後から修正できるVTuberモデル制作者はどう選ぶ?|元データと対応範囲

VTuberモデルの制作者を選ぶときは、完成時の見た目や料金だけでなく、「完成したあとにどう直せるか」も確認しておきたいところです。

VTuberモデルは、活動を始めてから変更したくなることがあります。

口の動きを直したい。

髪の揺れを調整したい。

表情を追加したい。

新しい衣装を作りたい。

髪型を増やしたい。

別のモデラーに作り直してもらいたい。

こうした変更ができるかは、「アフターサポートあり」と書かれているだけでは判断できません。

確認したいのは、

元の制作者へ後から頼める範囲。

編集用の元データを誰が持つのか。

別の制作者による修正を認めているか。

です。

特に長く同じモデルを使うつもりなら、納品直後の無料修正だけでなく、数年後まで考えて選びます。

「後から修正できる」には2つの意味がある

最初に分けておきたいのが、誰が修正するのかです。

1つ目は、モデルを作った本人へ再び依頼する方法です。

2つ目は、別のモデラーへ修正を依頼する方法です。

この2つでは必要な条件が違います。

元制作者なら、自分が作ったモデルの編集データを持っていることがあります。

そのため依頼者自身が元データを持っていなくても、本人へ頼めば修正できる場合があります。

しかし、別の人へ引き継ぐ場合は、その人が編集できるデータを受け取れる必要があります。

「後から直せますか」と聞くときは、どちらの意味なのかを分けます。

納品後14日や1か月の無料修正は「将来の変更」とは違う

制作者によっては、

納品後14日まで。

納品後1か月まで。

規定回数まで。

など、無料修正期間を設定しています。

これは重要ですが、主に納品直後の調整です。

たとえば、

口が思ったより開かない。

髪が揺れすぎる。

顔の追従を調整したい。

設定したら一部に不具合があった。

という問題を直すための期間です。

1年後に新しい表情を増やす。

半年後に新衣装を追加する。

別のモデラーへ大きな改修を頼む。

といった話とは分けて考えます。

制作者選びでは「無料修正○回」だけを見ず、その期間が終わった後も有料で依頼できるのか確認します。

まず「納品後に何を追加できるか」を確認する

長く活動するなら、次のような変更を後から頼めるか確認します。

表情追加。

髪型追加。

アクセサリー追加。

衣装追加。

髪や服の揺れ調整。

顔の可動範囲調整。

口の動き調整。

新しいポーズや動作の追加。

すべて対応する制作者もいれば、モデリング調整だけ受ける人もいます。

反対に、納品後の追加依頼自体をほとんど受けていない場合もあります。

「アフターサポートあり」だけではなく、

「半年後に新衣装を頼めますか」

「表情だけ追加する依頼もできますか」

と、実際に想定している変更を聞く方が確実です。

「修正」と「追加制作」を分けて確認する

依頼者から見ると全部「修正」でも、制作者側では扱いが違う場合があります。

たとえば、

髪が身体を突き抜ける不具合を直す。

口の開き方を少し調整する。

これは修正です。

一方、

猫耳を追加する。

新しい服を作る。

横顔まで大きく向けるようにする。

新しい手振り動作を作る。

となれば追加制作になることがあります。

納品後の修正無料と書いてあっても、新しい機能まで無料で増やせるとは限りません。

どこから追加料金になるかも確認します。

「元データあり」と「配信用データあり」は違う

Live2Dモデルには、配信で使うデータとは別に、制作・編集するときに使うデータがあります。

初心者が特に知っておきたいのが、

cmo3。

moc3。

という二つです。

cmo3は、Live2D Cubismという制作ソフトでモデルを編集するためのデータです。

moc3は、完成したモデルを配信ソフトなどで動かすために書き出したデータです。

名前が似ていますが役割が違います。

そのため、

「Live2Dモデル一式を納品します」

と書いてあっても、編集用のcmo3が含まれているとは限りません。

別のモデラーへ引き継ぐならcmo3が重要になる

元のモデラーへずっと頼めるなら、その人が編集用データを保管しているだけでも対応できる場合があります。

しかし、

別のモデラーへ変更したい。

元制作者が活動をやめた。

連絡が取れなくなった。

企業所属になり制作体制を変える。

という場合があります。

このとき、編集用のcmo3が手元にあるかどうかで状況が変わります。

