VTuberモデルの新衣装は、完成後でも追加できます。
ただし、「新しい服の絵を描いてもらい、今のモデルに載せれば終わり」ではありません。
今のLive2Dモデルへ追加するなら、現在のモデルを編集できるデータを開き、新しい衣装の画像パーツを追加して、その衣装にも体の動きや揺れを設定します。
さらに、
元の衣装とキー操作で切り替えたいのか
新衣装版を別モデルにするのか
元モデラーへ頼むのか
別のモデラーへ頼むのか
によって必要なものが変わります。
新衣装は完成したLive2Dモデルにも後から追加できる
Live2Dには、すでに作ったモデルへ新しい画像パーツを追加する仕組みがあります。
たとえば現在の衣装とは別に、
ジャケット
シャツ
スカート
袖
アクセサリー
などの新しいパーツを用意し、現在のモデルへ読み込ませることができます。
Live2D公式でも、PSDの再インポートを使って既存モデルへ新しいパーツを追加する手順が用意されています。
つまり、モデルを最初から作るときに新衣装まで準備していなくても、後から追加すること自体は可能です。(Live2D)
ただし、新しい服の画像を読み込んだだけでは完成しません。
新しく追加したパーツについても、体を左右に向けたときの形、上下の動き、袖や装飾品の揺れなどをLive2D側で設定する必要があります。
最初に確認するのはcmo3が残っているか
今のモデルへ新衣装を追加したいとき、最初に確認したいのがLive2Dの編集用データです。
Live2Dには、普段VTube Studioなどでモデルを動かすためのmoc3と、Live2D Cubism Editorでモデルを編集するためのcmo3があります。
新衣装を「今のモデルへ足す」作業では、基本的に現在のモデルを編集する必要があるため、cmo3が重要になります。
ここで大切なのは、
「自分がcmo3を持っているか」
だけではありません。
元モデラーがcmo3を持っていれば、その人へ新衣装追加を依頼できる可能性があります。
実際のLive2D制作サービスでも、cmo3は依頼者へ通常納品せず、モデラー側が保有したまま新衣装やアップデートへ対応する形があります。
そのため、手元にcmo3が見つからなくても、まず元モデラーへ確認します。
元モデラーへ頼むなら一番話がつながりやすい
現在のモデルを制作したモデラーへ新衣装を依頼できるなら、既存モデルの構造を把握しているため、現在の顔や体の動きを利用しながら追加できる場合があります。
実際に新衣装制作を扱うモデラーの中には、元モデルの顔パーツを流用し、表情切り替えなども問題がなければそのまま引き継ぐという仕様を設けています。(のかのどか)
これは、新衣装を作るたびに顔のモデリングまで全部作り直すとは限らないということです。
ただし、
衣装の形が大きく変わる
腕や体形も変更する
髪型まで変更する
特殊な装飾や動きを追加する
といった場合は、流用できる範囲が少なくなります。
「新衣装」という名前でも、実際の作業量はデザインによって大きく違います。
別のモデラーへ頼むならcmo3と改変許可を確認する
元モデラーではなく、別のモデラーへ新衣装を頼みたいこともあります。
この場合は条件が増えます。
実際に他者制作モデルの衣装追加を受け付けるサービスでは、編集可能なcmo3の提出を求める例が複数あります。
配信用のmoc3ではなく、cmo3です。(ココナラ)
さらに、元モデラーが第三者による改変を認めているかも確認します。
他者制作モデルの修正を受けるモデラー側でも、
「元モデラーへ改変許可を取ってください」
と条件にしている例があります。(Google Sites)
つまり、cmo3を持っているだけで自由に別の人へ頼めるとは限りません。
データと許可の両方を確認します。
新衣装用のイラストもLive2D向けに準備する
cmo3だけあっても新衣装は完成しません。
当然ながら、新しい衣装の絵も必要です。
Live2Dでは服を一枚の平面的な画像として貼るのではなく、動かす必要がある部分を分けて制作します。
たとえば袖が腕と一緒に動き、リボンが揺れるモデルなら、それぞれが動かせる状態の画像パーツとして準備されている必要があります。
Live2D公式では、既存モデルへ別のPSDを追加し、新しいパーツを新規アートメッシュとして追加する方法も用意されています。(Live2D)
