一枚絵からLive2Dを依頼できる?|描き直しが必要な場合

一枚絵しか持っていなくても、Live2Dモデルの制作を依頼できます。

すでに完成しているイラストを髪・目・口・顔・身体などに切り分け、足りない部分を描き足してからLive2Dで動かす方法があります。

そのため、

「パーツ分けしたPSDを持っていないから、全部描き直さなければならない」

とは限りません。

ただし、一枚絵なら何でもそのままLive2D化できるわけでもありません。

判断するときに見るのは、

隠れている部分を描き足せるか。

元絵のポーズがLive2D向きか。

どこまで大きく動かしたいか。

元の制作データがどこまで残っているか。

です。

この4つによって、「一枚絵を生かしてパーツ分けする」のか、「Live2D用に描き直した方がよい」のかが変わります。

一枚絵でもパーツ分けすればLive2Dにできる

Live2Dでは、一枚の画像をそのまま紙人形のように動かしているわけではありません。

見た目は一人のキャラクターでも、実際には、

前髪。

後ろ髪。

眉。

まつげ。

白目。

黒目。

口。

顔。

首。

胴体。

腕。

衣装。

などを別々の部品として扱います。

この部品分けを「パーツ分け」や「素材分け」と呼びます。

最初からLive2D用として描かれたイラストなら、制作段階でこれらが別々のレイヤーになっています。

しかし、すでに完成している一枚絵でも、必要な場所を切り出し、足りない部分を描き足すことでパーツ分けできます。

実際に、一枚絵からパーツ分けとモデリングまでまとめて受けている制作者もいます。

つまり、「一枚絵しかない」という理由だけでLive2D化を諦める必要はありません。

一番問題になるのは「今は見えていない部分」

一枚絵からLive2D化するときに、単純な切り抜きだけでは済まない理由があります。

たとえば前髪を左右へ動かします。

すると、元の絵では前髪に隠れていた額や眉が見えるようになります。

しかし一枚絵には、最初から隠れている部分は描かれていません。

同じことが、

後ろ髪に隠れた首。

腕に隠れた服。

顔に隠れた耳。

髪に隠れた輪郭。

閉じた口の内側。

などにも起こります。

Live2Dでそのパーツを動かしたときに穴が見えないよう、隠れていた部分を新しく描き足します。

これが、一枚絵をLive2D化するときの大きな追加作業です。

「パーツ分け」と「描き直し」は同じではない

一枚絵からLive2D化するときは、何でも最初から描き直すわけではありません。

まず既存絵を利用できる部分を切り出します。

そのうえで、

隠れていた部分だけ補う。

足りない線を延長する。

髪の根元を作る。

服の裏側を追加する。

口の中を作る。

などの加工を行います。

これは元絵を生かした「パーツ分け+描き足し」です。

一方、元の形を切り分けても希望する動きが作れない場合は、部品そのものを描き直します。

この二つを分けて考えると、「一枚絵からできるか」を判断しやすくなります。

正面に近い立ち絵は生かしやすい

既存の一枚絵を使いやすいのは、正面に近いキャラクターです。

VTuberのLive2Dモデルでは、

顔を左へ向ける。

右へ向ける。

上を見る。

下を見る。

身体を左右へ傾ける。

という動きを作ることがあります。

元絵が正面なら、左右の顔や身体を比較的均等に変形させやすくなります。

また、腕が身体の横にあり、髪や小物が顔を大きく覆っていなければ、後から作る隠れ部分も少なくなります。

一枚絵を見積もりへ出すときは、まず「正面に近い立ち姿か」を見ます。

斜め向きの絵では作れる動きが変わる

キャラクターが最初から大きく斜めを向いている場合は判断が変わります。

たとえば、すでに顔が右を向いている絵を元にして、

正面。

左向き。

右向き。

まで大きく顔を振るモデルを作ろうとすると、元の一枚絵には反対側の情報がありません。

モデリングの変形だけでは補えない部分が増えます。

