完成済みのVTuberモデルを買っても、必ず「ダウンロードしたらすぐ配信できる」とは限りません。
VTube Studio用に設定済みのLive2Dモデルなら、データを読み込んで簡単な初期設定をすれば動かせるものがあります。
一方で、同じ「VTuberモデル」という販売ページでも、
一枚絵だけ。
Live2Dの編集用データ。
Live2Dの完成済み書き出しデータ。
3DのVRM。
VRoid Studioで編集するデータ。
など、中身は違います。
購入前に確認したいのは値段より先に、
「自分が使うソフトに読み込めるデータが入っているか」
です。
最初に2Dモデルか3Dモデルかを見る
まず、買おうとしているモデルが2Dなのか3Dなのか確認します。
Live2Dは、2Dイラストを変形させて動かす方式です。
VTube StudioなどのLive2D対応ソフトで使います。
一方、3DモデルではVRMという人型3Dアバター用の形式がよく使われます。
3tene、VSeeFaceなど、VRMへ対応するソフトで使えるモデルがあります。
2Dと3Dでは使うファイルもソフトも違います。
「VTuberモデルだからどの配信ソフトでも動く」というものではありません。
Live2Dなら「VTube Studio対応」を最初に確認する
Live2Dモデルを買ってVTube Studioで使う予定なら、商品ページに、
VTube Studio対応。
VTube Studioで動作確認済み。
VTS対応。
などの記載があるか確認します。
VTSはVTube Studioの略として使われることがあります。
販売サイトによっては、どのトラッキングソフトで動作確認したかを表示できる仕組みがあります。
ただし、「Live2Dモデル」と書かれているだけでは、VTube Studio用に設定済みとは限りません。
映像制作向けや別アプリ向けのLive2Dデータもあるからです。
買ったあとVTube Studioで使いたいなら、販売ページで対応ソフトを先に確認します。
VTube Studioで使う完成データは複数ファイルでできている
VTube Studioへ読み込むLive2Dモデルは、1個のファイルだけではありません。
モデルのフォルダには、主に次のようなデータが入っています。
.model3.json
どのモデルデータ、テクスチャ、物理演算などを使うかをまとめる中心的な設定ファイルです。
.moc3
実際に動くLive2Dモデル本体のデータです。
テクスチャ画像
顔、髪、服など、モデルに表示する絵のデータです。
.physics3.json
髪や服などの揺れに関する設定です。
さらに商品によって、
表情データ。
モーション。
アイコン。
VTube Studio用の設定。
などが追加されます。
購入前に商品説明の「同梱データ」「納品データ」という欄を確認します。
.moc3があっても設定済みとは限らない
.moc3が入っていれば、Live2Dの完成済みモデルデータではあります。
しかし、それだけでVTube Studio上のすべての設定まで完成しているとは限りません。
VTube Studioでは初めてモデルを読み込むと、モデルのパラメータを見て自動設定する機能があります。
パラメータとは、
顔を左右へ向ける。
目を閉じる。
口を開ける。
体を傾ける。
といった動きの設定項目です。
一般的なLive2Dの名前や設定方法で作られていれば、自動設定で基本的な動きを割り当てられます。
一方、独自の設定になっているモデルでは、自分で顔認識とモデルの動きを結び付ける作業が必要になる場合があります。
つまり、
「モデルとして完成している」
と、
「VTube Studioですぐ動くよう設定済み」
は同じ意味ではありません。
VTube Studio用設定まで付属すると導入が楽になる
完成モデルの中には、VTube Studio上での設定まで済ませて販売しているものがあります。
たとえば、
顔の動きの割り当て。
表情の切り替え。
衣装の切り替え。
アクセサリーの表示・非表示。
ホットキー。
などです。
ホットキーとは、キーボードの決められたキーを押して表情などを切り替える設定です。
このような商品では、
「F1で笑顔」
「Alt+1で涙」
など、使い方まで商品説明に書かれていることがあります。
初めてVTuberを始める人なら、「VTube Studio対応」だけでなく、
「VTube Studio用設定済み」
「ホットキー設定済み」
などの記載まで見ると、購入後の作業を減らせます。
.vtube.jsonがなくてもモデルが使えないわけではない
VTube Studioには、モデルごとの設定を保存する.vtube.jsonというファイルがあります。
これには、顔認識との対応やモデル設定などが保存されます。
ただし、最初からこのファイルが付いていないからといって、モデルが使えないわけではありません。
VTube Studioへ新しいLive2Dモデルを読み込むと、モデル用の設定ファイルは自動的に作られます。
そのあと自動設定や手動設定を行えます。
したがって、
