購入したVTuberモデルを、元の制作者とは別のモデラーやイラストレーターに修正してもらうことはできます。
ただし、すべての購入モデルで自由にできるわけではありません。
まず確認するのは、
第三者による改変が利用規約で許可されているか。
修正に必要な編集データを持っているか。
直したいのがモデリングなのか、元のイラストなのか。
の3点です。
特に「改変OK」と書かれていても、第三者へモデルデータを渡してよいとは限りません。
別の人へ依頼するなら、自分で改変できるかだけでなく、「第三者による改変」「編集データの共有」まで確認します。
最初に購入時の利用規約を確認する
別の人へ修正を頼む前に、購入した商品の利用規約を確認します。
見るのは、
改変可。
第三者による改変可。
別のモデラーへの依頼可。
モデルデータの第三者提供可。
といった記載です。
実際のVTuberモデルには、「別のモデラーやイラストレーターへ依頼して改変してよい」と明記されている商品があります。
この場合は、規約の範囲内で別の制作者へ依頼できます。
一方、「第三者による改変は禁止」と明記しているモデルもあります。
さらに、第三者が改変する場合は追加料金が必要、としている制作者もいます。
つまり、購入したVTuberモデルだから一律に「他の人へ頼める」「頼めない」と決めることはできません。
「改変OK」だけでは第三者へ渡せるとは限らない
ここは特に注意したいところです。
規約に、
「改変可」
と書かれていたとします。
これは購入者本人が改変してよいという意味かもしれません。
別のモデラーへcmo3やPSDを送って作業してもらうところまで許可しているとは限りません。
逆に、
「モデルデータの再配布は禁止」
と書かれていても、
修正作業を依頼するモデラーへの一時的なデータ共有だけは認める
という規約もあります。
そのため、「改変可」「再配布禁止」の2語だけを見て自分で判断しない方がよいでしょう。
第三者への修正依頼について書かれていなければ、販売者へ確認します。
販売者へ聞くなら具体的に伝える
「他の人に直してもらっていいですか?」
だけでは、何をするのか伝わりにくい場合があります。
たとえば、
「購入したLive2Dモデルの物理演算だけを別のモデラーへ調整してもらいたいです。cmo3をそのモデラーへ渡しても問題ありませんか」
「新衣装を別のイラストレーターに描いてもらい、そのPSDを別モデラーに組み込んでもらいたいです」
「髪型を変更したいので、PSDを別のイラストレーターへ渡して編集してもらってよいですか」
というように確認します。
誰へ何のデータを渡し、何を変更するかまで伝えれば、許可範囲を確認しやすくなります。
動きだけを直すならcmo3が重要になる
Live2Dモデルの動きだけを修正したい場合があります。
たとえば、
顔を横へ向けたときの形を直したい。
口の動きを調整したい。
髪の揺れを直したい。
身体の可動域を広げたい。
物理演算を調整したい。
といった修正です。
この場合、重要になるのがcmo3というLive2Dの編集用モデルデータです。
cmo3にはモデルを編集するための情報が入っています。
別のモデラーがLive2D Cubismでモデルを開き、各部品の変形やパラメータ、物理演算などを調整します。
購入時にcmo3が付属しているか確認します。
moc3しかない場合はそのままモデリング修正できない
購入したモデルに、
moc3。
model3.json。
テクスチャ。
などしか入っていないことがあります。
これらはVTube Studioなどで完成モデルを動かすための書き出し済みデータです。
通常のLive2D制作で編集を続けるためのcmo3とは違います。
そのため、
「VTube Studioで動いているから、そのデータを別のモデラーへ送れば直せる」
とは限りません。
購入したプランが書き出しデータだけなら、編集用cmo3を別途購入できるか、販売者へ確認します。
実際の改修サービスでもcmo3を求めている
現在も、他の制作者が作ったLive2Dモデルの改修を受け付けているモデラーがいます。
そうしたサービスでは、
cmo3。
PSD。
利用許諾。
改修したい範囲。
を確認してから見積もる例があります。
これは重要なポイントです。
別モデラーへ依頼できるかどうかは、「完成モデルを持っているか」だけでは決まりません。
編集できるデータを持っているか。
そして、そのデータを他人へ渡して修正してよい許可があるか。
この2つが必要です。
髪や服を変えるならPSDも必要になる
動きの修正ではなく、
前髪を変えたい。
髪型を追加したい。
服を描き直したい。
新衣装を追加したい。
表情の絵そのものを変更したい。
となると、元のイラスト側も関係します。
Live2D用の元絵は一般に、目、口、髪、服などを分けたPSDで管理されます。
Live2D Cubismでは、修正したPSDを再び読み込み、既存パーツを差し替えたり、新しいパーツを追加したりできます。
