VTuberを始めるからといって、最初から自分専用のオリジナルモデルを作る必要はありません。
まだ「配信を続けられるか」「何を配信したいか」「モデルにどんな動きが欲しいか」が分からないなら、完成済みの既製モデルで実際に活動してから決める方法があります。
むしろ最初からモデルの仕様を決めようとしても、VTuberをやったことがなければ、自分に何が必要なのか分からないことがあります。
既製モデルで試す目的は、安く済ませることだけではありません。
「自分ならどんなモデルが必要になるのか」を実際の活動から知るために使えます。
最初からオリジナルモデルでなくてもVTuber活動はできる
完成済みのLive2Dモデルには、VTuber活動や動画投稿、収益化した配信での利用を認めて販売されているものがあります。
つまり、オリジナルモデルであること自体がVTuber活動を始める条件ではありません。
重要なのは、そのモデルの制作者が認めている範囲で使用することです。
同じ既製モデルでも、配信だけ利用できるもの、収益化までできるもの、グッズにも使えるものなど条件が違います。
そのため、「既製モデルを買ったから何にでも使える」と考えるのではなく、購入前に利用条件まで確認します。
既製モデルには「汎用」と「限定1点」がある
既製モデルというと、「他のVTuberと同じ姿になる」と考えるかもしれません。
実際には、大きく2種類あります。
| 種類 | 同じモデルを他人も使う可能性 | デザインを一から指定 | 向いている段階 |
|---|---|---|---|
| 汎用モデル | ある | できない | まずVTuber活動を試したい |
| 限定1点の完成モデル | 基本的に購入者のみ | できない | 他人との見た目の重複は避けたい |
| オーダーメイド | ない | できる | 必要なデザインや仕様が固まっている |
限定1点モデルは、すでに完成しているキャラクターを購入する方法です。
自分の希望からデザインを作ってもらうわけではありませんが、他の購入者も同じモデルを使える汎用モデルとは違います。
そのため、
「まだ一からデザインを依頼するほど希望は固まっていない」
「でも他のVTuberとまったく同じ姿は避けたい」
という場合の中間的な選択肢になります。
既製モデルで試すなら「何を試すのか」を決める
既製モデルを購入して一度配信しただけでは、オリジナルモデルが必要かどうかまでは分かりません。
確認したいのは、モデルそのものより自分の活動です。
例えば、ゲーム配信をやってみたら、画面の端にキャラクターが表示されていれば十分だった。
逆に雑談を始めたら、もっと笑顔や驚いた表情を使いたくなった。
歌やショート動画を作ったら、今のモデルでは欲しいポーズが足りなかった。
実際に使えば、「何となく高性能なモデルが欲しい」ではなく、「自分にはこの機能が必要」と具体的に分かってきます。
これが、既製モデルで試してからオリジナルを作る一番大きな意味です。
「安いモデルを買えば試せる」わけではない
価格だけを見て既製モデルを選ぶと、試したいこと自体ができない場合があります。
購入前に少なくとも確認したいのは、使う予定の配信ソフトに対応しているか、必要な表情や動きが入っているか、そして利用条件です。
例えばLive2DモデルをVTube Studioで使うなら、VTube Studio向けのデータが入っているかを確認します。
完成モデルの中には、必要なデータを指定されたフォルダへ入れれば利用できるよう準備されているものがあります。
ただし、導入方法やサポート範囲も商品によって違います。
モデルを買うことと、配信環境まで全部設定してもらえることは別です。
利用規約は「収益化できるか」だけを見ない
試しに使うモデルでも、活動を始めるなら利用条件は読んでおいた方がよいでしょう。
特に後から問題になりやすいのが、
収益化した動画や配信に使えるか。
SNSのアイコンや投稿に使えるか。
モデルの色などを変更できるか。
第三者へ変更作業を依頼できるか。
グッズを作れるか。
クレジット表記が必要か。
といった部分です。
利用条件は制作者ごとに違います。
「VTuber利用可」と書かれていても、それだけで将来やりたい活動がすべて認められているとは限りません。
なお、モデルを購入したことと、著作権そのものを取得したことも同じではありません。
