VTuberモデルを依頼すると、料金表に「実績公開不可+○円」と書かれていることがあります。
これは珍しい料金ではありません。
2026年9月時点で公開されているLive2D制作料金を確認すると、実績を完全に非公開にする場合、1万円、2万円、3万円、5万円、見積総額の50%、さらに見積額と同額を追加する例まであります。
ただし、ここで最初に確認したいことがあります。
あなたが希望しているのは、
「デビューまで秘密にしたい」
なのでしょうか。
それとも、
「デビュー後も制作者のSNSやポートフォリオへ一切掲載してほしくない」
のでしょうか。
この2つは同じではありません。
実績非公開料金を払う必要があるかは、まずここから判断します。
実績公開とは何を公開されること?
Live2D制作者は、完成したモデルを自分の制作実績として紹介することがあります。
たとえば、
制作者のホームページ。
ポートフォリオ。
XなどのSNS。
YouTubeのモデル紹介動画。
依頼サービスのサンプル。
などです。
完成したモデルの動画を掲載し、
「このモデルのLive2Dモデリングを担当しました」
と次の依頼者へ実績として見せる使い方です。
そのため、通常料金の条件として「完成後は制作実績として掲載する場合があります」と定めている制作者がいます。
これを禁止したい場合に「実績公開不可」「実績非公開」という追加料金が設定されています。
実績公開なしは1万〜5万円程度の固定料金例がある
今回確認した現行料金では、完全な実績非公開について、
+1万円。
+2万円。
+3万円。
+5万円。
という料金例がありました。
たとえば基本モデリングが10万円で、実績非公開が+3万円なら、合計13万円になります。
ただし「実績非公開の相場は3万円」と考えるのは適切ではありません。
固定料金ではなく、制作料金に対する割合で決めている制作者もいるからです。
見積金額の50%や100%になる場合もある
実績非公開を、
見積総額の50%。
見積総額の100%。
としている制作者もいます。
たとえば制作費20万円で50%なら+10万円です。
100%なら、制作費20万円に対してさらに20万円が加わります。
実績公開を断るだけでなぜこれほど高くなるのか、と感じるかもしれません。
ここでは「非公開にする作業量」だけで料金を考えない方が分かりやすくなります。
制作者にとって完成したモデルは、次の依頼を受けるための作品例でもあるからです。
なぜ公開しないだけで料金が上がるの?
Live2Dモデラーを選ぶとき、多くの人が過去の制作モデルを見ます。
顔がどこまで動くか。
髪がどう揺れるか。
身体の動きが自然か。
自分の好みのモデルを作れる人か。
こうしたことを作品例から判断します。
そのため、モデルを作っても完成作品を一切公開できなければ、その仕事を次の依頼者へ見せられません。
実際にVTuberモデル制作サービスの中には、「制作実績はクリエイターにとって大切なもの」であることを理由として、実績非公開には必ず追加料金が発生すると説明しているところがあります。
つまり実績非公開料金は、「画像をアップしないための手数料」と考えるより、
「その仕事を今後の営業実績として利用しない条件の料金」
と考えた方が実態に近くなります。
デビューまで秘密にしたいだけなら話が違う
VTuberでは、モデル完成前から姿を公開するとは限りません。
デビュー配信。
新衣装のお披露目。
転生後の新モデル。
記念日の新モデル。
など、公開する日を決めていることがあります。
この場合、
「永久に実績公開してほしくない」
のではなく、
「自分がお披露目するまでは公開しないでほしい」
だけです。
ここは必ず分けて確認します。
実際に、デビュー日までの非公開やSNSでの言及をしない「公開時期の調整」を無料とし、永久にポートフォリオへ載せない場合だけ有料としている制作者があります。
つまり、デビュー前に見せたくないだけなのに、高額な完全非公開オプションを選ぶ必要がない場合があります。
お披露目後なら公開OKと伝える
デビュー前の情報漏れだけを避けたいなら、見積もり時に、
「○月○日のお披露目配信まではモデルを公開しないでください。お披露目後は制作実績として掲載していただいて大丈夫です」
と伝えます。
この条件で追加料金なしになるかを確認します。
実際、依頼者がお披露目した後に実績を公開する運用をしている制作者は複数あります。
この場合は「実績公開不可」ではなく「公開時期指定」として相談できる可能性があります。
