VTuberを始めようと思ったとき、最初に迷いやすいのがモデルをどう用意するかです。
「Live2Dを覚えて自分で作った方が安い?」
「最初からクリエイターに依頼した方が早い?」
「まだ配信を続けられるか分からないのに、外注にお金をかけていい?」
自作と外注には、どちらにもメリットがあります。
結論からいうと、
費用を抑える代わりに制作時間を使えるなら自作。
制作時間を配信準備や活動に使いたいなら外注。
という分け方が基本です。
ただし、単純に「自作=無料、外注=高い」ではありません。
自作にはLive2Dを覚える時間がかかり、求めるモデルの複雑さによっては有料版のLive2D Cubism PROが必要になることもあります。
一方、外注は費用がかかりますが、イラスト制作からLive2Dモデリングまでまとめて依頼したり、すでにあるイラストを使ってLive2Dだけ依頼したりすることもできます。
大切なのは、お金だけではなく、自分がVTuberモデル制作そのものに時間を使いたいかで判断することです。
VTuberモデルを自作する場合、何を自分でやる?
2DのVTuberモデルを一から自作する場合、大きく分けると、
- キャラクターデザイン
- 立ち絵の制作
- Live2D用のパーツ分け
- Live2D Cubismへの読み込み
- メッシュ作成
- 顔・目・口・体などの動き付け
- 表情設定
- 物理演算
- モデルの書き出し
- 配信ソフトでの動作確認
などが必要になります。
すでにパーツ分けされたイラストを持っているなら、イラスト制作部分は省けます。
逆に絵から自分で作る場合は、
イラスト制作+Live2Dモデリング
の両方を覚えることになります。
Live2D Cubism Editor自体には42日間のPRO無料トライアルがあり、その後はFREE版を利用できます。
FREE版でも基本的なモデル制作は可能ですが、アートメッシュ数やテクスチャ数、パラメータ数などに制限があります。
複雑なモデルになるほどPRO版が必要になりやすいと考えた方がよいでしょう。
自作の一番大きな費用は「時間」
自作のメリットとして最初に思い浮かぶのは、外注費を抑えられることです。
確かに、イラストもLive2Dも自分で作れれば、クリエイターへの制作費はかかりません。
ただし、本当の負担は、
制作に使う時間
です。
Live2Dを初めて触る場合、
ソフトをインストールする
↓
基本操作を覚える
↓
サンプルを動かす
↓
自分のイラストを読み込む
↓
思ったように動かない
↓
修正する
という工程を繰り返します。
「モデルを作ること自体を楽しみたい」なら、この時間は無駄ではありません。
しかし、
VTuberとして配信・動画制作をしたいだけ
なら、その時間を配信準備や企画、動画編集などに使った方がよい場合があります。
ここが自作と外注を分ける大きなポイントです。
自作でも完全に0円とは限らない
Live2D CubismにはFREE版があります。
FREE版は基本的なモデル制作に利用できますが、PRO版と比べると機能制限があります。
Live2D公式の比較ページでは、FREE版はアートメッシュ100個まで、テクスチャは2048pxを1枚までなどの制限があります。
一方、PRO版ではこれらの制限が大幅に緩和されています。
2026年8月時点で、一般ユーザー・年間売上1,000万円未満の小規模事業者向け「Cubism PRO for indie」は、公式ストア上で年間プラン初年度14,280円、月額プラン2,080円と案内されています。
ただし、最初からPROを契約する必要はありません。
42日間のPROトライアルがあるため、
まず実際にモデルを作ってみて、自分が続けられそうか確認する
方法があります。
自作を検討している人ほど、いきなり年間契約するより、この無料期間を使って判断した方がよいでしょう。
外注すると何にお金を払う?