実際、一枚絵のパーツ分けを受け付けている制作者でも、斜め向きの立ち絵では高い可動範囲へ対応できないとしている例があります。

この場合は、

元の向きのまま小さく動かす。

または、

正面向きのLive2D用イラストを描き直す。

という選択になります。

「Live2D化できるか」ではなく、「どの向きまで動かしたいか」で判断します。

ポーズ付きの一枚絵も注意する

一枚絵では、キャラクターが見栄えのよいポーズを取っていることがあります。

腕を組んでいる。

手を顔の前へ出している。

杖や武器を身体の前で持っている。

片足を曲げている。

こうした絵でもパーツ分け自体はできる場合があります。

ただし、手や小物の下に隠れた身体を描き足す量が増えます。

さらに、「腕を組んだ状態から腕を自由に動かしたい」となると、元絵に存在しない腕や服の形まで作る必要があります。

その場合は、単なるパーツ分けより描き直しに近い作業になります。

元のポーズを維持したまま少し動かすなら使える。

ポーズそのものを変えたいなら描き直しが増える。

という境界です。

顔が髪で大きく隠れていると描き足しが増える

長い前髪で片目が完全に隠れているキャラクターもいます。

その目をLive2Dでもずっと隠したままにするなら、必ずしも見えない目まで大きく作る必要はありません。

しかし、

髪を揺らしたときに目を見せたい。

髪型を切り替えたい。

顔を横へ向けたら目が見えるようにしたい。

となれば、隠れている目や顔を新しく作る必要があります。

つまり、

「絵の中で隠れているか」

だけでは判断できません。

「Live2Dで動かしたときも隠れたままにするのか」

まで考えます。

髪を大きく揺らしたいほど描き足す範囲も増える

髪も同じです。

元の一枚絵から前髪を切り取るだけなら、前髪の下には穴ができます。

そのため顔側を描き足します。

後ろ髪を大きく揺らしたいなら、髪の付け根や身体の後ろ側まで必要になります。

逆に、髪をほとんど動かさない簡易モデルなら、細かな毛束を大量に分ける必要はありません。

一枚絵をそのまま使えるかは、「髪が複雑かどうか」だけではなく、

どの毛束を動かすのか。

どの程度揺らすのか。

まで含めて判断します。

腕を動かしたいなら身体の下まで必要になる

一枚絵で腕が身体に重なっている場合、その下の服は描かれていません。

腕を固定したまま身体全体を少し揺らすだけなら、大きな問題にならない場合があります。

しかし、

腕を上げたい。

腕を左右へ動かしたい。

手を振りたい。

腕のポーズを切り替えたい。

なら、腕の下に隠れていた胴体や服を作る必要があります。

さらに自由に腕を動かしたい場合は、上腕・前腕・手などを別々に作り直す場合もあります。

希望する動きが増えるほど、一枚絵を単純に分けるだけでは足りなくなります。

絵柄によってパーツ分けの難しさも変わる

元絵の描き方も影響します。

たとえば、

服に複雑な柄がある。

髪と服の境界に細かい装飾がある。

半透明の布が何枚も重なっている。

光や影が複数の部品をまたいで描かれている。

といった絵です。

一枚の完成イラストとしては自然でも、それぞれの部品を独立して動かすと、模様・影・透け方が途中で切れることがあります。

その場合、パーツごとに自然に見えるよう再構成します。

元のデザインを変えるわけではなくても、Live2D用として描き直す範囲が大きくなることがあります。

元のPSDが残っているなら一緒に出す

手元にPNGやJPEGだけでなく、元のPSDやCLIP STUDIO PAINTの制作データが残っているなら、見積もり時にその存在を伝えます。

特に、

線画。

基本色。

影。

ハイライト。

装飾。

などが別々のレイヤーで残っていると、必要な部分を取り出しやすくなります。

すでに一枚へ完全に統合された画像から切り分けるより、元レイヤーが残っている方が加工しやすい場合があります。

自分では「パーツ分けされていないPSDだから意味がない」と判断せず、持っている元データを制作者へ見てもらいます。

PNG一枚しかなくても相談はできる

