本モデルでできることを確認してから、足りない表情だけ追加します。
最初の個数は「配信中に押して使う場面」が想像できるかで決める
表情一覧を見ると、どれも欲しくなります。
照れ。
怒り。
青ざめ。
涙。
ハート目。
ぐるぐる目。
ジト目。
ハイライト消し。
舌出し。
頬ぷく。
しかし、活動を始める前は実際にどの表情を使うか分かりません。
そこで「この表情がかわいいから」だけで選ぶのではなく、配信中に使う場面を想像します。
例えばホラーゲームで驚いたときに青ざめを使う。
雑談で褒められたときに照れを使う。
ゲームで負けたときに涙を使う。
このように使う場面がすぐ思いつく表情は、最初から入れる候補になります。
反対に「いつか使うかもしれない」程度なら、後から追加する方法があります。
初めてなら2~4個程度から考える方法もある
業界として「最初は3個必要」という決まりはありません。
ただ、初めて依頼する人なら、基本モデルの表情とは別に、手動で切り替える表情を2~4個程度から考える方法があります。
これは標準個数ではなく、最初から使う目的が明確な表情だけに絞るための考え方です。
例えば、
キャラクターを象徴する表情。
配信で頻繁に使いそうなリアクション。
通常の顔追跡では出しにくい表情。
を優先します。
そこから「このキャラクターには絶対必要」と思うものが5個あれば5個でも構いません。
逆に基本の動きだけで始めたいなら、追加表情をほとんど付けない選択もあります。
喜怒哀楽を全部そろえる必要もない
「表情だから喜怒哀楽を4個」と考える必要もありません。
通常の顔追跡だけでも、笑顔や眉の動きによって感情を表現できるモデルがあります。
怒り顔も、活動内容によってはほとんど使わないかもしれません。
逆にホラーゲーム中心なら、青ざめや驚きの方が使う可能性があります。
恋愛相談や雑談中心なら、照れや困り顔の方が使いやすいかもしれません。
表情を感情の教科書通りにそろえるのではなく、「自分の配信で使うか」で決めます。
キャラクターの象徴になる表情は最初に入れる価値がある
後から追加できるなら、全部後回しでもよさそうに見えます。
ただし、キャラクター設定そのものに関わる表情は最初に相談しておく意味があります。
例えば、
怒ると瞳の形が変わる。
笑うと特殊な模様が出る。
感情によって角や耳の状態が変わる。
泣くと特殊な涙が流れる。
といったものです。
これは単なる追加リアクションではなく、キャラクターの見た目そのものに関係します。
イラスト制作とモデリングを同時に行っている段階なら、必要なパーツを最初から描き、モデルへ組み込めます。
表情によって作業量はかなり違う
「表情差分1個」と書かれていても、すべて同じ作業ではありません。
例えば既存の眉を下げ、口の形を変えるだけの表情なら、現在のモデルにある動きを組み合わせて作れる場合があります。
一方、
ハート型の瞳を表示する。
新しい舌を出す。
涙を描いて流す。
頬を膨らませた形へ変形する。
といった表情は、新しいイラストパーツやモデリングが必要になる場合があります。
実際の制作サービスでも、簡単な切り替え表情と、舌出し・頬ぷくなどを別料金にしている例があります。
「表情を5個追加するといくらですか」と聞くより、欲しい表情を具体的に伝えて見積もってもらいます。
後から追加しやすい表情もある
活動を始めてから、
ジト目が欲しくなった。
もっと強い笑顔が欲しい。
眉を下げた困り顔をボタンで固定したい。
ということがあります。
その表情が、すでにモデル内にある目・眉・口などの動きを組み合わせるだけで作れるなら、後から追加しやすい場合があります。
VTube Studioには、モデルが持っているパラメータの値を指定して新しい表情を作る機能があります。
作った表情はキーボードなどへ割り当てて切り替えられます。
つまり「表情ファイルを追加すること」と「モデルそのものへ新しい絵や動きを作ること」は別です。
既存パラメータだけなら自分で表情を作れる場合もある
例えばモデルに、
眉を上下する動き。
目を細める動き。
口角を変える動き。
がすでに入っているとします。
これらの値を組み合わせて、
眉を下げる。
目を少し細める。
口を少し不満そうにする。
という状態を保存すれば、ジト目や困り顔に近い切り替えを作れる場合があります。
VTube Studioでは現在、アプリ内の表情編集画面からこうした設定を作成できます。
