VTuberモデルを依頼すると、完成したモデルが制作者のSNSやポートフォリオ、サンプル動画などで「制作実績」として紹介されることがあります。
公開されたくない場合、実績非公開に対応する制作者もいます。ただし、無料とは限らず、追加料金が設定されているケースもあります。
ここで最初に確認したいのは、本当に「永久に一切公開されたくない」のかです。
「デビューまでは秘密にしたい」「モデルの掲載はよいが活動名は出してほしくない」だけなら、完全な実績非公開とは別の対応ができる場合があります。
「完全非公開」と「お披露目まで非公開」は別
VTuberモデルで最も間違えやすいのが、この違いです。
たとえば、まだデビュー前で、
「新しいモデルを初配信で初めて見せたい」
という理由だけなら、必要なのは永久非公開ではなく、公開日の調整です。
実際のLive2D制作サービスには、完全な実績非公開は有料でも、「○月○日のお披露目までは公開しないでほしい」という希望なら無料で対応する例があります。
また、依頼者がモデルを公開した後に、制作者も実績として公開するというルールを設けている制作者もいます。
一方で、「納品から3か月」「納品から6か月」など一定期間が過ぎると、依頼者がまだモデルを公開していなくても実績公開する規約もあります。
したがって、
「普通はデビューまで待ってくれるだろう」
とは考えず、公開予定日を伝えておく必要があります。
自分が必要なのはどの非公開かを決める
「実績公開されたくない」と思ったら、まず希望を分けます。
| 希望 | 確認する内容 |
|---|---|
| デビュー前だけ見せたくない | ○月○日まで公開を待ってもらえるか |
| 永久にモデルを載せてほしくない | 完全な実績非公開が可能か |
| 活動名を知られたくない | 匿名で掲載できるか |
| SNSには載せてほしくない | ポートフォリオだけなら掲載可能か |
| 動画には使ってほしくない | 静止画だけの実績掲載にできるか |
| 制作途中も見せてほしくない | 制作配信・途中経過の公開も禁止できるか |
この中で必要なのが「永久にどの媒体にも掲載しない」であれば、実績非公開オプションを確認します。
逆に、デビューまで待ってもらえば問題ないなら、完全非公開料金を払わずに済む可能性があります。
実績非公開は追加料金になることがある
VTuberモデル制作では、実績非公開を有料オプションにしている制作者が複数います。
料金の決め方も統一されていません。
一定額を追加する制作者もいれば、制作料金に応じて金額が変わる制作者もいます。企業・事務所と個人で非公開料金を分けているケースもあります。
そのため、「実績非公開はいくらが相場」と考えるより、モデル本体の見積もりと一緒に確認します。
実績は、制作者が次の依頼を受けるためのポートフォリオにもなります。
そのため、掲載できなくなることを別料金として設定している制作者がいると考えると分かりやすいでしょう。
「匿名公開」で解決できる場合もある
モデルそのものを見せたくないわけではなく、
「このモデルが自分のVTuberアカウントだと知られたくない」
という場合もあります。
この場合は完全非公開以外の選択肢があります。
実際に、モデルを実績として掲載するとき、活動名や個人情報を掲載しない「匿名」での公開なら、実績非公開料金なしで対応するとしている制作者もいます。
たとえば、
「制作モデルの画像は掲載してよいが、VTuber名を書かない」
「自分のXやYouTubeへリンクしない」
「依頼者名を非公開にする」
という方法です。
匿名対応ができるかどうかは制作者次第ですが、「身元との結び付きを避けたい」だけなら確認する価値があります。
SNSだけ止めてポートフォリオ掲載を許可する方法もある
「実績公開」と書かれていても、公開場所は一つではありません。
制作者自身のWebサイト、XなどのSNS、依頼サイトのポートフォリオ、YouTubeのモデル紹介動画などがあります。
さらに、制作過程を配信したり、モデル制作の解説例として使用したりする場合もあります。
そのため、
「実績公開NG」
だけでなく、何を止めたいのか具体的に決めておくと話が早くなります。
たとえば、
「Webサイトのポートフォリオ掲載は問題ありませんが、Xでの紹介はしないでください」
という条件を相談できる可能性があります。
逆に、どの媒体にも出されたくない場合は、
「SNS・Webサイト・ポートフォリオ・動画・サンプルへの掲載をすべて不可にしたい」
と確認します。
制作途中の画像や配信も非公開にしたいなら別に伝える
完成後の実績公開だけ止めれば十分とは限りません。
制作者によっては、依頼者の許可を得たうえで制作過程を配信したり、制作ポイントを紹介したりすることがあります。
デビュー前のキャラクターデザインを秘密にしたい場合は、完成モデルだけではなく、
ラフ
パーツ分け前のイラスト
モデリング途中の画面
トラッキング確認動画
なども公開されたくないはずです。
この場合は、「完成後の実績公開だけでなく、制作中の画像・動画・配信も公開不可」と最初に伝えます。
お披露目日が未定なら「公開してよい日」を決めておく
「デビューしたら公開してよい」という約束でも、デビュー時期が延期されることがあります。
ここで問題になるのが、制作者側に「納品後○か月たったら公開する」というルールがある場合です。
実際に、納品後3か月や6か月を区切りとしている制作サービスがあります。
したがって、デビュー日がまだ決まっていないなら、
「お披露目まで非公開」
だけで終わらせず、
「予定が延期された場合は、公開前に一度連絡してほしい」
など、延期時の扱いも確認しておくと分かりやすくなります。
長期間公開予定が決まらない可能性があるなら、公開時期延期ではなく完全非公開を選ぶ必要がないかも確認します。
依頼前に「実績公開の可否」を確認する
実績公開について確認する一番よいタイミングは、依頼する前です。
実際の制作サービスでも、
「見積もり時に伝えてください」
「事前にお問い合わせください」
「依頼前に非公開希望を伝えてください」
とする例があります。
見積もりを受け取ったら、
実績として公開されるか
公開される場所
公開される時期
完全非公開が可能か
追加料金はいくらか
を確認します。
公開条件まで含めた金額で比較すれば、「依頼後になって非公開料金が必要だと分かった」という状況を避けやすくなります。
すでに依頼した後で非公開にしたくなった場合
すでに制作を依頼しているなら、まず依頼時の利用規約、商品ページ、見積書、メッセージを確認します。
「制作物は実績として公開します」
「実績非公開は有料オプションです」
と最初から示されていた場合、後から無料で非公開へ変更できるとは限りません。
まだ公開されていないなら、できるだけ早く制作者へ相談します。
「実績として一切公開しないでほしい」のか、「デビュー日まで待ってほしい」のかを分けて伝えます。
後者なら、完全非公開とは別の対応をしてもらえる可能性があります。
すでに実績公開されている場合は削除できる?
