VTuberモデルの衣装差分は最初から頼む?後から追加する?

VTuberモデルの衣装差分は、最初から全部そろえる必要はありません。

Live2Dモデルは、完成後でも新しい衣装パーツを追加できます。

初めてVTuberを始める段階で、

「夏服も欲しい」

「冬服も欲しい」

「部屋着も必要かも」

と予定だけで何着も作る必要はありません。

まず1着で活動を始め、実際に必要になってから新衣装を追加する方法でも問題ありません。

ただし、後から着せたい衣装によって、身体・腕・髪などの作りまで変わることが最初から分かっているなら話は別です。

その場合は、2着目を完成させなくても、

「将来こういう衣装を追加したい」

と初回制作時に伝えておく意味があります。

判断するときは衣装の枚数ではなく、新衣装で既存モデルのどこまで変わるかを見ます。

衣装差分には「着せ替え」と「ほぼ別モデル」がある

同じ「新衣装」でも作業量はかなり違います。

たとえば、

白いシャツを黒いシャツへ変える。

ジャケットを追加する。

アクセサリーを付ける。

という変更なら、現在の身体や腕をかなり流用できる場合があります。

一方、

半袖から大きな長袖へ変える。

制服からドレスへ変える。

袖の形に合わせて腕も作り直す。

ロングスカートで脚周りを変える。

髪型まで変更する。

という場合は、服だけ交換すれば終わるとは限りません。

新しい衣装用のパーツを作り、その衣装に合わせてLive2Dの動きも設定します。

まず「衣装差分」という言葉だけで一括りにしないことが重要です。

後から新衣装を追加すること自体はできる

Live2D Cubismには、すでに作成してあるモデルへ新しい原画パーツを追加する機能があります。

たとえば完成後に、

メガネ。

アクセサリー。

服。

髪型。

などを追加できます。

新しい衣装を描く。

↓

Live2D用に服をパーツ分けする。

↓

現在のモデルへ追加する。

↓

身体の動きに合うようモデリングする。

↓

必要なら衣装を切り替えられるよう設定する。

という流れです。

そのため「デビュー時に頼まなかったら一生その服」ということはありません。

実際、新衣装だけを後から追加するサービスも現在多数あります。

デビュー時に1着だけでも問題ない人

初めてVTuberを始めるなら、最初から何着も作らない方が合っているケースがあります。

まだ配信を続けるか分からない。

どんな活動が中心になるか決まっていない。

自分のキャラクターに何が似合うか分からない。

まずモデルそのものへ予算を使いたい。

こういう場合です。

活動してみると、

思ったより雑談配信が中心になった。

歌配信が増えた。

ファンから意外な衣装が好評だった。

自分でもキャラクターの方向性が分かってきた。

ということがあります。

そのあとで「次はこうしたい」と新衣装を作る方が、使う衣装を選びやすくなります。

「いつか使うかも」だけなら後からでいい

新衣装を最初から頼む理由が、

「VTuberは新衣装を出すものらしい」

「季節衣装があった方がよさそう」

「念のため2着くらい欲しい」

だけなら、急いで作る必要はありません。

衣装は後から追加できます。

特に、

水着を使うか分からない。

クリスマス衣装を毎年使うか分からない。

パジャマ配信をするか分からない。

といった段階なら、活動後に必要になってから決められます。

最初の予算を、普段もっとも長く使う基本衣装やモデルの動きへ回す考え方もできます。

最初から伝えた方がいいのは「着替えたい衣装が決まっている」場合

反対に、

デビュー直後から制服と私服を使い分けたい。

配信内容によって白衣を着脱したい。

上着を着た状態と脱いだ状態を頻繁に切り替えたい。

通常衣装と戦闘衣装を両方使う。

という計画がすでに決まっているなら、初回制作時から伝えます。

この場合、2着目は「将来いつか追加する衣装」ではありません。

最初からモデルの使い方の一部だからです。

どの部分を共通にするか。

何を表示・非表示で切り替えるか。

腕を共通にできるか。

衣装ごとに別の腕が必要か。

を、最初から設計できます。

上着の着脱は最初から言った方が作りやすい

特に分かりやすいのが、上着の着脱です。

たとえば、

ジャケットあり。

ジャケットなし。

を切り替えたいとします。

ジャケットを外したとき、中に着ているシャツがすべて見えなければなりません。

しかし最初からジャケット固定で原画を作ると、ジャケットの下に隠れている部分が描かれていない場合があります。