そのため「表情を後から増やしたい=必ずモデラーへ再依頼」とは限りません。
ただし、モデルに存在しない形そのものを新しく作れるわけではありません。
新しい絵が必要な表情は話が変わる
例えばハート目にしたいのに、モデルにハート型の瞳パーツがありません。
涙を流したいのに、涙のイラストがありません。
舌を出したいのに、口の中に舌パーツがありません。
この場合、VTube Studioで設定を作るだけでは足りません。
新しいパーツを描く。
既存イラストへ追加する。
Live2D上へ読み込む。
必要な変形や動きを付ける。
切り替え設定を作る。
という作業が必要になる場合があります。
こうした表情を確実に使う予定なら、最初のイラスト・モデリング時に一緒に作ってもらう方が工程をまとめやすくなります。
後から追加すると、元データが必要になる場合がある
納品後に新しいパーツをモデルへ追加する場合は、編集用のLive2Dモデルデータが必要になることがあります。
制作者へそのまま追加依頼するなら、制作者側が元データを保管している場合があります。
一方、別のモデラーへ依頼する場合は、
編集用モデルデータ。
パーツ分けPSD。
元イラストの改変許可。
などを確認することがあります。
既存モデルへの追加サービスでも、編集用データとPSDの両方を求める例があります。
「後からいつでも簡単に追加できる」と考えず、モデル依頼時に追加対応の条件も聞いておくと安心です。
同じ制作者へ後から頼めるか確認しておく
モデルを依頼するときに、
「納品後に表情を追加できますか」
と聞いておく方法があります。
実際に、納品後の表情差分追加を別サービスとして受けているモデラーもいます。
同じ制作者なら元データを持っているため、追加しやすい場合があります。
ただし、
追加依頼の最低料金がある。
新規依頼として予約待ちになる。
1個だけでも基本料金がかかる。
といった条件が設定されることがあります。
最初の制作中に追加する方が安いサービスも実在します。
後から追加できるかだけでなく、「後から1個追加するときの条件」まで確認します。
「後から追加できるから全部後回し」も最安とは限らない
最初の制作では、
表情差分1個につき追加料金。
となっていることがあります。
一方、納品後に改めて表情を追加すると、
差分料金。
既存モデルを開いて調整する基本料金。
新しいイラスト制作料金。
などが発生する場合があります。
そのため、確実に使うと分かっている表情まで後回しにすれば安くなるとは限りません。
活動前から必要性が明確なものは最初にまとめ、必要か分からないものを後から足す方が判断しやすくなります。
逆に最初から大量に作ると使わない表情が出やすい
VTuber活動を始める前に想像していた使い方と、実際の配信スタイルが違うことがあります。
怒り顔をたくさん作ったのに全く使わない。
ハート目よりジト目をよく使いたくなる。
配信を始めたら表情より手のポーズが欲しくなる。
ということも考えられます。
最初から10種類、15種類と増やすほど、それぞれを覚えて配信中に切り替える操作も増えます。
活動を始めて「この場面でこの表情が欲しい」と分かってから追加する方法にも意味があります。
表情を増やすより通常の顔を作り込んだ方がよい場合もある
予算が限られているなら、追加表情を増やす前に通常のモデルの動きも確認します。
例えば、
自然な笑顔。
眉の動き。
目の見開き。
口の表現。
顔の可動域。
などです。
配信時間のほとんどは、特殊な表情を固定している時間ではありません。
通常状態のモデルが自然に表情豊かに動けば、切り替え表情が少なくても配信できます。
逆に差分をたくさん持っていても、通常状態の顔がほとんど動かないなら、普段の配信では表情が乏しく見える可能性があります。
「表情差分の数」と「普段の表情の豊かさ」は分けて考えます。
ボタンを押さなくても出る表情も相談できる
表情はすべてキーボード操作にする必要もありません。
モデルによっては、笑った顔に合わせて目元も自然に笑顔になるよう作られています。
また、トラッキング条件に合わせて特定の表情を変化させるモデリングを提供している制作者もいます。
例えば自分が眉を動かしたときに困り顔へ近づけるなど、配信者の動きと連動させる考え方です。
「この表情を1個ください」だけでなく、
「ボタンで切り替えたいのか、自分の顔に合わせて自然に出したいのか」