VTuberモデルを外注する場合、単に「データを作ってもらう」だけではありません。
自分でやれば必要になる、
- イラスト制作
- パーツ分け
- Live2Dモデリング
- 表情設定
- 物理演算
- 修正作業
などの全部または一部を、クリエイターに任せることになります。
つまり外注費は、
制作技術+制作時間を買う費用
と考えると分かりやすくなります。
Live2D公式マーケットのnizimaでは、イラストやLive2Dモデルの購入だけでなく、クリエイターへのオーダーメイド依頼もできます。
オーダーメイドプランには最低価格や納期の目安が表示される仕組みがあり、発注前に予算と納期を確認できます。
外注費は「いくら」が相場とは言い切れない
VTuberモデル制作では、
「外注なら○万円」
と一つの金額で考えない方がよいでしょう。
nizimaの公式ガイドでも、Live2D制作は、
- 原画の有無
- パーツ分け済みか
- 可動範囲
- モーションの有無
- 表情
- 追加仕様
などによって価格や納期が大きく変わるとされています。
たとえば、
パーツ分け済みイラストあり+モデリングだけ
と、
キャラクターデザイン+立ち絵+パーツ分け+Live2Dモデリング
では、必要な作業量がまったく違います。
そのため、外注するときは総額だけを見るのではなく、
その金額でどこまで作ってもらえるのか
を見ることが重要です。
時間で考えるなら外注が有利になりやすい
自作と外注を時間だけで比べるなら、基本的には外注が有利です。
もちろん、外注でもすぐ完成するわけではありません。
依頼する場合は、
クリエイターを探す
↓
相談する
↓
希望を伝える
↓
見積もり・納期を確認する
↓
制作
↓
確認・修正
↓
納品
という時間が必要です。
nizimaのオーダーメイドでも、相談時に予算・希望納期・詳細を入力し、内容をすり合わせてから正式な発注へ進む仕組みになっています。
ただし、その間に自分がLive2Dを一から習得する必要はありません。
その時間を、
- 配信環境を整える
- OBSなどを覚える
- 配信内容を考える
- SNSを準備する
- 動画を作る
といった活動準備に使えます。
VTuberとして早く活動を始めたい人ほど、外注する価値は大きくなります。
自作が向いている人
次のような人なら、自作を検討しやすいでしょう。
Live2Dそのものを覚えたい
VTuber活動だけでなく、
「Live2Dモデルを作れるようになりたい」
という目的があるなら、自作との相性は非常に良いです。
一度覚えれば、
- 自分で表情を追加する
- 髪や衣装を調整する
- モデルをアップデートする
- 将来的に他人のモデル制作をする
といった使い方もできます。
制作開始を急いでいない
数週間、あるいはそれ以上かかっても、
「自分で納得できるまで作りたい」
という人にも向きます。
特に初めてLive2Dを触る場合、完成日を厳密に決めずに試行錯誤できる方が取り組みやすいでしょう。
初期費用をできるだけ抑えたい
外注にまとまった金額を使いたくない場合、自作は有力です。
まず42日間のPROトライアルやFREE版で試し、
「自分で作れそう」
と判断してからPRO契約を考える方法もあります。
外注が向いている人
反対に、次のような人は外注を検討しやすくなります。
Live2Dを覚えること自体に興味がない
一番分かりやすいケースです。
目的が、
モデルを作ることではなく、VTuberとして活動すること
なら、モデル制作は外注してしまう選択があります。
ソフトの勉強に何十時間使うより、配信や動画制作に時間を回したい人です。
デビュー時期をある程度決めている
「○月にデビューしたい」
という予定があるなら、自作は習得時間を読みづらいところがあります。
外注でもクリエイターによって納期は異なりますが、nizimaのオーダーメイドプランでは納期の目安を確認できます。
相談時にも希望納期を提示できるため、スケジュールを立てやすくなります。
最初から一定以上の品質が欲しい
初めて作ったモデルと、経験のあるLive2Dモデラーが制作したモデルでは、動きや表情などに差が出ることがあります。
もちろん自作でも高品質なモデルは作れますが、そのためには習得と制作の時間が必要です。
「最初のデビューから見た目を重視したい」
なら外注を検討しやすくなります。
「全部自作」か「全部外注」の2択ではない
ここは重要です。
VTuberモデル制作は、
全部自分で作る
または
全部クリエイターに任せる
の2択ではありません。
途中だけ外注できます。
たとえば、
イラストは自分、Live2Dだけ外注
絵は描けるけれどLive2Dを覚える時間がない人。
この場合、パーツ分け済みイラストを用意し、モデリングだけ依頼する方法があります。
イラストだけ外注、Live2Dは自分
Live2Dを覚えたいけれど、イラストは描けない人。
nizimaではパーツ分けされたPSDなども販売されています。
こうした素材を購入して、自分でLive2Dモデルを作る方法があります。
既製モデルを購入する
さらに、
自作する必要も、オーダーメイドする必要もありません。
nizimaでは完成済みのLive2Dモデルも販売されています。
購入したモデルが配信用途に対応していれば、一から制作するより早くVTuber活動を始められます。
「自作か外注か」で迷っている人は、この第三の選択肢も確認しておいた方がよいでしょう。
時間と費用で比べるとどうなる?