すでに制作者のSNSやポートフォリオへ掲載されている場合、後から必ず削除してもらえるというVTuber共通のルールはありません。
今回確認した制作サービスでも、実績非公開について「事前に申し出る」条件を設けている例が複数あります。
そのため、公開後になってから「やっぱり載せないでほしい」と考えた場合は、まず依頼時に合意した条件を確認し、制作者へ削除を相談します。
削除に応じてもらえるか、料金が必要かは個別の契約・規約によります。
最初から将来も掲載されたくないと分かっているなら、公開された後の削除を前提にせず、依頼時点で完全非公開について合意しておく方が確実です。
お金を払って作ってもらえば公開を止められるとは限らない
VTuberモデルを自分のお金で依頼したとしても、それだけで制作者が実績公開できなくなるとは限りません。
著作物には、作者が未公表作品をいつ、どのような方法で公表するかを決める「公表権」があります。
一方、依頼者と制作者の間で、
「○月○日まで公開しない」
「ポートフォリオへ掲載しない」
「SNSには投稿しない」
といった条件を合意しておくこともできます。
文化庁も、作品の掲載方法・時期・媒体などを制限したい場合には、契約段階で協議して合意しておくことを案内しています。
VTuberモデルでも、「お金を払った側だから止められる」「作者だから自由に公開できる」と一方だけで考えず、依頼時の契約・利用規約を確認することが重要です。
著作権譲渡と実績非公開は同じではない
「著作権を買い取れば実績公開もされない」と考えるかもしれません。
しかし、著作権譲渡と実績公開の可否は、同じ条件とは限りません。
実際の制作サービスでも、著作権譲渡と実績非公開を別のオプションとして扱う例があります。
そのため、著作権を譲渡してもらう契約でも、
「制作実績として使用できる」
という条件が残っていないか確認します。
反対に、著作権を制作者が持ったままでも、契約によって実績非公開としてもらうことはあります。
自分が確認したいのが「著作権を持つこと」なのか「他人にモデルを見せられないこと」なのかを分けます。
非公開にしたいときは「実績公開NG」だけで終わらせない
依頼するときは、希望を具体的に伝えます。
たとえば次のように確認できます。
「今回制作していただくVTuberモデルについて、実績公開の条件を確認したいです。モデルお披露目予定日の○月○日までは、SNS・Webサイト・ポートフォリオ・動画・制作配信を含め非公開にしていただくことは可能でしょうか。お披露目後の実績掲載は問題ありません。」
永久非公開にしたいなら、最後を次のように変えます。
「お披露目後も含め、SNS・Webサイト・ポートフォリオ・サンプル動画等への実績掲載を行わない条件を希望しています。対応可能か、追加料金がある場合は金額も教えてください。」
匿名なら問題ない場合は、
「モデル自体の実績掲載は問題ありませんが、活動名・SNSアカウント・YouTubeチャンネルなど、私と結び付く情報は掲載しない形にできますか。」
と伝えます。
「非公開希望です」の一言より、どこまで公開してよいのかが明確になります。
VTuberモデルを実績公開されたくないなら依頼前に公開範囲を決める
VTuberモデルは、制作者の制作実績としてSNSやポートフォリオへ掲載されることがあります。
完全に公開されたくない場合は、実績非公開に対応しているかを依頼前に確認します。
ただし、必要なのがデビューまでの秘密保持だけなら、完全非公開ではなく公開日の延期で対応できる場合があります。
活動名との結び付きを避けたいだけなら、匿名掲載という方法もあります。
確認するのは、
「実績公開されるか」
だけではありません。
「いつから公開されるのか」
「どこに公開されるのか」
「活動名やアカウントも掲載されるのか」
「制作途中も公開されるのか」
「永久非公開には追加料金が必要か」
まで確認します。
この条件を見積もり段階で決めておけば、モデル完成後に「自分より先に制作者が公開してしまった」「永久非公開にするには追加料金が必要だった」という行き違いを防ぎやすくなります。