そのため、新衣装をイラストレーターへ頼む場合は、
「VTuberの新衣装用」
「Live2Dモデリングに使う」
ことを最初に伝えます。
完成した一枚絵だけでは、その後にパーツ分け作業が追加で必要になる場合があります。
元のPSDがないと絶対に新衣装を作れないわけではない
「新衣装なら元のPSDも絶対必要」とは限りません。
新しい衣装部分を別のPSDとして作り、既存モデルへ新規パーツとして追加する方法がLive2Dにはあります。(Live2D)
実際の衣装差し替えサービスでも、
既存モデルのcmo3
新しい衣装の画像データ
を受け取って対応する例があります。(ココナラ)
一方で、サービスによってはcmo3と元PSDの両方を必須にしています。(ココナラ)
この違いは、新衣装の作り方や既存パーツをどこまで流用するかによります。
そのため、
「PSDがないから不可能」
「cmo3だけあれば必ず可能」
のどちらとも一律には言えません。
まず依頼したいモデラーへ、現在持っているデータを見てもらいます。
旧衣装と新衣装をキーで切り替えることもできる
配信中に、
通常衣装
新衣装
をキー操作で切り替えたい場合もあります。
この場合は、旧衣装と新衣装を同じLive2Dモデル内へ持たせ、どちらを表示するか切り替えられるようモデル側で設定する方法があります。
VTube Studioでは、Live2Dパラメータを特定の値にする「表情」機能をホットキーで呼び出せます。
VTube Studio公式も、この機能の用途として衣装変更を挙げています。(GitHub)
つまり、あらかじめLive2D側で、
通常衣装を表示
新衣装を非表示
あるいはその逆
になるよう設定しておけば、配信中にホットキーで切り替えられます。
ただし、この仕組みはVTube Studioへ新しい服の画像を入れるだけで作れるものではありません。
衣装パーツと切り替え用パラメータをLive2Dモデル側へ作っておく必要があります。
新衣装を別モデルとして作る方法もある
必ず旧衣装と新衣装を一つのモデルへ入れる必要はありません。
新衣装版を別のモデルとして作る方法もあります。
実際のモデラーでも、新衣装は通常衣装とは別のモデルデータとして制作する方針を取る例があります。(note(ノート))
この方法なら、
通常衣装モデル
新衣装モデル
をVTube Studio側で切り替えて使います。
一つのモデル内に複数衣装を入れるより管理しやすい場合があります。
一方で、配信中に一瞬で着替える演出をしたいなら、同じモデル内で切り替えられる仕様の方が目的に合う場合があります。
どちらが正解というより、
「配信中に着替えたいのか」
「配信ごとに衣装を変えられればよいのか」
で選びます。
cmo3がない場合は「今のモデルへ追加」が難しくなる
現在のモデルのcmo3が、
自分にもない
元モデラーにも残っていない
という場合は、状況が変わります。
普段使っているmoc3はVTube Studioなどで動かすために書き出したデータであり、元のLive2D編集データとは役割が違います。
そのため、moc3だけを使って現在のモデリング作業の続きを行うことを前提にはできません。
この場合は、
元のパーツ分け済みイラストを使ってモデルを作り直す
新衣装を含めて新モデルを制作する
といった方法を検討することになります。
「新しい服だけだから少し追加すれば済む」と思っていても、cmo3が残っているかどうかで作業内容が大きく変わります。
新衣装を別の絵師へ頼むなら著作権も確認する
技術的に追加できても、誰に新衣装を描いてもらってもよいとは限りません。
元のキャラクターデザインを別のイラストレーターが制作しており、著作権がその人に残っている場合があります。
文化庁は、同じキャラクターについて異なるポーズや服装をデザインすることは、元の作品を変更して別の作品を作る「翻案」に当たることが多く、著作権者の許諾が必要になると説明しています。(文化庁)
そのため、
元絵師に新衣装も依頼する
別の絵師に依頼する
自分で新衣装を描く
のどの場合でも、現在の契約でどこまで認められているかを確認します。
「自分のVTuberだから好きな服を別の人に描いてもらえる」とは一律には判断できません。
キャラクターデザインを持ち込んだ場合も元制作者の条件を見る