まで伝えると、必要な制作方法が変わります。
iPhoneを使うかWebカメラを使うかで活用できる表現が変わる場合もある
一部のモデリングでは、対応するiPhoneの顔追跡機能を利用する前提で、頬を膨らませる動きなどを作る例があります。
Webカメラで活動する人が、iPhone向けに作られた機能を追加しても同じように使えるとは限りません。
表情差分を選ぶときは、
VTube Studioを何で追跡する予定か。
スマートフォンなのか。
Webカメラなのか。
も制作者へ伝えます。
表情名だけでなく、自分の配信環境で使えるかを確認するためです。
最初から依頼した方がよい表情
最初から作る候補になるのは、「活動前の段階ですでに使うことが分かっている表情」です。
例えばキャラクター設定上、その表情が重要。
初配信から必ず使う演出がある。
新しいイラストパーツを必要とする。
モデルの代表的なリアクションにしたい。
といった場合です。
特にイラストの追加が必要なら、パーツ分けPSDを制作している段階で一緒に作っておく方が話をまとめやすくなります。
後から追加しやすい表情
後回しにしやすいのは、「使うかどうか活動前には分からない表情」です。
例えば、
配信ネタとして使いたい顔。
ゲーム特有のリアクション。
季節限定の表情。
活動を続けてから欲しくなったキャラクターらしい顔。
などです。
最初から用意しなくても、活動を始めれば、
怒ったときにもっと分かりやすい顔が欲しい。
視聴者にいじられたときのジト目が欲しい。
ホラー配信用の青ざめ顔が欲しい。
といった具体的な不足が見えてきます。
その時点で追加した方が、使う表情へお金をかけやすくなります。
最初に依頼するときは「何個?」ではなく3つに分ける
表情を決めるときは、候補を次の3種類に分けると整理しやすくなります。
1つ目は、通常の顔追跡だけで出せるもの。
これは追加表情が本当に必要か確認します。
2つ目は、活動開始時から絶対に使う切り替え表情。
これは最初から依頼する候補です。
3つ目は、あると面白そうだが使うか分からないもの。
これは後から追加する候補です。
この分け方をすると、「表情を何個付ければ普通なのか」を探す必要がなくなります。
依頼前にモデラーへ聞いておきたいこと
例えば表情候補が、
照れ。
涙目。
ハート目。
ジト目。
怒り。
の5個あったとします。
そのまま「5個お願いします」と注文する前に、
通常の顔追跡ですでに表現できるものはどれか。
既存パーツだけで作れるものはどれか。
新しいイラストパーツが必要なのはどれか。
最初にまとめて作る場合と後から追加する場合で料金が変わるか。
納品後も追加対応してもらえるか。
を聞きます。
すると5個すべてを同じ扱いで頼む必要がないことがあります。
結局、表情はいくつ依頼する?
決まった正解はありません。
基本モデルですでに自然な笑顔・眉・目・口の動きがあるなら、手動で切り替える表情を大量に用意しなくても活動できます。
初めてなら、まず基本モデルで何ができるか確認し、そのうえで「初配信から使う場面が具体的に思い浮かぶ表情」を2~4個程度から考える方法があります。
ただし、これは業界標準の数ではありません。
キャラクターに必要なら増やして構いませんし、必要なければ少なくても問題ありません。
そして、後から追加するときは二つに分けます。
既存の目・眉・口などを組み合わせる表情なら、VTube Studio側で自分で作れる場合があります。
新しい涙・ハート目・舌など、モデルにない絵や変形を追加するなら、イラスト・モデリングの追加依頼が必要になる場合があります。
最初から確実に使うもの、特に新規パーツが必要な表情は最初の制作時に相談する。
使うか分からないネタ表情は、活動して必要性が分かってから追加する。
この分け方なら、表情の数そのものではなく、実際に使う表情へ予算を使えます。
出典
VTube Studio|Expressions (a.k.a. Stickers or Emotes)
Live2D|表情の設定と書き出し
Live2D|Expression Motion
SKIMA|Live2Dモデルの表情差分・アイテムの着脱モデリング
ココナラ|Vtuber向けLive2Dモデル製作・表情差分3点を含む制作例
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