Live2Dの上半身モデルを後から全身にできる?

上半身だけで作ったLive2Dモデルでも、後から全身モデルへ変更できる場合があります。

実際に、上半身プランから全身プランへ追加料金で変更したり、購入済みのバストアップモデルを全身へアップデートしたりする制作サービスがあります。

ただし、「下に脚を描き足せば完成」というわけではありません。

最初に確認したいのは、今のモデルが、

「全身の絵はすでにあるが、腰から下を動かしていない」

のか、

「イラスト自体が上半身までしか存在しない」

のかです。

ここで必要な作業が大きく変わります。

全身の絵があるなら下半身のモデリング追加で済む場合がある

上半身モデルと呼ばれていても、元のイラストが上半身だけとは限りません。

全身のパーツ分けイラストを用意したうえで、料金を抑えるために腰から上だけをモデリングする制作方法があります。

この場合、腰から下の絵はすでにあります。

ただし、下半身部分にはほとんど動きが設定されていない状態です。

後から全身化するときは、その下半身に、

体の動き
脚の動き
スカートや服の揺れ
尻尾などの動き
上下左右へ動いたときのつながり

などを追加していきます。

このケースなら、新しくキャラクターデザインそのものを作る必要がないため、今のモデルを活かして全身へ拡張しやすくなります。

まず元のイラストが全身まで存在するか確認します。

イラスト自体が上半身までなら下半身を新しく描く必要がある

一方、上半身モデル用としてイラスト自体が腰や胸あたりまでしか描かれていない場合があります。

この場合はLive2Dの設定だけでは全身になりません。

存在しない脚や服を新しく作る必要があります。

実際に、上半身モデルを全身化する制作サービスでも、

下半身の服装を決める
ラフを作る
清書する
Live2Dへ組み込む

という工程を取っています。

つまり、必要なのは「下半身モデリング追加」ではなく、

下半身のキャラクターデザイン
全身イラスト制作
Live2D用のパーツ分け
既存モデルへのパーツ追加
下半身モデリング

まで含んだ作業になります。

この場合は、上半身プランと全身プランの単純な差額だけでは済まないこともあります。

下半身を描き足せば今の上半身をそのまま使えるとは限らない

新しく下半身を描けば、必ず上半身部分を一切触らずに済むとも限りません。

上半身だけで完成させたイラストでは、腰より下を見せる前提で描かれていない場合があります。

たとえば、

上着の裾の下が描かれていない
腰回りが省略されている
スカートの上部しかない
腕の後ろに隠れる胴体が描かれていない

といった状態です。

全身になったことで、今まで画面外だった部分が見えるようになります。

そのため下半身だけでなく、腰回りや服のつながりを描き直す必要が出る場合があります。

「上半身+脚」という別々の絵ではなく、一人のキャラクターとして自然につながる全身にする必要があるからです。

Live2Dでは既存モデルへ新しいパーツを追加できる

技術的には、Live2D Cubismには既存モデルへ新しいパーツを追加する仕組みがあります。

パーツ分けした画像データを追加で読み込み、既存モデルへ新しいパーツとして加えることができます。

そのため、

「最初に上半身モデルで作ったら、そのLive2Dデータへ後からパーツは一切追加できない」

という仕組みではありません。

キャンバスのサイズも後から変更できます。

上半身モデルのキャンバスが小さかったとしても、それだけで全身化できなくなるわけではありません。

ただし、新しい下半身の画像を読み込めば自動で全身が動き始めるわけではありません。

追加したパーツにメッシュを設定し、体とのつながりを作り、必要な動きを付けて初めて全身モデルとして使えるようになります。

既存の上半身モデリングも調整が必要になることがある

下半身が追加されると、上半身と下半身を一体として動かす必要があります。