「キャラクター案は自分で考えたから、新衣装も自由では」と考える場合もあります。
しかし、以前の衣装やキャラクターの具体的なイラスト表現を別のイラストレーターが制作しているなら、その作品には制作者の著作権が発生する場合があります。
実際のLive2D制作サービスでも、持ち込みデザインの場合は元デザイン担当者の許可を求める例があります。(Amatoko85)
誰が最初にアイデアを考えたかだけではなく、現在使用している具体的なイラストの権利関係を確認します。
小物を一つ付けたいだけなら新衣装にしなくてもよい場合がある
「新衣装が欲しい」と思っていても、実際に欲しいのが、
帽子
メガネ
髪飾り
小さなアクセサリー
程度なら、衣装全体を作り直さなくても済む場合があります。
Live2D公式のPSD再インポートでも、メガネのような新しいパーツを後から追加する例が示されています。(Live2D)
モデルへ追加した上で表示・非表示を切り替えれば、配信中だけ付けるアクセサリーとして使えます。
必要なのが「服全部の変更」なのか「一部パーツの追加」なのかを先に決めると、依頼内容も変わります。
新しい服を重ねただけでは動きが完成しない
イラストだけを見ると、新しい服を現在の体の上へ載せれば使えそうに見えます。
しかしLive2Dモデルでは、体を左右へ向けたり傾けたりしたときに服も一緒に変形する必要があります。
さらに、
袖
リボン
ネクタイ
フリル
アクセサリー
などは、それぞれ別の動きや揺れを付けることがあります。
そのため、新衣装制作では、
新しい服を描く作業
Live2D用に画像を分ける作業
既存モデルへ追加する作業
動きを設定する作業
が別々に発生する可能性があります。
「新しい服のイラスト代だけ」で考えない方がよいでしょう。
これからモデルを依頼するなら新衣装の予定も伝えておく
まだ最初のVTuberモデルを制作している段階なら、
「将来、新衣装を追加する予定があります」
と伝えておく意味があります。
特に確認したいのは、
新衣装を後から依頼できるか
cmo3を誰が保管するか
別のモデラーへ変更する場合にcmo3を提供してもらえるか
第三者によるモデル改変を認めてもらえるか
別の絵師へ新衣装を頼めるか
です。
実際に、既存モデルへの新衣装・アップデートにはcmo3が必要とし、別モデラーへ移る場合にはcmo3を提供する条件をあらかじめ設けているモデラーもいます。(925)
最初のモデルだけを見て契約するのではなく、そのキャラクターを長く使う予定なら「2着目以降をどう作るか」も確認しておくと後で困りにくくなります。
今のモデルに追加できるかは3つを確認する
VTuberモデルへ新衣装を追加したいなら、最初に確認するのは次の3点です。
一つ目は、現在のLive2Dモデルを編集できるcmo3が残っているか。
二つ目は、新衣装用のパーツ分けされた画像を用意できるか。
三つ目は、元のイラストレーターやモデラー以外へ依頼する場合、その改変や新衣装制作が契約上認められているかです。
この3つがそろえば、今のモデルへ新衣装を追加できる可能性は高くなります。
旧衣装と新衣装を配信中に切り替えたいなら、一つのモデル内に両方を入れて切り替え用パラメータを設定する方法があります。
配信ごとに衣装を変えられればよいなら、新衣装版を別モデルとして作る方法もあります。
cmo3が残っていなければ、単純な「衣装追加」ではなく、モデルを作り直す方向まで検討します。
つまり、「新衣装は後から追加できるか」の答えは基本的にはできます。
ただし、本当に確認すべきなのは、
「今あるモデルの続きを編集できる状態になっているか」
です。
出典
株式会社Live2D|PSDのインポート
株式会社Live2D|PSDの再インポート
株式会社Live2D|組み込み用データ
DenchiSoft|VTube Studio Wiki「Expressions」
文化庁|文化芸術活動に関する法的問題についてよくあるご質問
925|Live2D Commission
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Illustration & Live2D Creation|FAQ
あまとう工房|イラスト+Live2D
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