初めてVTuberモデルを依頼するとき、キャラクターの髪型や服装、表情、動きまで全部決めてから制作者へ連絡する必要はありません。
先に決めておきたいのは、もっと大きな部分です。
何に使うモデルなのか。
2Dと3Dのどちらなのか。
今、何の素材を持っているのか。
予算はいくらまで出せるのか。
いつまでに必要なのか。
そして、見た目や動きで「これだけは外したくない」というものは何か。
ここまで分かれば、初回相談はできます。
逆に、Live2Dの細かな動かし方やパーツ数まで初心者が決めようとすると、何を選べばよいのか分からなくなります。
技術的な部分は、「配信で何をしたいか」を伝えて制作者と決めた方がよいところです。
最初に「どんなVTuber活動に使うか」を決める
モデルの依頼で最初に決めたいのは、キャラクターの髪色ではありません。
何に使うのかです。
例えば、
YouTubeでゲーム配信をする。
雑談配信をする。
歌配信をする。
ショート動画を作る。
VRChatでも使いたい。
ゲーム内で全身を動かしたい。
では必要なモデルが変わります。
顔と上半身を中心に配信するならLive2Dの2Dモデルが候補になります。
3D空間で全身を動かしたいなら、3Dモデルを検討することになります。
最初に活動方法を決めると、その後の「2Dか3Dか」「どこまで動かすか」が決まりやすくなります。
使いたいアプリが決まっているなら先に伝える
「VTube Studioを使いたい」と決めているなら、その情報は最初に伝えます。
VTube StudioはLive2Dモデルを動かすアプリで、VRMなどの3Dモデルを直接使うアプリではありません。
逆にVRM形式の3Dモデルで活動したいなら、それに対応したアプリを使います。
そのため、
モデルを作ってもらう。
あとから配信アプリを選ぶ。
という順番より、
どのような活動をしたいか。
どのアプリで使う予定か。
そのアプリに合うモデル形式は何か。
を確認してから依頼した方が安全です。
アプリ名が分からなくても、「PCで顔を追跡して配信したい」「VRChatでも同じキャラクターを使いたい」のように用途を伝えれば、相談できます。
2Dか3Dか決め切れないなら、先に依頼先を決めない
2Dと3Dでは制作方法が大きく違います。
Live2Dモデルを作る人と、Blenderなどで3Dモデルを作る人が同じとは限りません。
そのため、
かわいい絵柄だからこの人に頼みたい。
と依頼先だけ先に決めた後で、
実は3Dで全身を動かしたかった。
となると、別の制作者を探し直す可能性があります。
まず、
配信画面で上半身中心に動けばよいのか。
全身を立体的に動かしたいのか。
VR空間でも使いたいのか。
を考えます。
それで2D・3Dの方向を決めてから、その分野の制作者を探します。
次に「今、何を持っているか」を確認する
VTuberモデル制作は、全員が同じ地点から始まるわけではありません。
何も持っていない。
キャラクターのイメージだけある。
普通の一枚絵がある。
全身立ち絵がある。
Live2D用にパーツ分けされたPSDがある。
すでにLive2Dモデルがある。
VRMの3Dモデルがある。
では、依頼する作業が変わります。
初回相談では、これを最初に伝えます。
何も持っていないなら「キャラデザから」を探す
頭の中に、
白髪。
猫耳。
黒い服。
落ち着いた性格。
くらいしか決まっていなくても依頼できます。
キャラクターデザインから受ける制作者を探せばよいからです。
依頼サービスでも、
キャラクターデザイン。
Live2D用イラスト。
パーツ分け。
モデリング。
までまとめて制作するプランがあります。
「絵が完成してからでないとLive2Dを依頼できない」というわけではありません。
何も持っていないなら、一括で作ってもらうか、キャラクターデザインとモデリングを別々に依頼するかを選びます。
普通の立ち絵があるなら、そのまま送って判断してもらう
すでに気に入ったキャラクターイラストがある場合もあります。
ただし普通の一枚絵と、Live2Dを作るためのイラストは同じではありません。
Live2Dでは、目、口、髪、体などを動かすためにイラストを複数のパーツへ分けます。
さらに、動いたときに見える部分を描き足す必要がある場合もあります。
そのため「この絵を使いたい」と考えているなら、自分で使えるか判断するより、ファイルを見てもらいます。
制作者によって、
そのままパーツ分けできる。
描き足しが必要。
元の絵師へ確認が必要。
新しく描き直した方がよい。
という判断が変わります。
モデリングだけ頼みたいなら、素材の状態を先に伝える