実際に他のモデラーが制作したモデルの修正を受けているサービスでも、編集可能なcmo3の提出を条件としている例があります。

将来ほかの人へ引き継げる状態を残したいなら、

「cmo3は納品されますか」

と契約前に確認します。

cmo3は標準納品とは限らない

ここも注意したいところです。

制作者によってはcmo3を標準では渡さず、追加料金のオプションとしている場合があります。

これは珍しい話ではありません。

編集用データには、その制作者が作ったモデルの構造や設定がそのまま入っています。

そのため、完成した配信用データだけを納品する方針の人もいます。

「編集用データを渡さない制作者は避けるべき」と単純には言えません。

元制作者へ長く頼むつもりなら、それでも困らない可能性があります。

重要なのは、自分がどちらを望んでいるかです。

「本人へ頼み続ける」ならcmo3がなくても成立する

たとえば、

この制作者の作風が好き。

新衣装も同じ人へ頼みたい。

追加依頼も継続して受けている。

元データも長期間保管してくれる。

という条件なら、編集用データを自分で持たない選択もあります。

その分、最初の料金を抑えられる場合もあります。

ただし確認したいのは、

制作データをどのくらい保管するのか。

数年後でも追加依頼を受けるのか。

データを失った場合はどうなるのか。

です。

「元データはこちらで保管します」と言われたら、保管期間まで聞いておくと判断しやすくなります。

「将来誰にでも頼みたい」なら元データまで考える

反対に、

活動を長期間続けたい。

将来企業へ入る可能性がある。

モデラーを変更する可能性がある。

制作者の活動終了に備えたい。

という人は、引き継ぎやすさを重視します。

この場合は、

編集用cmo3を受け取れるか。

原画のPSDを受け取れるか。

第三者による修正を認めているか。

を確認します。

単に「商用利用可」だけを見ても分かりません。

配信で使ってよいことと、別の制作者がモデルデータを変更してよいことは別の条件だからです。

イラストまで直すならPSDも確認する

Live2Dモデルの修正は、モデリングだけで済むとは限りません。

たとえば、

髪飾りの形を変える。

袖を追加する。

新しい服を作る。

隠れていた身体を描き足す。

髪型を変える。

場合は、イラスト側の修正も必要になります。

そのときに関係するのがPSDです。

PSDは、髪・目・服などをレイヤーに分けて保存できる画像データです。

Live2D公式でも、PSDを再読み込みすることで既存パーツの修正や新規パーツの追加ができます。

将来イラストまで大きく変更したいなら、

パーツ分け済みPSDを受け取れるのか。

イラストレーターが保管するのか。

第三者へ渡してよいのか。

も確認します。

cmo3があっても自由に別の人へ頼めるとは限らない

ここが重要です。

編集用データを受け取っていれば、技術的に編集できる状態になります。

しかし、それだけで第三者が自由に改変してよいとは限りません。

制作時の利用規約や契約で、

第三者改変不可。

本人以外のモデラーによる編集禁止。

再配布禁止。

といった条件が設定されている場合があります。

実際、他の人が制作したモデルを修正するサービスでも、元モデラーの改変許可を求める例があります。

そのため契約前に、

「将来、別のモデラーへ修正や新衣装の組み込みを依頼してもよいですか」

と確認します。

イラスト側の改変条件も別に確認する

モデルの中には、

イラストレーター。

Live2Dモデラー。

の二人が関わっている場合があります。

モデラーが第三者編集を許可していても、元イラストレーター側の条件も確認が必要です。

たとえば、

色を変更する。

衣装を描き替える。

髪を切る。

他のイラストレーターが描き足す。

といった変更です。

「モデリングの改変可」と「イラストの改変可」を一つにしない方がよいでしょう。

将来別の人へ引き継ぐ可能性があるなら、イラストとモデリングの両方について確認します。

「著作権譲渡あり」だけでも判断できない

著作権譲渡という言葉を見ることもあります。

しかし、依頼者が確認したいのは言葉そのものではなく、自分が予定している変更をできるかです。

たとえば、

別のモデラーが編集する。

新しいイラストレーターが衣装を描く。

色を変更する。

新しいパーツを追加する。

といったことが認められているかです。

契約条件は制作者によって違います。

「著作権譲渡だから何をしてもよい」と自己判断せず、改変・第三者編集について具体的に確認した方が安全です。