大まかに整理すると、次のようになります。
| 方法 | お金 | 自分の制作時間 | オリジナル性 | 始めやすさ |
|---|---|---|---|---|
| 全部自作 | 低く抑えやすい | 多い | 高い | △ |
| 一部自作+一部外注 | 中間 | 中間 | 高い | ○ |
| オーダーメイド | 高くなりやすい | 少ない | 高い | ○ |
| 既製モデル購入 | 抑えやすい | 非常に少ない | 商品による | ◎ |
ここで重要なのは、
外注費だけを見ないこと
です。
仮に自作で費用を抑えられても、モデル完成までに多くの時間を使い、
「VTuberを始めたかったのに、半年間ずっとモデルを作っていた」
となる可能性があります。
逆に、Live2D制作そのものが楽しいなら、その半年は無駄ではありません。
つまり同じ時間でも価値が違います。
迷ったら「モデル制作を今後もやりたいか」で決める
自作と外注で最後まで迷ったら、
モデルが完成した後もLive2Dを触りたいか
を考えてみてください。
答えが、
「表情を増やしたい」
「衣装を追加したい」
「自分でアップデートしたい」
「他のモデルも作ってみたい」
なら、自作を学ぶ価値があります。
反対に、
「完成したらLive2Dを触る予定はない」
「配信・動画制作に集中したい」
なら、制作技術を一から習得するコストは大きく感じやすくなります。
この場合は外注や既製モデル購入を検討した方がよいでしょう。
まず自作を試してから外注してもいい
自作か外注かを、最初から完全に決める必要もありません。
Live2D Cubismには42日間のPROトライアルがあります。
そのため、
まずトライアルでモデル制作を試す
↓
楽しい・続けられそう
↓
自作を続ける
または、
思った以上に時間がかかる
↓
Live2Dだけ外注する
という決め方もできます。
この方法なら、
「自分で作れたかもしれないのに最初から外注してしまった」
という後悔も、
「安く済ませようとして何か月も制作から抜けられない」
という状態も避けやすくなります。
結論|お金を節約したいか、時間を節約したいかで決める
VTuberモデルを自作するか外注するかは、単純にどちらが得とは決められません。
基本的には、
自分の時間を使って費用を抑える
→ 自作
費用を使って制作時間を減らす
→ 外注
です。
さらに、
Live2D制作自体を身につけたい
→ 自作
VTuber活動そのものを早く始めたい
→ 外注・既製モデル
と考えると判断しやすくなります。
そして、
絵は自作してLive2Dだけ外注する
など、中間の方法もあります。
まだどちらがよいか決められないなら、まずLive2Dの42日間トライアルを触ってみるのも一つです。
そこで、
「これは自分で作りたい」
と思えば自作へ。
「ここに何十時間も使うより活動準備を進めたい」
と思えば外注へ進めばよいでしょう。
最初から高額なモデルを用意することより、自分がVTuber活動のどこに時間とお金を使いたいかを決めることの方が重要です。
次に読む記事
自作ではなく、モデルを用意してもらう方向に決めたものの、
完成済みモデルを買うか、自分専用モデルを依頼するか
で迷っている場合は、
「VTuberモデルは買うか作ってもらうか|既製モデルとオーダーメイドの判断基準」
を確認してみてください。
Live2Dを覚える時間をかけたくない場合は、
「Live2Dを覚える時間がないならモデルを買う・依頼するどちらがいい?」
も次の判断材料になります。
自作を試してから有料版を検討したい場合は、
「Live2D FREEとPROの違い|VTuberなら有料版が必要になるのはどんなとき?」
へ進むと、FREE版のままで足りるかPRO版が必要かを整理できます。
出典
nizima|VTuber向けLive2D公式マーケットについて
この記事は、2026年8月時点のLive2D・nizima公式情報をもとに作成しています。