後から「やっぱり脱ぎたい」となると、中の服や身体を描き足す必要があります。

最初から着脱する予定なら、

上着。

中の服。

身体。

をそれぞれ必要な範囲まで作っておけます。

「服を脱ぐ・着る」は、初回に伝えておきたい差分です。

袖が変わると腕まで別に作る場合がある

衣装差分で見落としやすいのが腕です。

半袖の服から長袖へ変える場合、同じ腕へ服の画像だけ重ねれば済むとは限りません。

袖自体が腕の動きに合わせて変形します。

大きな袖なら、

袖口。

上腕側。

前腕側。

装飾。

なども動きます。

Live2Dでは衣装ごとに別の腕パーツを持たせることもできます。

つまり「服だけの追加」と思っていても、実際には腕のモデリングまで増えることがあります。

大きく形の違う袖を使う予定が最初からあるなら伝えておきます。

ロングスカートやマントも後からの影響が大きい

新衣装でシルエットが大きく変わる場合もあります。

短いスカートからロングスカート。

普通の服から大きなドレス。

何もない背中へ大きなマント。

こうした変更では、今まで存在しなかった大きなパーツが追加されます。

さらに、

身体について動く。

遅れて揺れる。

左右へ振れる。

といったモデリングも必要になります。

単純な色違い衣装より、新衣装制作の範囲が広くなります。

「いつか豪華なドレスにしたい」と思っている程度なら後からでも構いません。

しかし、デビュー後すぐ使う予定なら初回から相談しておく方が設計しやすくなります。

髪型も一緒に変えるなら「衣装だけ」ではない

新衣装と同時に、

ロングヘアからポニーテール。

帽子に合わせて髪をまとめる。

前髪まで変更する。

ということがあります。

この場合は衣装差分だけではなく、髪型差分の追加です。

髪は顔の向きへ追従し、さらに揺れも設定されています。

そのため、新しい髪型を追加すれば新しいモデリングが必要になります。

衣装と髪型をセットで変えたい場合は、

「新衣装を追加したい」

だけでなく、

「この衣装のときは髪型も変えたい」

まで伝えます。

帽子を後から付けるなら原画の余白にも注意する

意外に見落としやすいのが、原画の外側のスペースです。

通常衣装では頭の上に何もないモデルへ、あとから大きな帽子や長い飾りを追加するとします。

元の制作データに十分な余白がなければ、新しいパーツが元のキャンバスからはみ出す場合があります。

実際にLive2D原画の制作仕様として、将来帽子や髪型差分を追加することを想定し、初回から上下に余白を取るよう求めているモデラーもいます。

将来、

大きな帽子。

角。

長いアホ毛。

巨大な髪飾り。

などを付けたいことが決まっているなら、初回に伝えておく価値があります。

新衣装を後から作りやすくするなら「素体」を意識する

ここでいう素体とは、特定の衣装に完全に依存しない身体の土台です。

たとえば最初の服に腕や首を完全に一体化させるのではなく、将来別の衣装を着せやすいよう身体側を必要な範囲まで用意しておく考え方です。

新衣装を何度も追加していく予定なら、この土台があると流用できる範囲が増えることがあります。

ただし、裸の全身を必ず描くという意味ではありません。

どこまで身体を用意するかは衣装やモデルの作り方によって変わります。

「今後、新衣装を何着も追加する予定です」

と最初にモデラーへ伝え、その人の制作方法に合わせてもらう方が確実です。

「2着目を作る」より「2着目を作れる構造」にしてもらう

将来の衣装がまだ決まっていなくても、追加予定だけは決まっている場合があります。

この場合、無理に2着目をデザインする必要はありません。

代わりに、

今後も新衣装を追加したい。

髪型も増やす可能性がある。

上着の着脱を追加するかもしれない。

大きな帽子を使う可能性がある。

と伝えます。

必要なら制作者側が、

原画の余白。

身体の描き足し。

パーツ構成。

編集データの管理。

などを将来の拡張を考えて設計できます。

これは「最初から2着注文する」とは別の話です。

後から追加するなら編集用データが重要

新衣装を後から追加するとき、完成した配信用データだけでは足りない場合があります。

Live2Dには、配信ソフトで動かす完成データとは別に、モデラーが編集するためのモデルデータがあります。

一般にcmo3という形式が編集に使われます。

実際、既存Live2Dモデルへ新衣装を追加するサービスでも、cmo3の提出を求める例があります。

自分で編集する必要はありません。

ただ、後から別のモデラーへ新衣装を頼む可能性があるなら、