.vtube.jsonがない=不完全な商品
とは判断しません。
一方、販売者が調整済みの設定やホットキーをそのまま使いたい場合は、VTube Studio向け設定まで付属している方が楽です。
.cmo3は「編集できるデータ」
Live2Dモデルの商品で、.cmo3というファイルを見ることがあります。
これはLive2D Cubism Editorでモデルを編集するためのデータです。
目の動き。
顔の向き。
髪の揺れ。
各部品の変形。
など、モデルそのものを修正できます。
一方、VTube Studioで普段の配信に使う中心になるのは、書き出された.moc3などのデータです。
そのため、
「cmo3が付属しているから、すぐVTube Studioで使える」
と判断しない方がよいでしょう。
買ったモデルをそのまま使いたいだけなら、VTube Studioへ入れられる書き出しデータが付属しているかを確認します。
編集用データを買う目的は「すぐ使う」以外にもある
販売サイトによっては、
書き出しデータ。
オリジナルデータ。
を分けて販売している場合があります。
書き出しデータは、完成したモデルとして使うためのデータです。
オリジナルデータは、Live2D Cubism Editorなどでさらに編集できるデータです。
「配信でそのまま使いたい」だけなら、編集用データまで必要ない場合があります。
反対に、
後から動きを直したい。
別のモデラーに調整を依頼したい。
衣装や表情を追加したい。
モデルの構造を勉強したい。
という場合は、編集用データが必要になることがあります。
安い方、高い方という見方ではなく、自分があとでモデルを編集するかで選びます。
PSDだけならLive2Dモデルとしてはまだ完成していない
特に注意したいのが、イラストとLive2Dモデルを混同するケースです。
販売ページに魅力的なVTuber風キャラクターが載っていても、納品データがPSDだけなら、それはLive2Dモデルではなくイラスト素材の場合があります。
PSDは、髪、目、口などをレイヤーへ分けたイラストデータとして使われます。
そこからLive2D Cubismで、
目を閉じる。
口を開ける。
顔を左右へ動かす。
髪を揺らす。
といったモデリングを行います。
つまり、
PNG・PSDだけ。
↓
まだイラスト。
.cmo3。
↓
Live2Dで編集できるモデルデータ。
.moc3+.model3.json+テクスチャなど。
↓
対応アプリで動かすための書き出し済みデータ。
という違いがあります。
初めて買う場合は、ファイル名の違いだけでも見ておくと間違いを減らせます。
販売ページで動いていても同じ機能が全部付くとは限らない
販売ページには、モデルの紹介動画やプレビューが掲載されていることがあります。
そこで、
特別なモーション。
複数の表情。
衣装差分。
アクセサリー。
などが見える場合があります。
しかし、どの商品・販売プランにも同じデータが入るとは限りません。
通常版と上位版で内容が違う。
編集データは別販売。
追加衣装はオプション。
という場合もあります。
購入判断では動画だけを見るのではなく、「商品に含まれるもの」を確認します。
自分が欲しい表情や衣装が納品データに含まれるかまで見ます。
3Dモデルならまず.vrmが入っているかを見る
3DのVTuberモデルでは、VRMという形式が広く使われています。
ファイル名の末尾が.vrmです。
VRM対応の配信ソフトなら、このファイルを読み込んで3Dアバターとして使えます。
そのため、
「3D VTuberモデルを買って、VRM対応配信ソフトですぐ使いたい」
のであれば、納品データに.vrmが含まれているかを見るのが分かりやすい方法です。
一方、
.vroid
というデータは別です。
これはVRoid Studioでキャラクターを編集するためのデータです。
.vroidの状態から、VRM対応アプリへ持っていくにはVRoid StudioからVRMとして書き出します。
「VRoidモデル」と「すぐ配信アプリへ読み込めるVRM」を同じ意味だと思わない方がよいでしょう。
VRMならどの3Dソフトでも使えるわけではない
VRMは共通形式ですが、すべてのアプリが同じVRMへ対応しているわけではありません。
VRMには、
VRM 0.x。
VRM 1.0。
という世代の違いがあります。
使用予定のソフトがどちらに対応しているかを確認します。
たとえば商品説明に、
VRM 1.0。
VRM 0.x。
3tene確認済み。
VSeeFace対応。
などと書かれている場合があります。
「.vrmという拡張子だから大丈夫」ではなく、
自分が使いたいアプリ。
納品されるVRMの規格。
の両方を確認します。
FBXやUnity用データだけならそのままVRM配信できない場合がある
3Dモデル販売では、VRM以外にもさまざまなデータがあります。
たとえば、
FBX。
Unity用データ。
VRChat向けデータ。
などです。
これらも3Dモデルですが、「VRM対応配信ソフトへそのまま読み込むためのVRMファイル」とは別です。