著作物は、利用を許可された範囲で使う契約と、著作権そのものを譲り受ける契約を分けて考える必要があります。
VTuberモデルでも、著作権は制作者に残し、購入者へ利用を認めている商品があります。
最初からオリジナルにした方がいい人もいる
既製モデルから始める方法が、全員に向いているわけではありません。
活動を始める時点ですでに、
「この髪型、この服、このモチーフで活動する」
「キャラクターの設定と見た目を強く結びつけたい」
「同じ姿のVTuberがいるのは避けたい」
「最初からモデルを使った商品展開も考えている」
「必要な表情や動きまで具体的に決まっている」
という状態なら、既製モデルを挟む意味は小さくなります。
すでに必要な条件を具体的に説明できるなら、それを制作者へ伝えてオリジナルモデルを作る方が目的に合います。
逆に「かわいいモデルが欲しい」「よく動くモデルが欲しい」くらいしか決まっていないなら、まだ仕様を決める材料が少ない状態です。
オリジナルへ移るのは「お金が貯まったとき」だけではない
既製モデルからオリジナルへ変える時期を、予算だけで考える必要はありません。
判断しやすいのは、今使っているモデルで「できないこと」が具体的に出てきたときです。
例えば、
もっと自分らしい見た目にしたい。
特定の表情を追加したい。
衣装を活動内容に合わせたい。
他の人と同じモデルなのが気になってきた。
予定している使い方が今の利用規約ではできない。
といった状態です。
ここまで分かれば、オリジナルモデルを依頼するときにも「何を作ってほしいか」を説明しやすくなります。
何も分からない状態で依頼するより、実際にモデルを使って不満や希望を見つけてから依頼した方が、必要な仕様を決めやすくなります。
後からモデルを変えるつもりなら、最初の姿へ固定しすぎない
既製モデルは「仮の姿」として使うこともできます。
その場合、後からモデルを変える可能性を考えて、最初から現在のモデルの外見だけに活動全体を強く結びつけすぎない方が移行しやすくなります。
特に汎用モデルでは、同じモデルを別の利用者も使っている可能性があります。
また、購入した既製モデルのデザインを、そのまま新しいオリジナルモデルへ移せるとは限りません。
改変や別モデルへの利用などに制限がある商品もあるためです。
後からオリジナルへ移るなら、「既製モデルを改造して自分専用にする」のではなく、新しいモデルで何を残し、何を変えたいかを改めて考える方が整理しやすくなります。
既製モデルでVTuberを試す実際の流れ
まず、自分が使う配信方法に対応したモデルを探します。
Live2Dなら、利用予定の顔の動きを読み取るソフトに対応しているかを確認します。
次に、販売ページで利用規約と付属データを確認します。
配信、収益化、SNS利用など、自分が試したい範囲が認められているモデルを選びます。
購入後はモデルを配信用ソフトへ読み込み、自分の顔に合わせてきちんと動くか設定します。
ここで終わりではありません。
実際に自分が予定していたゲーム、雑談、動画制作などに使います。
すると「笑顔がもっと欲しい」「上半身しか使わない」「実はキャラクターよりゲーム画面が重要だった」など、始める前には分からなかったことが見えてきます。
その結果を、次のモデルを決める材料にします。
結局、最初からオリジナルモデルは必要?
まだVTuber活動をしたことがなく、自分に必要なモデルの条件も分からないなら、最初からオリジナルモデルは必須ではありません。
複数人が使えることを気にしないなら汎用モデル。
完成品がよいけれど他人との重複を避けたいなら限定1点モデル。
活動内容、見た目、必要な動きまで決まっているならオーダーメイド。
このように分けると判断しやすくなります。
既製モデルは「オリジナルモデルを買えない人の代用品」と考える必要はありません。
自分が実際にVTuberとして活動してみて、「次のモデルに何が必要なのか」を知るためのモデルとして使うこともできます。
最初に決めるべきなのは、オリジナルかどうかではありません。
今の自分は「モデルを完成させる段階」なのか、それとも「VTuber活動そのものを試す段階」なのかです。
出典
DenchiSoft|Getting Started ― VTube StudioでLive2Dモデルを読み込む公式手順
nizima by Live2D|汎用Live2Dモデル販売例―複数利用者を想定したモデルの利用条件確認資料