VTuberモデルに購入した髪型、衣装、目、アクセサリーなどの素材を使っていても、利用規約で収益化した配信への使用が認められていれば、その条件内で収益化できます。
ただし、「お金を払って買った素材だから商用利用できる」とは限りません。
また、「商用利用可」と書いてあるだけで、モデラーへ素材データを渡したり、その素材を組み込んだモデルを第三者へ納品したりできるとも限りません。
購入素材を使ったVTuberモデルでは、
自分が収益化配信に使えるか
素材をモデルへ組み込んでよいか
別の人へ素材データを渡してよいか
素材入りのモデルデータを納品・販売してよいか
を分けて確認する必要があります。
有料素材でも商用利用できるとは限らない
最初に間違えやすいのが、「買った」という事実と「商用利用できる」という許可を同じものとして考えることです。
素材を購入することは、そのデータについて利用規約で決められた範囲の利用を認めてもらうことであり、通常は著作権そのものを買い取ることとは違います。
そのため、500円で購入した素材でも商用利用禁止なら、収益化したVTuber活動に使えない場合があります。
反対に、無料で配布されている素材でも、
「商用利用可」
「収益化済みの配信で使用可」
と明記されていれば、その条件の範囲で使えることがあります。
判断するときは値段ではなく利用規約を見ます。
「商用利用可」の意味は素材ごとに違う
もう一つ注意したいのが、「商用利用可」という言葉です。
この言葉には、すべての制作者で共通する一つの範囲があるわけではありません。
実際のVTuber向け素材には、
収益化済みのYouTube配信に使うことだけを商用利用として認めるもの
動画・ゲーム・印刷物など広い用途で商用利用を認めるもの
配信収益は認めるがグッズ販売は禁止するもの
個人は商用利用できるが法人利用には別途連絡が必要なもの
などがあります。
つまり、
「商用利用可=VTuberでお金が発生する使い方なら全部OK」
ではありません。
自分が実際に行う使い方まで読む必要があります。
自分で購入して自分のモデルに使うなら「配信収益化」を見る
最も判断しやすいのは、自分で素材を購入し、自分だけが使うVTuberモデルに組み込む場合です。
たとえば、
髪型素材を購入する
自分のモデルへ組み込む
YouTubeで配信する
広告収入や投げ銭を受け取る
という使い方です。
この場合、素材規約に、
VTuber活動可
配信利用可
収益化配信可
商用利用可
などの記載があるか確認します。
ただし「商用利用可」とだけ書かれている場合は、そのショップ内の詳しい利用規約も確認します。
グッズや再販売などには別の制限が設けられていることがあるからです。
「モデルへの組み込み」が認められているかも見る
VTuber向けとして販売されている素材でも、どこまで加工・組み込みできるかは同じではありません。
たとえば衣装の画像を配信画面の上に重ねるだけなら、そのまま表示する使い方です。
一方、衣装のPSDデータを加工し、
自分の体形に合わせる
色を変更する
パーツを分ける
Live2Dで動くように設定する
となれば、素材そのものを加工してモデルへ組み込むことになります。
そのため、
加工可
加筆可
色変更可
Live2Dモデルへの使用可
モデリング可
といった条件も確認します。
「配信で表示してよい」という許可だけでは、素材データを自由に加工してよいとは限りません。
一番見落としやすいのはモデラーへ素材を渡すとき
自分でLive2Dモデルを作らず、モデラーへ依頼している場合は注意点が増えます。
たとえば、自分がBOOTHなどで衣装のPSD素材を購入し、
「この衣装を私のモデルに付けてください」
とモデラーへPSDを送るケースです。
このとき問題になるのは、VTuberとして収益化できるかだけではありません。
購入した素材データを第三者であるモデラーへ渡してよいかを確認する必要があります。
素材規約に、
再配布禁止
第三者への譲渡禁止
第三者への共有禁止
などと書かれている場合があります。
「自分は販売しているわけではなく、作業してもらうだけだから大丈夫」とは一律に判断できません。
モデラーへの制作委託を想定して、データ共有を認めている素材なのかまで確認します。