逆に、元データを失い、透過PNG一枚しかない場合もあります。

それでも、一枚絵からのパーツ分けに対応する制作者へ相談できます。

ただし、元レイヤーがないため、

線や色を再現する。

隠れた部分を描く。

部品同士の境界を作る。

影を作り直す。

といった作業が増える可能性があります。

そのため「PNGしかない=不可」ではなく、「PNGからどこまで復元する必要があるか」で見積もりが変わります。

まず元画像そのものを見てもらうのが確実です。

一枚絵の解像度や画質も確認される

一枚絵を切り分ける場合は、その元画像を使って新しい部品を作ります。

そのため、元の画像がかなり小さい、輪郭がぼやけている、圧縮による劣化が大きいと、切り出したパーツを拡大したときに粗さが目立つことがあります。

この場合、

一部だけ描き直す。

線を引き直す。

Live2D用の立ち絵として全体を描き起こす。

などが必要になることがあります。

元画像をSNSから保存した画像だけでなく、できるだけ元の高解像度データを探しておきます。

「どこまで動かしたいか」を先に伝える

一枚絵から依頼するときに、制作者が判断しやすいのは「何パーツ必要ですか」と聞くことではありません。

先に、

まばたきと口パクだけでよい。

顔を左右へ動かしたい。

髪をしっかり揺らしたい。

身体も左右へ動かしたい。

腕を動かしたい。

横顔に近いところまで向かせたい。

という完成後の希望を伝えます。

必要なパーツ分けは、その動きから逆算して決まります。

細かく分ければ常に正解というわけでもありません。

簡単な動きでよければ元絵を生かせる場合でも、高い可動範囲を求めると描き直しが必要になることがあります。

「今の絵を残したい」のか「このキャラを動かしたい」のかを決める

ここが、一枚絵をLive2D化するときの大きな判断になります。

たとえば、今ある一枚絵の表情・線・雰囲気が非常に気に入っているとします。

その場合は、

動きは多少狭くてもよい。

今の絵をできるだけ変えずに使いたい。

という依頼ができます。

反対に、

同じキャラクターデザインならよい。

顔を大きく左右へ向けたい。

全身を自然に動かしたい。

腕も動かしたい。

という場合は、一枚絵へのこだわりより「Live2Dで動かしやすい原画」へ描き直した方が目的に合う可能性があります。

どちらを優先するかを制作者へ伝えます。

一部だけ描き直す方法もある

選択肢は、

そのまま使う。

全部描き直す。

の二択ではありません。

たとえば、

顔と髪は元絵を利用する。

腕だけ新しく描く。

身体の隠れた部分だけ描き足す。

口だけLive2D用に作り直す。

服の模様だけ再構成する。

といった方法もあります。

どの部分を残し、どこから描き直すかを見積もってもらえます。

一枚絵を見せた時点で「全部描き直してください」と言われたら、なぜ描き直しが必要なのかを確認すると判断しやすくなります。

別の人が描いた一枚絵なら先に改変許可を確認する

自分で描いた一枚絵なら、自分の判断でパーツ分けを依頼できます。

注意が必要なのは、別のイラストレーターへ依頼して描いてもらった絵です。

一枚絵をLive2D用にパーツ分けすると、

絵の一部を切り分ける。

隠れた部分を描き足す。

線を延長する。

場合によっては形を修正する。

といった変更が発生します。

そのため、元のイラストレーターがLive2D化・パーツ分け・第三者による加筆を許可しているか確認します。

「配信に使ってよい」と「別の人が絵を加工してよい」は同じ許可とは限りません。

購入時・依頼時の規約に記載がなければ、Live2D化するために別の制作者が加工してよいか確認してから依頼します。

元絵師にパーツ分けを頼めるならそれも選択肢

元のイラストレーターがLive2D用のパーツ分けにも対応している場合があります。

元絵師なら、

どのブラシを使ったか。

どういう線で描いたか。

隠れた部分が本来どんな形か。

を把握しています。

そのため、元絵に近い仕上がりで描き足しやすい場合があります。