そのため原画まで直す場合は、cmo3だけでなくPSDが必要になることがあります。
PSDがあっても勝手に別の絵師へ渡してよいとは限らない
ここでも「データを持っている」と「他の人へ渡せる」を分けます。
購入プランにPSDが入っていても、そのPSDを第三者へ渡して編集してよいとは限りません。
特に、
イラストレーターAが元絵を描いた。
モデラーBがLive2D化した。
というモデルでは、PSDはAのイラスト作品でもあります。
たとえば髪型を別のイラストレーターCへ描き直してもらうなら、元絵の変更に関する条件を確認する必要があります。
「モデリングの改変可」と「原画の描き直し可」は同じではありません。
イラストレーターとモデラーが別なら確認先も分かれることがある
購入したVTuberモデルでは、
キャラクターデザイン・イラスト担当。
Live2Dモデリング担当。
が別の人であることがあります。
その場合、
物理演算を直す。
顔の可動域を直す。
揺れを調整する。
といった作業は主にモデリング部分です。
一方、
髪型を描き変える。
新衣装を描く。
顔のパーツそのものを描き直す。
といった作業はイラスト側にも関係します。
販売者が両方の改変について許可を出せる契約になっていることもあります。
逆に、元絵についてはイラストレーターへ別途確認が必要な場合もあります。
商品規約に権利関係が書かれていなければ、まず販売者へ確認します。
「新衣装だけなら別の絵師でもOK」という規約もある
第三者改変の扱いは、モデル全体で一括りになっていない場合もあります。
たとえば、
顔や髪型を他のイラストレーターへ描き変えてもらうのは禁止。
ただし衣装部分だけなら他のイラストレーターへ依頼可能。
という規約も実際にあります。
これは「第三者依頼OK/NG」だけでは分からない部分です。
どの部分を直すかまで規約を見る必要があります。
自分が予定しているのが新衣装だけなら、新衣装制作についての項目を確認します。
元のモデラーへ頼めるなら最初に確認する方法もある
別の人へ依頼する前に、元のモデラーが改修を受け付けているか確認する方法もあります。
元のモデラーなら、
どのデフォーマを使っているか。
どういうパラメータ構成か。
どのように物理演算を組んだか。
を把握しています。
軽微な修正なら、元制作者へ頼む方が作業しやすい場合があります。
ただし、
活動を終了している。
改修を受け付けていない。
連絡が取れない。
料金や納期が合わない。
という場合は別のモデラーを探すことになります。
問題は「元の人以外に頼むこと」そのものではなく、利用規約とデータが第三者改修に対応しているかです。
別モデラーが「他作モデルお断り」でも不思議ではない
規約上は第三者改変が可能でも、依頼先のモデラーが引き受けるとは限りません。
他人が作ったLive2Dモデルは、
パラメータ構成。
デフォーマ階層。
パーツ名。
物理演算。
メッシュ。
が制作者ごとに違います。
その構造を読み解いてから修正する必要があります。
場合によっては、一部分を直すより最初からモデリングし直した方が早いこともあります。
そのため、別モデラーへ問い合わせるときは、
現在のモデル動画。
直したい症状。
cmo3の有無。
PSDの有無。
第三者改変の許可があること。
を最初に伝えると判断してもらいやすくなります。
「少し直す」つもりでもリメイク扱いになることがある
購入者から見ると、
「顔の動きだけ少し良くしたい」
という依頼でも、モデル内部では大きな変更になる場合があります。
たとえば顔の向きを作り直すために、
顔全体のデフォーマを再構築する。
目・鼻・口の位置を作り直す。
髪の追従も調整する。
物理演算まで設定し直す。
必要が出ることがあります。
実際の他作モデル改修サービスでも、軽微な修正と大幅リメイクを分けています。
修正依頼をするときは、今あるモデルを少し触る作業になるとは限らないと考えておきます。
元データを必ず残してから渡す
別のモデラーへ依頼する場合、現在使っているデータをそのまま上書きして渡すのではなく、元データを別に保存しておきます。
少なくとも、
購入時のcmo3。
購入時のPSD。
現在使っている書き出しデータ。
VTube Studioで使っている設定。
を保管します。
修正後に、
前の動きの方がよかった。
特定の表情だけ壊れた。
配信ソフトで動かなくなった。
となった場合に戻せるようにするためです。
修正版は別名・別フォルダで管理すると比較しやすくなります。
修正したら全部の動きを確認する
一か所を変更すると、別の動きへ影響することがあります。
顔の左右を直したら髪の位置がずれた。
新衣装を追加したら腕を動かしたとき隙間ができた。
パラメータを変更したらVTube Studioの設定と合わなくなった。
ということがあります。
Live2D公式でも、モデルを差し替える際、パラメータID・範囲や作り方が違うと動きや表情などが変わる可能性を案内しています。
修正後は、変更箇所だけを見るのではなく、
顔の左右・上下。
まばたき。
口。
身体。
髪や服の揺れ。