モデラーが購入した素材を依頼者へ納品する場合も別問題
反対のケースもあります。
モデラーが衣装や体などの素材を購入し、それを使って依頼者のVTuberモデルを制作する場合です。
ここでは、
「モデラー本人が商用制作に使えるか」
だけでは足りません。
完成モデルをクライアントへ渡せる条件になっているかも確認します。
実際のVTuber向け素材には、
素材そのものや素材を組み込んだ別素材の再配布・販売は禁止
としながら、
Live2Dモデラーがクライアントから制作を請け負う場合の商用利用は可
と明確に定めているものがあります。
このような規約なら、依頼制作への組み込みまで想定されていることが分かります。
一方、その記載がなく「再配布禁止」としか書かれていない素材については、完成モデルへの組み込み・納品まで許可されているのか判断できないことがあります。
その場合は素材制作者へ確認する方が確実です。
「再配布禁止」が何を意味するかまで読む
購入素材では、ほとんどと言ってよいほど目にするのが「再配布禁止」という言葉です。
ただし、ここでも意味する範囲は素材によって違います。
典型的なのは、
購入したPNGやPSDをそのまま他人へ渡す
多少色を変えて素材として再販売する
素材集として配布する
といった行為を禁止するものです。
一方で、
素材を十分に作品へ組み込んだ完成物なら頒布可
とする規約もあります。
逆に、
素材を組み込んだモデル自体の販売・配布も不可
という規約もあります。
したがって、「再配布禁止」という一語だけではなく、
完成モデルへの組み込み
依頼者への納品
モデル販売
まで含めてどう書かれているかを確認します。
完成モデルを自分だけが使うなら問題が一つ減る
ここで、自分用モデルと販売・納品モデルを分けると判断しやすくなります。
自分が購入した素材を自分のモデルへ組み込み、自分自身だけがそのモデルを使って収益化配信する場合は、主に、
商用・収益化利用
加工
Live2Dへの組み込み
の条件を確認します。
一方、完成したモデルを他人へ販売したり、依頼者へ納品したりする場合は、
第三者への提供
再配布
再販売
クライアントワーク
まで確認対象が広がります。
「収益化できる素材か」という質問でも、誰が完成モデルを使うのかによって確認項目が変わります。
複数の素材を使ったモデルは一番厳しい規約に引っかかることがある
VTuberモデルでは、一つの購入素材だけを使うとは限りません。
たとえば、
体は素材A
髪型は素材B
衣装は素材C
アクセサリーは素材D
ということがあります。
この場合、「素材Aが商用利用可だからモデル全体も商用利用可」とは判断できません。
それぞれの素材について確認します。
Aは収益化可。
Bは収益化可だがクレジット必須。
Cは個人利用だけ商用可。
Dは商用利用禁止。
という組み合わせなら、Dを使用した状態での収益化には問題が残ります。
複数素材を使っている場合は、モデル全体で一つの規約を見るのではなく、素材ごとに確認します。
クレジット表記が必要な素材もある
収益化自体は許可されていても、作者名の表示を条件としている素材があります。
たとえば、
動画概要欄へ作者名を書く
SNSプロフィールへ素材制作者名を載せる
指定された表記を使う
といった条件です。
逆に、クレジット不要としている素材もあります。
収益化可だけ確認して、クレジット条件を見落とさないようにします。
複数素材を使っている場合は、それぞれの表記条件を確認します。
グッズ販売までしたいなら配信収益化とは分けて考える
購入素材を使ったVTuberモデルで収益化配信できても、その姿を使ってグッズを販売できるとは限りません。
実際に、
配信での商用利用は可能
グッズ制作は禁止
というLive2Dモデルや素材があります。
逆に、立ち絵を使ったグッズ制作まで許可しているものもあります。
したがって、
YouTube広告
投げ銭
メンバーシップ
などによる収益化と、
アクリルスタンド
缶バッジ
Tシャツ
ステッカー
などの商品販売は分けて確認します。
「VTuber活動で商用利用可」だけでは、グッズ販売まで含むとは限りません。
既製のLive2Dモデルを買った場合も同じ考え方
パーツ素材ではなく、完成済みの汎用Live2Dモデルを購入して活動する場合もあります。