編集用データは納品されるか。

制作者側で保管してくれるか。

第三者へ渡してよいか。

を最初に確認しておくと安心です。

PSDも残しておきたい

衣装を描く側では、PSDというレイヤー付きの画像データが使われます。

Live2D公式も、完成後の修正やパーツ追加をしやすくするため、編集しやすいPSDを残しておく方法を案内しています。

新衣装を追加する際、

現在の身体。

腕。

首。

髪。

既存衣装。

などを確認できるため、元データが残っている方が作業しやすくなります。

将来の衣装追加を考えるなら、

イラスト側の元データ。

Live2D側の編集データ。

の両方をどう保管するのか確認します。

同じ制作者へ頼めるなら後から追加しやすい

現在のモデルを作ったイラストレーターとモデラーが、引き続き新衣装制作を受けているなら話は進めやすくなります。

元モデルの、

パーツ構成。

身体の描き方。

動き。

揺れ。

編集データ。

を把握しているからです。

実際、既存顧客向けに新衣装を後から追加する専用サービスもあります。

ただし、何年後でも必ず受けてもらえるとは限りません。

活動終了。

受付停止。

料金改定。

制作方針変更。

などもあり得ます。

「将来は絶対にこの人へ頼める」と前提にしない方がよいでしょう。

別の人へ新衣装を頼む予定なら利用条件も確認する

元のイラストレーターとは別の人に新衣装を描いてもらいたい場合があります。

このときは、元モデルや元イラストの改変・第三者利用について確認します。

新衣装制作では、既存の身体や原画データを別の制作者が確認・加工することがあります。

実際に新衣装・差分制作を受けるサービスでも、「元イラストを描いた人の了承を取ってください」と条件にしている例があります。

モデルを購入・依頼した時点で、

別のイラストレーターが新衣装を作ってよいか。

別のモデラーが既存モデルへ組み込んでよいか。

PSDや編集データをその人へ渡してよいか。

を確認しておくと、将来の選択肢を残せます。

後から追加すると「今のモデルへ付け足す」とは限らない

新衣装の追加方法も一つではありません。

現在のモデルの中へ衣装パーツを追加して、表示を切り替える方法があります。

一方、衣装ごとに別のモデルデータとして作る方法もあります。

Live2D公式でも、異なる衣装を持つ複数のモデルデータを扱う方法や、衣装・腕などのパーツを切り替える仕組みが用意されています。

どちらがよいかは、

衣装の違い。

モデルの複雑さ。

使用する配信環境。

モデラーの設計。

によって変わります。

依頼者が先に「必ず同じファイルに全部入れてください」と決める必要はありません。

「配信中にワンタッチで着替えたい」など、使い方を伝えればよいでしょう。

配信中にその場で着替えたいなら最初に伝える

衣装Aで配信を始め、途中で衣装Bへ変えたい場合があります。

これは、

配信前に別モデルへ読み替えればよい

という使い方とは違います。

同じモデル内で服の表示を切り替えたり、切り替え用の設定を用意したりする必要が出ます。

さらに衣装ごとに腕が異なる場合は、それぞれの腕と動きを合わせる必要があります。

「2着持ちたい」だけでなく、

配信中にその場で着替えたい。

配信ごとにモデルを切り替えられればよい。

のどちらなのかも伝えます。

新衣装専用のポーズがあるなら初回から相談する

衣装によってポーズも変えたい場合があります。

たとえば、

通常衣装では腕を下ろす。

制服ではカバンを持つ。

アイドル衣装ではマイクを持つ。

冬服ではマフラーを押さえる。

という違いです。

これは衣装の表示切り替えだけではありません。

腕や手そのものの差分が増えます。

Live2D公式でも、腕のように動きを持つパーツを別のものへ切り替える場合は、そのパーツ側にも対応する動きが必要になると説明しています。

新衣装と専用ポーズをセットで使うことが最初から決まっているなら、初回設計で相談しておく方がよい部分です。

「最初から頼む方が安い」とは一律に言えない

新衣装については、

「どうせ作るなら最初に頼んだ方が安いのでは」

と考えるかもしれません。

しかし、これは制作者によって異なります。

現在の制作サービスを見ると、

新衣装のデザイン。

パーツ分け。

既存モデルへの組み込み。

新しい揺れや動き。

などをまとめて別料金で設定している例があります。

さらに料金は、

既存パーツをどれだけ流用できるか。

袖・腕まで変わるか。

髪型も変えるか。

揺れ物が増えるか。

によって変わっています。

したがって、