表情差分。
ホットキー。
を一通り確認します。
第三者へ渡したデータをどうするかも決めておく
モデルのcmo3やPSDは、購入モデルの重要な元データです。
修正作業のため別のモデラーへ渡す場合は、
依頼終了後も保存してよいか。
作業終了後に削除してもらうのか。
実績公開にモデル画像を使ってよいか。
修正版を第三者へ渡してよいか。
を依頼時に決めておくと安心です。
販売者の利用規約で「第三者へ改修目的でのみ提供可能」とされているなら、その範囲から外れないようにします。
修正後のクレジットも確認する
元モデルをAさんが制作し、その後Bさんが大幅にモデリングを修正した場合、
誰をクレジットすればよいのか
という問題も出ます。
元モデルの販売規約で作者表記が必須なら、修正したからといって元制作者のクレジットを消せるとは限りません。
さらに、修正を担当したモデラーからもクレジットを求められる場合があります。
たとえば、
Original illustration:A
Original Live2D:B
Live2D update:C
のように分ける方法があります。
実際の表記は、それぞれの契約・利用規約に従います。
買い切りモデルでも「自由に作り直せる」とは限らない
一点限定モデルや高額な買い切りモデルでも同じです。
「自分しか使わないモデルだから、誰にでも自由に修正を頼める」
とは限りません。
一点限定かどうかは主に販売数量の条件です。
第三者改変できるか。
原画を変更できるか。
PSD・cmo3を渡せるか。
は別です。
著作権譲渡がある場合も、著作者人格権など別の権利や契約条件が残る可能性があります。
価格や一点限定という表示ではなく、購入時の契約・規約を確認します。
moc3しか持っていないなら販売者へ確認する
「別のモデラーへ修正を頼みたいけれど、フォルダにcmo3がない」
という場合があります。
この状態なら、まず購入元へ確認します。
編集用cmo3を追加購入できるか。
PSDも提供できるか。
第三者改修を許可しているか。
を聞きます。
編集データを販売していないモデルであれば、別のモデラーによる本格的な改修が現実的ではない場合があります。
購入時に将来の修正まで考えるなら、「オリジナルデータ」「cmo3・PSD付き」といった販売プランを選ぶ意味があります。
別の人へ頼めるかは3段階で判断する
購入済みモデルについては、次の順番で確認すると分かりやすくなります。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 規約に「第三者による改変可」とある | 次にデータを確認 |
| 「購入者本人のみ改変可」 | 別の人への依頼は販売者へ確認 |
| 「第三者改変禁止」 | 原則として別の人へ依頼しない |
| 第三者改変について記載なし | 自己判断せず販売者へ確認 |
| cmo3がある | モデリング修正を依頼できる可能性がある |
| PSDもある | 原画変更を伴う修正も検討できる |
| moc3しかない | 編集用データを入手できるか確認 |
| 髪・服を描き直す | イラスト側の改変許可も確認 |
| 他のモデラーへcmo3を渡す | データ共有の許可を確認 |
| 他の絵師へPSDを渡す | 原画側の第三者改変許可を確認 |
この中で一番重要なのは、「別の人が技術的に直せるか」ではありません。
先に、「その人へデータを渡して直してよいのか」を確認することです。
依頼前に4つそろえば進めやすい
購入したVTuberモデルを別の人へ修正してもらいたいなら、依頼前に次の4つをそろえます。
第三者改変の許可。
cmo3。
必要ならPSD。
具体的に直したい箇所。
この4つがそろっていれば、別のモデラーも内容を確認しやすくなります。
逆に、
規約が分からない。
cmo3がない。
元絵の変更許可が分からない。
という状態で先にモデラーを探しても、受注前の確認で止まる可能性があります。
購入したVTuberモデルを別の人へ修正してもらうこと自体は珍しい作業ではありません。
しかし、「購入したから自由に他人へ渡せる」という話でもありません。
利用規約。
編集データ。
修正する範囲。
この3つを先に整理し、その範囲で別の制作者へ依頼することが、最も手戻りの少ない進め方です。
出典
文化庁|イラストの作成(ポスター・パンフレットなどの作成)
※イラストの改変と著作者の承諾についての著作権契約資料。
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Live2D|モデルの読み込みと配置
つなぐ|他製作者様Live2Dモデルの改修・リメイク
※他制作者モデルを実際に改修するサービス例。
ぱるの店|汎用ちくわちゃん
※第三者のモデラー・イラストレーターへの改変依頼を認めている販売例。
nizima|限定1点 ほくろの多いお兄さん
※第三者改変を禁止している販売例。
しいな|Live2Dモデリング
※購入者・第三者による改変を追加条件付きで扱う制作例。