この場合も「モデルを買った=自由に使える」ではありません。
実際の汎用モデルには、
配信やSNSでの利用可
収益化可
モデルデータの譲渡・共有・再販売は禁止
グッズ販売は禁止
という条件を設定しているものがあります。
また別のモデルでは、商用配信は認めながら物販やモデル改変を禁止しています。
完成モデルでも、購入者が受け取るのは利用規約に従って使用できる権利であり、購入によって著作権まで移るとは限りません。
Live2Dやnizima側の素材も個別条件を見る
Live2Dやnizima LIVEに用意されているモデル・アイテムを使う場合も、すべて同じ条件ではありません。
nizima LIVEでは、利用しているプランによってサンプルモデルやアイテムの商用利用範囲が異なる場合があります。
さらに、一部のアイテムには個別の利用条件があり、その個別条件が優先されます。
他社キャラクターなどが関係する素材では、Live2D側の条件だけでなく、そのキャラクターを管理している権利者側の規約も適用される場合があります。
「Live2Dに入っていた素材だから自由」という判断はしない方がよいでしょう。
購入後に利用規約が見つからなくなる場合に備える
デジタル素材は、販売終了やショップ閉鎖、利用規約の変更が起こることがあります。
長期間VTuberとして活動するなら、購入時点で、
商品ページ
利用規約
購入日
商品名
制作者名
を後から確認できるようにしておくと整理しやすくなります。
特に、将来グッズ化したり別のモデラーへ修正を依頼したりする可能性がある場合は、当時どの条件で購入した素材だったのか確認できる資料が重要になります。
ただし、規約に「最新の利用規約を適用する」と書かれている商品もあるため、保存した古い規約だけで将来の利用を断定せず、現在の条件も確認します。
規約に「商用利用可」しか書かれていないときは用途を伝えて確認する
一番判断に困るのは、
「商用利用OK」
とだけ書かれていて、詳しい説明がない場合です。
この場合は、制作者へ実際の利用方法を伝えて確認します。
たとえば自分用なら、
「この衣装素材を自分のLive2Dモデルへ組み込み、YouTubeの収益化配信で使用したいです」
と伝えます。
依頼制作なら、
「購入したPSDをLive2Dモデラーへ渡して加工・モデリングしてもらい、完成したモデルデータを自分が受け取って収益化配信に使用したいです」
まで伝えます。
モデラー側なら、
「この素材をクライアントのLive2Dモデルへ組み込み、完成モデルをクライアントへ納品してよいですか」
と確認します。
単に「商用利用できますか」と聞くより、判断が明確になります。
購入素材は4つの条件で確認すると判断しやすい
購入素材を使ったVTuberモデルを収益化できるかは、次の4つに分けると判断しやすくなります。
まず、その素材を収益化した配信・VTuber活動に使えるか。
次に、素材を加工してLive2Dモデルへ組み込めるか。
第三に、制作を依頼する場合、PSDやPNGなどの素材データをモデラーへ渡せるか。
最後に、素材を組み込んだ完成モデルを別の人へ納品・販売できるかです。
自分だけが使うモデルなら最初の2点で済む場合があります。
モデラーへの依頼やモデル販売が入ると、第三者へのデータ共有・再配布・納品条件まで確認する必要があります。
そして、素材が複数あるなら一つずつ確認します。
「購入したから使える」「商用利用可だから全部できる」と考えず、何をする許可なのかを見ることが、購入素材を使ったVTuberモデルで収益化するときの重要な境界です。
著作権法は全国共通なので、この基本的な考え方に都道府県ごとの違いはありません。個々の素材については、その制作者が定めた利用規約や契約条件によって扱いが変わります。
出典
文化庁|誰でもできる著作権契約マニュアル 第1章1(2)
文化庁|誰でもできる著作権契約マニュアル 第2章4(2)
e-Gov法令検索|著作権法
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株式会社Live2D|nizima LIVEソフトウェア使用許諾契約書
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