「初回に頼めば必ず得」

「後から頼むと必ず割高」

とは判断できません。

金額が気になるなら、初回見積もり時に、

「今は基本衣装だけにしたいですが、あとで新衣装を追加するとしたら、どのような扱いになりますか」

と聞くのが確実です。

最初に全部盛りにすると使わない衣装へお金をかけることもある

最初から、

通常衣装。

部屋着。

夏服。

冬服。

イベント服。

と増やせばモデルは豪華になります。

しかし、活動してみないと何を使うか分からない場合もあります。

さらに、デビュー後にキャラクターの方向性が変わることもあります。

最初に作った2着目より、半年後に欲しくなった衣装の方がキャラクターに合うこともあります。

「後から追加できる」というLive2Dの性質を利用して、最初は必要なものだけ作る考え方もあります。

一方で「作ることが確定している差分」を後回しにする意味も薄い

たとえば、

上着ON・OFFは必ず使う。

制服と私服をデビュー時から使う。

帽子あり・なしを常時切り替える。

通常衣装と配信用衣装を最初から使い分ける。

ことが確定しているなら、後回しにする必要性は低くなります。

最初から仕様を伝えれば、

共通にするパーツ。

衣装別に作るパーツ。

切り替え方法。

必要な隠れ部分。

をまとめて設計できます。

「使うかもしれない衣装」と「最初から使うと決まっている衣装」を分けます。

自分の場合はこの基準で決める

判断をまとめると次のようになります。

状況判断の目安
初めてVTuberを始める基本衣装1着からでもよい
2着目を使うか分からない後から追加
季節衣装をいつか作りたい後から追加でよい
デビュー時から2着使う最初から相談
上着ON・OFFを頻繁に使う最初から相談
色や柄だけ変える予定後からでも比較的対応しやすい
大きな袖へ変更する初回から予定を伝える
衣装で腕・手の形も変わる初回から予定を伝える
大きな帽子・角などを追加予定原画制作時から伝える
新衣装で髪型も変える衣装+髪型差分として相談
新衣装専用ポーズがある初回設計から相談
将来何着も増やす予定将来の追加を前提に土台を相談
別の制作者へ追加依頼する可能性ありPSD・編集データ・改変条件を確認

この表のポイントは、何着作るかではありません。

既存モデルの身体と動きを、そのまま使えるかどうかです。

迷うなら2着目を注文せず「将来追加したい」とだけ伝える

初回依頼時に一番使いやすい方法があります。

まだ新衣装のデザインは決まっていない。

予算も今は1着分しか使いたくない。

しかし、活動が続いたら新衣装を増やしたい。

この場合、

「今回は基本衣装1着だけでお願いします。今後、新衣装や髪型差分を追加する可能性があります」

と伝えます。

そのうえで、

後から追加できる構造になっているか。

どのデータを残すか。

同じ制作者へ追加依頼できるか。

別の人へ依頼してもよいか。

を確認します。

この方法なら、使うか分からない2着目へ今すぐお金を使わず、将来の選択肢も残せます。

最初に決めるべきなのは衣装の枚数ではなく将来の使い方

VTuberモデルの衣装差分は、後から追加できます。

そのため「念のため」という理由だけで、デビュー前から何着も作る必要はありません。

最初は1着で始め、活動を続けながら必要な新衣装を足していく方法があります。

ただし、

配信中に上着を脱ぐ。

デビュー時から2着を使う。

新衣装で袖・腕・髪型まで変える。

新衣装専用のポーズがある。

何着も追加して長く同じモデルを使う。

という予定がすでにあるなら、初回制作時に伝えます。

2着目を今すぐ完成させる必要はありません。

「将来どんな着替えをする可能性があるか」を伝え、追加できる土台を作っておくことが重要です。

つまり判断は、

「最初から2着買うか、後から買うか」

ではありません。

今考えている新衣装が、現在の身体へそのまま着せられる服なのか。

それとも身体・腕・髪・動きまで変える衣装なのか。

ここまで分ければ、最初から頼むべきものと、活動後まで待てるものを判断しやすくなります。

出典

Live2D|PSDのインポート

Live2D|PSDの再インポート

Live2D|素材分けについて

Live2D|ポーズの設定

Live2D|ポーズ切り替えでの注意点

Live2D JUKU|衣装替えモデルの作り方 ①基本的な制作方法

NaccaWaccks|VTuber制作・Live2Dモデリング

双葉うず|パーツ分けについて

NOKOYAWORKS|Live2D制作のご依頼について

文化庁|イラストの作成に関する著作権契約書式