ただし、イラストは描けてもLive2D用パーツ分けは受けていない制作者もいます。

その場合は、元絵師から加工許可をもらい、パーツ分けができる別の制作者へ依頼する方法があります。

モデラーとパーツ分け担当を分けるなら先に相談する

パーツ分けとLive2Dモデリングを別々の人へ依頼する場合もあります。

このとき、先にモデラーへ相談しておくと手戻りを減らせます。

モデラーによって、

顔をどこまで向かせるか。

髪を何束に分けたいか。

身体をどこまで動かすか。

腕差分が必要か。

によって希望するパーツ構成が違うことがあるからです。

実際のパーツ分けサービスでも、高い可動範囲のモデルではモデリング担当者との打ち合わせを求めています。

先に一枚絵を見せ、

「この絵から、このくらい動かしたい」

とモデラーへ伝え、その仕様に合わせてパーツ分けする方法があります。

描き直した方がよい境界を整理する

一枚絵を生かすか、描き直すかは次のように考えられます。

元絵・希望判断の目安
正面に近い立ち絵一枚絵からパーツ分けしやすい
PNG一枚だけ対応可能な制作者あり。描き足しが増える可能性
元PSD・作画データありまずデータを見てもらう
前髪などで一部が隠れている隠れ部分の描き足しで対応できる可能性
腕が身体を大きく隠す胴体・衣装の描き足しや描き直しが増える
大きく斜めを向いた絵可動範囲を狭めるか、正面原画の描き直しを検討
ポーズを大きく変えたい新しい腕・身体などの作画が必要になりやすい
横顔近くまで動かしたい一枚絵からの単純な切り分けでは難しくなる
元画像が小さい・粗い線やパーツの描き直しを検討
現在の絵柄を最優先したい動きを抑えて元絵利用を優先
動きを最優先したいLive2D用原画への描き直しも検討

この表の中で一番重要なのは、「一枚絵かどうか」ではありません。

元絵にない情報を、どれだけ新しく作らなければならないかです。

依頼時は一枚絵を見せて「この動きが欲しい」と伝える

一枚絵からLive2Dを依頼するとき、自分で「これは描き直しが必要だ」と決める必要はありません。

まず制作者へ元画像を見せます。

そして、

VTube Studioで使いたい。

顔は左右にこのくらい動かしたい。

髪は揺らしたい。

腕は固定でよい。

今の絵柄はできるだけ残したい。

という希望を伝えます。

制作者はその絵を見て、

そのまま切り分けられる部分。

描き足せば使える部分。

作り直した方がよい部分。

を判断できます。

見積もり時には、一枚絵だけでなく元PSDや作画データが残っていれば一緒に伝えます。

「一枚絵からできる?」より「どこまで元絵を残せる?」と聞く

一枚絵からLive2Dを依頼すること自体はできます。

しかし、そこで検索を終えると判断が一段浅いままです。

本当に確認したいのは、

この絵をどこまでそのまま残せるのか。

どこを描き足す必要があるのか。

希望する動きを付けるにはどこを描き直すのか。

です。

正面に近い絵を小さく動かすなら、一枚絵を生かせる範囲は広くなります。

元のポーズから大きく動かしたいほど、元絵には存在しない部分が必要になります。

その不足を少し描き足せば済むのか、部品ごと描き直した方がよいのか。

ここが「一枚絵を使う」と「Live2D用に描き直す」の境界です。

一枚絵しか持っていなくても、まず諦める必要はありません。

元画像を制作者へ見せ、欲しい動きと照らし合わせてから、パーツ分けで進めるか描き直すかを決めればよいでしょう。

出典

Live2D|素材分けについて

Live2D|イラストの加工

Live2D|PSDのインポート

CLIP STUDIO|Live2Dでイラストを動かそう!キャラクターのパーツを切り分ける

文化庁|著作権契約マニュアル・著作者人格権

文化庁|イラストの作成に関する著作権契約書式

ココナラ|一枚絵可!パーツ分け&Live2Dモデリング

ココナラ|LIVE2D用パーツ分け

ココナラ|Live2D制作・1枚絵からのパーツ分け可能

関連記事については、公開済みの自サイト記事をWeb上で確認できなかったため掲載していません。