購入予定の商品にVRMがなく、自分が使いたいソフトはVRMを必要としているなら、変換や設定の工程が必要になる可能性があります。
3Dモデルだから何でも同じアプリへドラッグすれば動くわけではありません。
「どんな3D形式か」まで見ます。
「対応」と「動作確認済み」は分けて見る
商品説明では、
VTube Studio対応。
VTube Studio動作確認済み。
VRM対応。
3tene動作確認済み。
など、さまざまな書き方があります。
購入時に判断しやすいのは「実際にそのソフトで動作確認した」と書かれている商品です。
ただし、販売サイトに表示される「動作確認済み」が、販売サイト自身による検証とは限りません。
販売者が登録した情報の場合もあります。
また、
Windows版で確認。
iPhoneトラッキングで確認。
Webカメラで確認。
といった環境の違いもあります。
特殊な機能まで確実に使いたいなら、販売ページに書かれた確認環境まで見ます。
スマホだけで使う予定ならPC用モデルかも確認する
購入したモデル自体はVTube Studio対応でも、使う端末によって扱いやすさが変わる場合があります。
高解像度のテクスチャを大量に使ったモデルなどは、スマートフォンでは負荷が大きくなることがあります。
VTube Studio公式も、大きなテクスチャではモバイル環境で動作が重くなったり、アプリが落ちたりする可能性を案内しています。
「VTube Studio対応」という表示だけでなく、
PCで使うのか。
スマホ単体で使うのか。
スマートフォンは顔認識だけに使い、モデルはPCで動かすのか。
によっても確認項目が変わります。
モデルが動くことと配信できることも別
完成モデルをVTube Studioへ読み込んで、自分の顔に合わせて動くようになった。
ここまでで「VTuberモデルを使う」という部分はできています。
しかし、YouTubeなどへ実際に配信する場合は、モデルを映した画面を配信へ取り込む準備も必要です。
つまり、
モデルデータを買う。
↓
トラッキングソフトへ読み込む。
↓
カメラなどで顔の動きを認識させる。
↓
必要なら表情やホットキーを設定する。
↓
配信画面へ取り込む。
という流れです。
モデル購入だけで配信環境そのものが全部そろうわけではありません。
「すぐ使えるモデル」は、この中のモデル準備と初期設定が大きく短縮される商品だと考えると分かりやすくなります。
初めて買うなら商品ページで7項目を見る
買う前に確認する内容をまとめると、次のようになります。
| 確認するもの | 見る内容 |
|---|---|
| モデルの種類 | Live2Dか3Dか |
| 対応ソフト | VTube Studio、VRM対応ソフトなど |
| 納品形式 | moc3、model3.json、VRMなど |
| アプリ用設定 | VTube Studio設定・ホットキー等が付属するか |
| 表情・モーション | 紹介動画の機能が実際に付属するか |
| 編集用データ | cmo3、PSD、vroid等が付属するか |
| 利用規約 | 配信・収益化・改変などが許可されているか |
特に重要なのは最初の3つです。
自分がLive2Dを使うのか3Dを使うのか。
何のソフトで動かすのか。
そのソフトへ読み込める完成データが入っているのか。
ここが一致していれば、購入後の大きな失敗を減らせます。
「すぐ使える」は3段階で判断する
販売ページの「すぐ使えます」という言葉だけで判断せず、次の3段階で考えます。
1つ目は、完成した実行データがあるか。
Live2Dなら.moc3や.model3.json、テクスチャなど。
3Dなら、使いたいアプリへ対応する.vrmなどです。
2つ目は、自分の使うソフトで動作確認されているか。
VTube Studio、3teneなど、実際の利用先まで一致している方が導入しやすくなります。
3つ目は、ソフト内の設定まで済んでいるか。
顔の追従、表情、ホットキーなどまで販売者が設定していれば、購入後の作業はさらに少なくなります。
この3つがそろっていれば、「ダウンロードしてソフトへ入れ、簡単な調整をすれば使い始められるモデル」にかなり近くなります。
反対に、PNGやPSDだけなら、まだモデル制作が必要です。
.cmo3だけなら、VTube Studio用の書き出し作業が必要になる可能性があります。
.vroidだけなら、VRM対応ソフトで使う前にVRMへ書き出します。
「VTuberモデル」という商品名ではなく、最終的に自分が使うソフトへ入れるファイルがあるかを見る。
これが、買ったモデルをすぐ使えるか判断する一番分かりやすい方法です。
出典
VTube Studio|Getting Started
※Live2DモデルをVTube Studioへ読み込み、初期設定するための公式資料。
VTube Studio|Loading your own Models
※必要なLive2Dファイル構成と自動設定についての公式資料。
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