元制作者のアフターサポートは「期間」と「内容」を分けて見る

アフターサポートありと書かれていたら、次を見ます。

いつまで対応するのか。

何回まで無料なのか。

何が無料なのか。

期間後も有料なら頼めるのか。

不具合だけか、好みによる調整も含むのか。

新衣装などの追加依頼も受けるのか。

たとえば、

「納品後1か月は修正無料」

と、

「納品後も追加依頼を継続受付」

は意味が違います。

長く使うなら後者も確認します。

不具合修正と「好みに合わせた再調整」は分ける

モデルを実際に使ってから、

口が思ったより開かない。

身体が動きすぎる。

髪をもう少し重く揺らしたい。

と感じることがあります。

これを無料修正に含める制作者もいれば、有料調整とする制作者もいます。

一方、

モデルが正常に動かない。

パーツが不自然に欠ける。

設定ミスがある。

といった明確な不具合は別扱いにする場合があります。

依頼前に、

「実際に配信で使ってから気付いた動きの微調整は対応できますか」

と聞けば、納品後の流れをイメージしやすくなります。

新衣装を増やすつもりなら追加制作の実績を見る

将来新衣装を増やしたいなら、最初から新衣装対応の実績がある制作者を選ぶ方法があります。

見るのは、

衣装差分を追加しているか。

髪型差分を追加しているか。

既存モデルへ新パーツを組み込んでいるか。

です。

新衣装は、単に服の画像を交換するだけではありません。

袖や腕の作りが変わったり、新しい揺れ物が増えたりすることがあります。

追加制作まで同じ人へ頼みたいなら、「モデルを作る技術」だけでなく「モデルを後から育てる仕事」も受けているかを確認します。

他人のモデルを修正した実績がある人は引き継ぎ先候補になる

将来別モデラーへ変更する可能性を考えるなら、「他の人が作ったLive2Dモデルの修正」に対応する制作者がいることも知っておくとよいでしょう。

ただし、誰でもどんなモデルでも修正できるわけではありません。

編集用データが必要。

元制作者の改変許可が必要。

原画データが必要。

といった条件が付くことがあります。

だからこそ、最初のモデル制作時に引き継ぎ条件を確認しておく意味があります。

編集用データをもらったら自分でも保管する

cmo3やPSDを受け取れる契約なら、納品されたら自分でも保管します。

PCの中だけに置くのではなく、別の保存先にもバックアップしておいた方がよいでしょう。

何年か活動したあとに、

新衣装を作りたい。

モデラーを変更したい。

というとき、元データが見つからなければ選択肢が減ります。

制作者が保管してくれるとしても、自分に納品されたデータは自分でも管理します。

ファイル名だけでなく「何に使うデータか」を聞いてよい

初心者なら、

cmo3。

moc3。

model3.json。

PSD。

などと言われても違いが分からなくて当然です。

契約前に、

「この納品物の中に、後からLive2Dを編集できるデータは含まれていますか」

と聞けば構いません。

ファイル名を暗記する必要はありません。

大切なのは、

配信するためだけのデータなのか。

編集までできるデータなのか。

を区別することです。

「cmo3納品あり」だけで制作者を決めない

ここまで読むと、「cmo3をくれる人が一番よい」と思うかもしれません。

しかし、それも一律ではありません。

たとえば、

作品が自分の好みに合わない。

追加依頼をほとんど受けていない。

イラスト側の元データがない。

第三者改変は禁止。

という場合があります。

逆にcmo3を標準納品しなくても、

長期的に追加制作を受けている。

新衣装・表情・調整の実績が多い。

必要になれば編集用データを別途購入できる。

という制作者もいます。

データだけでなく、将来の運用方法とセットで判断します。

長く同じ人へ頼みたいなら「追加料金表」があると判断しやすい

後からモデルを育てたい人は、追加制作の料金が公開されているかも見ます。

たとえば、

表情追加。

髪型差分。

装飾追加。

新衣装。

新しい動作。

などです。

将来の総額を正確に予測することはできません。

ただ、追加メニューが用意されていれば、「納品したら関係終了」ではなく、継続してモデルを更新する仕事も想定していることが分かります。

料金が公開されていなければ、見積もり時に「後から新衣装を追加する場合も依頼できますか」と聞きます。

「連絡が取れなくなった場合」を一度考える

制作者選びでは考えにくいことですが、個人クリエイターへ長期的に依存する場合は一度考えておきたいところです。