納品したらすぐ公開されるとは限らない
「実績公開可にすると、納品直後にモデルを公開されてしまうのでは」と心配する人もいるでしょう。
しかし、全員が納品直後に公開するわけではありません。
今回確認した中には、
依頼者のお披露目後。
お披露目から約1週間後。
納品から3か月後またはお披露目後。
といった条件を設定する制作者がいました。
ただし、これは制作者ごとのルールです。
「たぶんデビューまで待ってくれるだろう」と考えず、依頼時に確認します。
何も伝えないと一定期間後に公開される場合もある
反対に、何も伝えなければ公開される場合があります。
ある制作サービスでは、基本的にモデル公開後に実績掲載しますが、特別な事情やデビュー日の連絡がない場合、納品から6か月経過後にはモデル公開前でも実績として公開することがあるとしています。
別の制作者も、依頼者側でモデルが公開されなかった場合、納品から3か月後に紹介動画を投稿するとしています。
モデルのお披露目が半年後など、かなり先になる場合は注意が必要です。
納品日だけでなく、予定している公開日まで伝えておきます。
SNSだけ嫌なのか、すべての掲載が嫌なのか
「実績公開されたくない」と思ったときは、どこへの掲載が嫌なのかも整理します。
たとえば、
Xへの投稿は嫌。
YouTube動画は嫌。
制作者サイトのポートフォリオだけならよい。
制作サービス内のサンプルならよい。
名前を伏せればよい。
キャラクター画像だけならよい。
といった違いがあります。
制作者によっては、このような条件調整に対応できる可能性があります。
完全非公開オプションを購入する前に、
「掲載範囲を限定できますか」
と聞く価値があります。
キャラクター名を伏せればいい場合も伝える
公開されたくない理由が、
活動名を知られたくない。
別名義とのつながりを知られたくない。
企業名を出したくない。
という場合もあります。
その場合、モデルそのものの公開ではなく、名前やリンクの掲載が問題なのかもしれません。
「キャラクター画像の実績掲載は構いませんが、活動名・YouTube・SNSへのリンクは掲載しないでください」
という条件でよいなら、そのように相談します。
ただし、制作者がこの条件を認めるかは個別確認が必要です。
自分で「名前さえ消せば問題ないだろう」と判断してはいけません。
制作途中も公開されたくないなら別に伝える
完成品だけでなく、制作途中をSNSや配信で公開する制作者もいます。
途中経過の画像。
パーツ分け。
Live2Dの制作画面。
動作テスト。
などです。
完成モデルはデビュー後なら公開してよくても、制作途中から姿を見せられると困る場合があります。
そのため秘密にしたいモデルなら、
「完成品だけでなく、制作途中の画像・動画・作業配信もデビューまでは公開しないでください」
と伝えます。
実際、制作途中の公開を許可すると割引する制作者も確認できます。
つまり完成後の実績公開と、制作途中の公開は別の条件として扱われる場合があります。
WIP公開とは制作途中の公開
料金表では「WIP公開」という表現が使われることがあります。
WIPは「制作途中」という意味です。
簡単に言えば、
「まだ完成していないモデルを、制作中の作品としてSNSなどへ載せてもよいか」
ということです。
実際に、制作途中の公開を認めることで基本料金から10%値引きする制作者もいます。
完全非公開にすると追加料金。
途中公開を許可すると割引。
という両方を設定する制作者もいるわけです。
企業VTuberなら秘密保持が必要になることもある
企業案件では、モデル公開前の情報を外へ出せないことがあります。
新規VTuber。
新衣装。
未発表プロジェクト。
ゲームキャラクター。
などです。
この場合は単なる「デビュー日まで待ってください」だけではなく、秘密保持について契約上の確認が必要になることがあります。
法人向けに秘密保持契約へ対応しているLive2D制作者もいます。
企業案件なら、
いつまで非公開なのか。
制作途中も非公開なのか。
完成後は実績公開できるのか。
会社名を掲載できるのか。
まで最初に決めます。
実績非公開と著作権譲渡は別
ここも混同しないようにします。
「実績として公開させない」
ことと、
「著作権を自分へ譲渡してもらう」
ことは別の条件です。
実際の料金表でも、
完全非公開+5万円。
著作権譲渡+5万円。
編集用データの譲渡は別料金。
というように分けられています。
著作権を譲渡してもらったから必ずポートフォリオ掲載も禁止できる、とは限らない契約もあります。