「絵はあるので動かす作業だけ頼みたい」という人は特に注意します。
モデリングのみのサービスでは、Live2D用にパーツ分けされたイラストを前提としている場合があります。
PNGやJPG一枚だけでは、そのままモデリングへ進めないことがあります。
初回メッセージで、
PSDがあります。
パーツ分け済みです。
一枚絵しかありません。
元絵師へ連絡できます。
のどこまでそろっているかを伝えます。
分からなければ「このファイルしか持っていません」と確認してもらえば構いません。
予算は「希望額」より「上限」を決めておく
VTuberモデルは、追加したい内容によって料金が変わります。
例えば、
キャラクターデザインから頼む。
全身を描く。
動く範囲を増やす。
表情を増やす。
上着を脱げるようにする。
猫耳やしっぽを動かす。
特別なモーションを付ける。
といった内容です。
そのため「できるだけ安く」だけでは、制作者も提案しにくくなります。
初めてなら、
できればこの金額。
最大でもこの金額まで。
という上限を決めます。
予算上限が分かれば、制作者側も、
この予算なら上半身中心にする。
表情を減らす。
最初は基本モデルだけ作る。
後から追加アップデートする。
といった提案ができます。
「安いプランを選ぶ」より、予算内で何を残すかを相談する
同じ10万円でも、
絵を豪華にする。
動きを多くする。
表情を増やす。
衣装差分を付ける。
では使い方が違います。
初めてだと、どれにお金をかけるべきか判断できないことがあります。
その場合は無理に自分で決めません。
「ゲームと雑談配信が中心です。予算はここまでです。この範囲ならどこへお金をかけるとよいですか」
と相談します。
依頼先の制作例を見ながら調整した方が、分からない機能へ料金を使うことを避けやすくなります。
希望納期だけでなく「いつ使い始めたいか」を決める
制作者へは納期を伝えます。
ただし、考えるときは「モデルを受け取る日」だけでなく、
いつ活動を始めたいか。
いつお披露目したいか。
を先に決めた方が分かりやすくなります。
モデルが届いたあとにも、
配信ソフトへ入れる。
顔の追跡を調整する。
マイクや配信画面を確認する。
表情切替を覚える。
実際に配信して動きを確認する。
といった準備があります。
「デビュー日の前日に納品されればよい」と決めず、完成後に自分で試す時間も考えて依頼します。
納期が絶対なのか、予算が絶対なのかも決める
例えば、
誕生日に必ずお披露目したい。
イベントの日までに必要。
という場合は、期日が優先です。
一方、
開始時期は急がない。
予算以上は出せない。
なら、価格を優先できます。
制作者によっては、短納期になると追加料金が必要になったり、そもそも依頼を受けられなかったりします。
予算と納期の両方を完全固定にすると依頼先が見つかりにくい場合があります。
「こちらは絶対、こちらは相談可能」と決めておくと話が進みやすくなります。
キャラクターは全部決めず「絶対に外せないもの」を決める
キャラクターデザインから頼むとき、一番困るのが、
どこまで設定を作ればよいのか。
という問題です。
初心者が最初に必要なのは、50項目の設定表ではありません。
外したくないものを決めます。
例えば、
20代くらいに見える。
中性的。
猫がモチーフ。
黒と赤を中心にしたい。
長い白髪。
大人っぽくしたい。
かわいいより格好いい。
この帽子だけは入れたい。
というものです。
これだけでもデザインの方向はかなり絞れます。
決まっていない部分は「お任せ」と伝えてよい
髪型は決まっていない。
服装もよく分からない。
色も一色しか決めていない。
という状態でも問題ありません。
キャラクターデザインを仕事にしている制作者なら、決まっていない部分を提案してくれるプランがあります。
むしろ、よく分からないのに全部指定すると、
服装は自分で指定した。
でも完成後に見ると世界観と合わない。
ということも起こります。
譲れない部分だけ決め、残りを提案してもらう方法があります。
参考画像は「このキャラそのまま」ではなく部分ごとに集める
文章だけでは伝えにくいものは参考画像を使います。
例えば、
髪型はこの写真に近い。
色はこのイラストの雰囲気。
服はこの系統。
目はもう少しつり目。
動きはこのVTuberのような柔らかさ。
という使い方です。
一人の既存キャラクターを丸ごと「これと同じにしてください」とするのではなく、何を参考にしているかを分けて伝えます。
制作者側でも、参考資料を添付してほしいと案内しているサービスは多くあります。