たとえば上半身だけのモデルでは、体を左右へ傾ける動きを胸や腰の上だけで完結させていることがあります。

全身化した後は、

胸
腰
スカート
脚

までつながって見えるように調整する必要があります。

そのため、「下半身部分だけ新しくモデリングすれば終わり」とは限りません。

上半身側の体の動きや変形用の設定を調整し直す場合があります。

Live2D公式マニュアルでも、既存パーツの形を大きく変更すると、メッシュ調整によってすでに作られている動きへ影響する可能性があると説明されています。

全身化の見積もりを取るときは、

「下半身追加だけの料金ですか」

ではなく、

「既存上半身モデルの調整も含めて全身としてつながるようにしてもらえますか」

まで確認した方が分かりやすくなります。

まずcmo3が残っているか確認する

今のLive2Dモデルを編集して全身化する場合に重要なのが、編集用データです。

Live2Dには名前の似た、

cmo3
moc3

というファイルがあります。

cmo3は、Live2D Cubismでモデルを編集するためのデータです。

moc3は、VTube Studioなどでモデルを動かすために書き出されたデータです。

普段配信で使っているモデルフォルダにmoc3があっても、それだけでは通常、元のモデリング作業をそのまま続けるためのデータにはなりません。

まず納品データにcmo3があるか確認します。

cmo3がないなら元のモデラーへ相談しやすい

cmo3を持っていない場合は、最初に元のモデラーへ全身化できるか確認します。

元のモデラー側には、制作時の編集データが残っている可能性があるためです。

実際に、

「上半身から全身へ差額でアップグレード可能」

としている制作者もいます。

この場合、元モデルを作った人がそのまま続きをモデリングするため、別の人へ編集データを渡す問題も起きにくくなります。

依頼するときは、

「現在の上半身モデルを使ったまま全身へ拡張できますか」

「下半身イラストは新規制作が必要ですか」

「上半身部分の作り直しはありますか」

と確認します。

別のモデラーに頼むならcmo3と改変許可を確認する

元のモデラーが活動を終了していたり、予約が長期間埋まっていたりする場合は、別のモデラーへ依頼する方法もあります。

実際に、他の人が制作したLive2Dモデルのアップデートを受け付けているモデラーもいます。

ただし、この場合はcmo3を用意するよう求められるケースがあります。

さらに、元モデラーが第三者による編集を認めているかも確認します。

制作者によっては、

別モデラーへの引き継ぎOK
事前相談が必要
cmo3を有料で譲渡
自分が対応できない場合だけcmo3提供

など条件が違います。

「自分がお金を払って作ってもらったモデルだから、誰にでも編集を頼める」とは決めず、利用規約や納品時の条件を確認します。

下半身を別のイラストレーターに描いてもらう場合も確認する

上半身のイラストを描いた人と、下半身を追加する人が別になるケースもあります。

この場合、現在のイラストへ別の人が描き足してよいか確認します。

実際のLive2Dモデラーでも、持ち込まれたイラストを追加でパーツ分け・加筆する場合、元のイラストレーターから編集許可を得るよう求める例があります。

元のイラストレーターへ、

「現在の上半身イラストへ、別のイラストレーターが下半身を描き足して全身化してもよいですか」

と確認しておけば判断しやすくなります。

元の人が全身イラストまで対応できるなら、デザインや塗りを揃えやすいため、まず相談する方法もあります。

全身化の前に「どこまで動かしたいか」を決める

全身モデルといっても、動き方は一つではありません。

たとえば、

下半身も画面に表示できればよい
体を傾けたときに腰・脚も自然についてきてほしい
スカートや尻尾を揺らしたい
脚を動かすモーションを付けたい
自分の実際の脚の動きまで追跡したい