反対に、著作権を譲渡してもらわなくても、実績非公開だけを依頼できる場合があります。
自分が必要なのがどちらなのか分けて考えます。
実績公開不可でもクレジット表記は別に確認する
制作者の実績公開を禁止することと、自分の配信ページで作者名を書くかどうかも別問題です。
実績公開不可だから、
「制作者名を書かなくてもいい」
とは限りません。
反対に、実績公開不可の場合はクレジット不要としている制作者もいます。
この条件も統一されていません。
完全に活動と制作者のつながりを伏せたいなら、
実績公開。
作者名の表記。
SNSへのリンク。
の3つを分けて確認します。
「実績非公開1万円」の金額だけで選ばない
たとえば、
Aさんは実績非公開+1万円。
Bさんは+5万円。
だったとします。
これだけ見るとAさんの方が安く見えます。
しかし、
AさんはSNS・YouTube・ポートフォリオすべての非公開が+1万円。
Bさんはデビュー日までの公開延期なら無料、永久非公開のみ+5万円。
という条件なら、デビューまで秘密にしたいだけの人にとってはBさんも追加料金ゼロです。
金額だけでなく、
「どの状態を実績非公開と呼んでいるのか」
まで見ます。
まず自分が必要な非公開範囲を決める
見積もりを取る前に、次のどれなのかを整理します。
| 希望 | 確認すること |
|---|---|
| デビューまで秘密 | お披露目日まで公開を延期できるか |
| 制作途中だけ秘密 | WIP・作業配信を禁止できるか |
| デビュー後は公開OK | 公開時期指定だけで追加料金になるか |
| SNSだけNG | ポートフォリオのみ掲載できるか |
| 名前を出したくない | 匿名で実績掲載できるか |
| 永久に公開NG | 完全実績非公開料金はいくらか |
| 法人案件 | 秘密保持契約への対応が可能か |
ここまで決めれば、「実績非公開オプションが必要なのか」がかなり判断しやすくなります。
依頼するときは「実績公開なし」とだけ書かない
完全非公開を希望するなら、
「制作したモデルについて、完成後もSNS、YouTube、ホームページ、ポートフォリオ、販売ページ等へ制作実績として掲載しない条件を希望します。追加料金を教えてください」
と伝えます。
デビューまで秘密にしたいだけなら、
「○月○日のお披露目までは制作途中を含め非公開でお願いします。お披露目後は制作実績として掲載していただいて構いません。この場合に追加料金は必要でしょうか」
と聞きます。
この2つでは条件がまったく違います。
デビュー前なら「完全非公開」を選ぶ前に相談する
VTuberを始める人にとって、モデル公開前のサプライズは大切です。
しかし、それだけを理由に最初から高額な「永久実績非公開」を付ける必要はない場合があります。
まず、
お披露目日までは秘密。
その後は実績掲載OK。
という条件で相談します。
これなら制作者は将来ポートフォリオへ掲載でき、依頼者もデビュー前にモデルを公開されずに済みます。
実際に、この公開時期調整を無料としている制作者があります。
本当に永久非公開が必要なら追加料金を含めて予算を組む
一方、
別名義を絶対に知られたくない。
企業の未公開キャラクターである。
契約上、第三者のポートフォリオ掲載ができない。
活動終了後もモデルを外へ残したくない。
といった事情なら、完全非公開が必要になる可能性があります。
その場合、モデル本体の制作費だけで予算を決めない方がよいでしょう。
現行料金では1万円程度の例から、5万円、制作費50%、100%まであります。
最初の問い合わせ時点で完全非公開を伝え、総額で比較します。
結局、実績公開なしは追加料金になる?
完全に実績公開を禁止するなら、追加料金になる制作者は多くあります。
今回確認した料金例では、
1万円。
2万円。
3万円。
5万円。
制作総額の50%。
制作総額の100%。
という幅がありました。
一方、
「VTuberとして自分がお披露目するまでは秘密にしてほしい」
だけなら、公開時期の調整として無料で対応する制作者もいます。
つまり最初に判断するのは、
「実績非公開はいくらか」
ではありません。
自分は永久に公開されたくないのか、それとも自分より先に公開されたくないだけなのか。
ここを決めます。
この違いが分かれば、不必要な実績非公開料金を払わずに済む場合があります。
出典
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