動きは専門用語ではなく「やりたいこと」で決める
Live2Dについて調べ始めると、
顔XYZ。
物理演算。
可動域。
パーフェクトシンク。
キーバインド。
など聞き慣れない言葉が出てきます。
初めて依頼する段階で全部理解する必要はありません。
例えば、
顔を大きく左右に振りたい。
笑ったときに目も笑ってほしい。
猫耳をよく動かしたい。
驚いた表情をボタンで出したい。
ゲーム配信中に表情が豊かに見えてほしい。
歌枠で口の動きを自然にしたい。
と伝えます。
その希望を実現するために必要なモデリングを、制作者と相談します。
「よく動くモデルが欲しい」だけでは少し曖昧
逆に、「高可動でお願いします」だけでは人によってイメージが違います。
何を動かしたいのかを伝えます。
顔を大きく振りたいのか。
体まで動いてほしいのか。
髪やアクセサリーを大きく揺らしたいのか。
腕を切り替えたいのか。
表情を多数用意したいのか。
「動きの多さ」ではなく、配信中にどんな見え方が欲しいかを伝える方が判断しやすくなります。
トラッキング方法が決まっているなら伝える
Live2Dモデルは、カメラなどで顔の動きを読み取って動かします。
VTube Studioではスマートフォンやウェブカメラを利用できます。
依頼サービスの中には、
iPhone。
Webカメラ。
どちらを使用する予定か。
までヒアリングするものがあります。
すでに持っている機材が決まっているなら、依頼時に伝えます。
特に高度な表情追跡を希望する場合、どの機材を使う予定かによって活用できる機能が変わる可能性があります。
まだ何も持っていないなら、そのことも伝えれば構いません。
モデルを先に作ってから「自分の機材では想定した動きを使えない」とならないようにします。
表情差分は「思いつく限り全部」ではなく配信で使うものを考える
表情差分も追加料金になることがあります。
例えば、
笑顔。
怒り。
泣き顔。
驚き。
青ざめ。
ハート目。
などです。
初めから大量に追加する必要はありません。
雑談配信で本当に使いそうなもの。
ゲーム中によく出したいもの。
キャラクター設定として重要なもの。
から選びます。
活動後に追加対応してくれる制作者なら、最初は基本的な表情だけで始める方法もあります。
衣装差分・小物も「最初から必要か」を考える
帽子。
メガネ。
上着。
マスク。
武器。
マイク。
ペット。
などを付けたい場合もあります。
しかしすべてを最初から作る必要はありません。
例えば、
メガネがキャラクターの象徴なので最初から必須。
冬服は活動開始後でよい。
という分け方ができます。
予算が限られるなら、「初配信に必要なもの」と「後から増やせるもの」を分けます。
納品物は依頼前に確認する
完成した見た目だけでなく、何のファイルが納品されるのかも確認します。
Live2Dモデルの場合、VTube Studioなどで使用するために書き出されたモデルデータがあります。
一方、Live2D Cubismで後からモデル自体を編集する元データは.cmo3です。
この2つは同じではありません。
そのため、
配信に使える完成データだけもらえるのか。
編集用データも含まれるのか。
パーツ分けPSDももらえるのか。
を確認します。
将来、新衣装を作りたいなら元データの扱いも聞いておく
今は必要なくても、活動後に、
新衣装を増やしたい。
髪型を変更したい。
別のモデラーへアップデートを頼みたい。
となる可能性があります。
その場合、編集用モデルや元イラストが必要になることがあります。
依頼前に、
編集用データは納品されるのか。
別料金で購入できるのか。
制作者側で保管するのか。
第三者へ改修依頼してよいのか。
を確認しておくと、後から困りにくくなります。
商用利用も「VTuberだから当然OK」と決めつけない
VTuber活動では収益が発生する可能性があります。
YouTubeの広告収益。
投げ銭。
月額メンバー。
企業案件。
グッズ販売。
などです。
モデル制作を依頼するときは、
収益化配信に使う予定。
将来グッズ化する可能性がある。
企業所属になる可能性がある。
と分かっている範囲で伝えます。
商用利用の条件、グッズ化、改変、著作権譲渡などは制作者によって違います。
モデルの料金だけでなく、利用条件も依頼確定前に確認します。
実績公開の可否も決めておく
制作者は完成したモデルを、
X。
ポートフォリオ。
販売ページ。
動画。
などで制作実績として公開する場合があります。
依頼サービスでも、「実績公開可能か」「いつから公開してよいか」をヒアリングする例があります。
デビュー前のキャラクターを秘密にしたいなら、