今は活動していても、

数年後に依頼受付を終了する。

別の仕事へ移る。

連絡先が変わる。

ことはあり得ます。

そのとき、

自分がcmo3・PSDを持っている。

第三者改変が認められている。

なら、別の制作者へ相談する余地があります。

反対に、

元データは制作者だけが持つ。

第三者改変不可。

となっていれば、元制作者へ頼めなくなった時点で大きな変更が難しくなる可能性があります。

長期活動を前提にする人ほど、ここを確認する意味があります。

初めてで予算を抑えたいなら「本人修正型」でもよい

一方、VTuberを始める段階で、編集用データまで取得するため予算を増やす必要があるとは限りません。

まず活動できればよい。

将来モデルを作り直してもよい。

同じ制作者へ追加依頼できれば十分。

という人なら、元制作者によるアフターサポートを重視する方法もあります。

この場合は、

納品後の調整期間。

有料での追加修正。

新衣装対応。

元データの保管。

を確認します。

将来の自由度を買うのか、最初の費用を抑えるのか。

ここも自分の活動予定によって変わります。

長期活動するなら「引き継ぎ型」を検討する

反対に、

同じモデルを何年も使いたい。

衣装を増やしたい。

企業活動にも使う可能性がある。

制作チームを変更する可能性がある。

という人なら、引き継ぎやすさを重視します。

この場合は、

編集可能なモデルデータ。

パーツ分け原画。

第三者修正の許可。

追加制作時の条件。

を契約前に確認します。

初期費用だけを比較するのではなく、モデルを長期間運用するための条件として考えます。

制作者へはこの5点を聞けば判断しやすい

依頼前に、難しい専門用語を使う必要はありません。

次のように聞けば十分です。

「長く同じモデルを使う予定なので、納品後の修正について確認したいです。

  1. 納品後、動きの調整や表情・衣装追加を再依頼できますか。
  2. 無料修正期間終了後も有料で対応してもらえますか。
  3. 後からモデルを編集できる元データは納品されますか。別料金の場合はいくらですか。
  4. 将来、別のモデラーへ修正を依頼することは可能ですか。
  5. イラスト側のPSDや第三者による描き足しについて、どのような条件がありますか。」

この回答があれば、

本人へ頼み続けるモデルなのか。

他の人へ引き継げるモデルなのか。

が見えてきます。

自分の場合は「3段階」で選ぶ

制作者を比較するときは、次の3段階で考えると分かりやすくなります。

将来の考え方確認したい条件
納品直後だけ調整できればよい無料修正期間・回数
将来も同じ人へ頼みたい有料追加対応・新衣装・表情・データ保管
将来別の人にも頼めるようにしたいcmo3・PSD・第三者改変条件

「アフターサポートあり」という1項目だけで選ばないのがポイントです。

最後に見るのは「今直せるか」ではなく「誰が将来直せるか」

後から修正できるVTuberモデル制作者を選ぶとき、最初に目が行きやすいのは、

修正無制限。

納品後1か月無料。

アフターサポートあり。

といった条件です。

もちろん、それも重要です。

しかし長く使うモデルなら、もう一段先まで確認します。

元制作者が今後も追加制作を受けるのか。

編集用モデルデータは誰が持つのか。

原画PSDは残るのか。

別の制作者へ渡せるのか。

第三者による改変を認めているのか。

ここまで確認して初めて、「後から直せるモデルか」が分かります。

最初から誰にでも引き継げる状態が必要な人もいれば、好きな制作者へずっと頼めれば十分な人もいます。

大切なのは、どちらなのかを依頼前に決めることです。

無料修正期間ではなく、モデルを将来誰が編集できる状態になるのか。

この視点で制作者を選ぶと、活動を続けたあとに「元データがないから直せない」「別の人へ頼めない」と気付く可能性を減らせます。

出典

Live2D|ファイルの種類と拡張子

Live2D|プロジェクトパレット

Live2D|PSDの再インポート

nizima by Live2D|nizimaに投稿できる作品の種類

Live2D公式|VTuberになりたい!nizimaでモデルを選ぶ際の3つのチェックポイント

文化庁|イラストの作成に関する著作権契約書式

文化庁|誰でもできる著作権契約マニュアル・著作者人格権

こん太 Live2D Studio|料金・編集用データ・修正対応

TOTORI Live2D|FAQ・他モデラー制作モデルの修正

SKIMA|Live2Dモデリング・納品後アフターサポート