では必要な作業が違います。

「全身モデリング」という言葉だけで依頼すると、完成後に思っていた動きと違う可能性があります。

特に最後の「自分の脚まで追跡して動かす」は別に考えます。

全身モデルにすれば脚まで自動追跡されるわけではない

VTube Studioは、通常はスマートフォンやWebカメラで顔を追跡し、その情報をLive2Dモデルの動きへ反映します。

そのため、全身モデルを作っただけで、自分が立ったり脚を上げたりした動作まで自動的に取得するわけではありません。

下半身は、

上半身の動きに連動する
物理演算で少し揺れる
キー操作やモーションで動く

といった作り方もあります。

一方、VTube Studioにはmocopiなどの身体追跡データを利用し、脚・腕を含む動きをLive2Dへ反映する仕組みもあります。

つまり、

「全身を画面に映したい」

のと、

「自分の全身の動きをリアルタイムで反映したい」

のは別の依頼です。

後者を希望するなら、全身化を依頼するときに、

「脚もボディートラッキングへ対応させたい」

と最初に伝える必要があります。

全身化するなら今あるデータを3つ確認する

全身化できるか確認するときは、まず現在持っているものを確認します。

一つ目は、全身のイラストです。

全身まで描かれているなら、腰下のモデリング追加で対応できる可能性があります。

二つ目は、パーツ分けされたイラストデータです。

下半身が一枚の絵になっているだけなら、Live2D用のパーツ分けが別途必要になる場合があります。

三つ目はcmo3です。

今の上半身モデリングをそのまま編集して全身へ広げるなら、編集可能なモデルデータがあるかが重要になります。

この3つを確認したうえで元制作者へ相談すれば、必要な作業を判断してもらいやすくなります。

全身絵がない場合は下半身のデザインも先に決める

上半身しか描かれていない場合は、単に脚を描くのではなく、全身デザインを決める必要があります。

たとえば、

ズボンなのかスカートなのか
靴は何を履くのか
上着の丈はどこまであるのか
腰にベルトや装飾があるのか
尻尾があるのか
全身の身長・体型をどうするのか

です。

実際の全身アップデートサービスでも、下半身の服装イメージや参考画像を聞いてから制作しています。

上半身だけで活動していた期間が長いほど、視聴者の中にキャラクター像ができていることもあります。

全身化を機に別の衣装へ変えるのか、現在の衣装をそのまま下まで延長するのかも先に決めます。

新衣装も欲しいなら「全身化」と分けて考える

今の上半身衣装を全身にするついでに、

「せっかくだから新衣装にもしたい」

と思うことがあります。

しかし、既存衣装の全身化と新衣装追加は別作業として扱われることがあります。

実際の全身アップデートサービスでも、

まず既存衣装で全身化
その後、新衣装差分を追加

という扱いをしています。

したがって見積もりでは、

現在の衣装をそのまま全身化する料金
新衣装も同時に作る料金

を分けて確認します。

そうすると、「全身化の料金だと思っていたら衣装制作費まで追加された」という行き違いを避けやすくなります。

作り直した方がよい場合もある

後から全身化できるからといって、必ず現在のモデルを継ぎ足すのが適しているとは限りません。

たとえば、

上半身イラストの解像度が低い
腰回りを大きく描き直す必要がある
古いモデルで構造を大幅に変えたい
可動域も全面的に作り直したい
デザイン自体を変えたい

という場合です。

追加部分が大きくなるほど、既存モデルを修正する作業量も増えます。

他制作者モデルの改修サービスでも、大幅なリメイクは通常モデリングと同程度の料金になる例があります。

そのため、

「今のモデルを絶対に残す」

と先に決めず、

「既存モデルへ足す場合と、全身として作り直す場合の両方で見積もれますか」

と聞く方法もあります。

上半身モデルを全身化するときは「絵がどこまであるか」が最初の分岐

Live2Dの上半身モデルは、後から全身へ変更できる場合があります。

ただし、最初に見るのは「上半身モデル」という名前ではありません。

今あるデータの中身です。

全身のパーツ分けイラストがすでにあり、腰から下をモデリングしていないだけなら、下半身のモデリング追加で対応できる可能性があります。

イラスト自体が上半身で終わっているなら、下半身のデザイン・イラスト・パーツ分けから必要になります。

さらに現在のLive2Dモデルを編集するならcmo3があるか確認します。

別のモデラーへ頼むなら、cmo3だけでなく第三者による編集が認められているかも確認します。

そして最後に、

「全身を表示したい」

のか、

「下半身も自然に動かしたい」

のか、

「実際の脚の動きまで追跡したい」

のかを決めます。

この3つを分けて伝えれば、今の上半身モデルを活かせるのか、どこから作り直す必要があるのかを判断しやすくなります。

出典

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