公開不可。
デビュー日までは非公開。
デビュー後なら公開可。
などを最初に伝えます。
これはモデルの見た目とは関係ありませんが、依頼時に決めておくべき条件です。
デビュー日を秘密にしたい場合も伝える
新しいVTuberでは、
デザインを初配信で公開したい。
シルエットだけ先に公開したい。
ということがあります。
制作者が制作途中の画像をSNSへ掲載する場合もあるため、公開時期に希望があるなら明確にします。
「納品日」と「情報を公開してよい日」は別です。
ここも相談時に伝えます。
制作者を探す前に作品例を見る
準備ができたら依頼先を探します。
価格だけで選ぶ前に、その人が過去に作ったモデルを実際に動いている状態で見ます。
例えば、
顔の向き。
目の動き。
口の動き。
髪や服の揺れ。
体の動き。
自分が好きな絵柄か。
を確認します。
Live2Dなら、静止画だけではモデリングの違いが分かりません。
モデル制作を依頼するなら、イラストだけでなく動きの実績を確認します。
「絵が好き」と「動きが好き」を分けて見る
一人の制作者がイラストとモデリングを両方担当する場合もあります。
一方、
イラストは絵師A。
Live2DモデリングはモデラーB。
と分ける方法もあります。
絵柄は好きだがモデリング実績が少ない。
モデリングは好きだがイラスト制作を受けていない。
ということがあります。
最初から一人へ全部頼むのか、工程を分けるのかも、依頼先を探すときに確認します。
初心者なら「全部入りプラン」が合う場合もある
何も持っておらず、
絵師を探す。
パーツ分けを頼む。
モデラーを探す。
データを受け渡す。
という工程そのものが難しい場合があります。
この場合、キャラクターデザインからLive2Dモデリングまで一括で受ける制作者を選ぶ方法があります。
窓口が一つになるため、自分で各工程をつなぐ必要がありません。
ただし、価格だけでなく、
どこまで基本料金に入るか。
修正回数。
表情差分。
元データ。
商用利用。
を確認します。
すでに素材がある人は一括プランを買う必要はない
逆に、パーツ分け済みPSDまで持っているなら、
キャラクターデザイン。
イラスト制作。
をもう一度依頼する必要はありません。
モデリングだけ受ける制作者を探せます。
「VTuberモデル制作」という言葉だけで商品を選ばず、自分がどこまで完成しているかから依頼工程を決めます。
初回相談で最低限伝えるならこれでよい
初めて制作者へ連絡するとき、長い仕様書を作る必要はありません。
最低限、
「YouTubeでゲーム・雑談配信に使うLive2Dモデルを希望しています」
「キャラクターデザインからお願いしたいです」
「予算上限は○円です」
「○月ごろまでの完成を希望しています」
「白髪・猫モチーフ・黒中心は必ず入れたいです」
「VTube Studioで使う予定です」
「参考画像を数点用意しています」
くらいまで決まっていれば、相談を始められます。
そこから、
どの程度動かすか。
どんな表情を付けるか。
予算内で何を削るか。
を制作者と決めます。
「分からない項目があります」と書いてもよい
依頼テンプレートを見ると、知らない項目が出てくることがあります。
そのとき適当に選ぶ必要はありません。
「分かりません。おすすめを相談したいです」
と書きます。
オーダーメイドは、完成仕様を書いて注文ボタンを押すだけの買い物ではありません。
nizimaのようなサービスでも、正式な発注前に依頼内容をすり合わせる工程があります。
初めてなら、その相談工程を使う前提で準備すれば十分です。
依頼前に全部決める必要はない
初めてVTuberモデルを頼む人が先に決めるべきなのは、制作技術ではありません。
まず、
何に使うのか。
2Dか3Dか。
何の素材を持っているか。
予算上限はいくらか。
いつ使いたいか。
絶対に入れたいデザインや機能は何か。
を決めます。
さらに分かる範囲で、
使う配信アプリ。
使うカメラ。
欲しい表情。
商用利用予定。
将来の新衣装予定。
実績公開の可否。
を伝えます。
そして、
パーツを何個に分けるか。
どんなデフォーマを使うか。
物理演算をどこまで細かくするか。
といった制作側の仕様は、やりたいことと予算を伝えて相談します。
VTuberモデル依頼で最初に完成させるべきなのは「モデルの仕様書」ではありません。
「自分はこのモデルで何をしたいか」を説明できる状態です。
そこまで決まれば、初めてでも見積もり相談へ進めます。
出典
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