Live2Dの作品例と同じように動かしてもらえる?|依頼前の確認

Live2Dモデラーの作品例を見て、「自分のモデルもこのくらい動かしたい」と思うことがあります。

その作品を作った本人へ依頼すれば、近い方向のモデリングを相談できます。

ただし、作品例を見せて「これと同じようにお願いします」と伝えるだけでは、同じ動きになるとは限りません。

元のイラスト、パーツ分け、依頼するプラン、欲しい動き、配信で使う追跡方法によって結果が変わるからです。

作品例は完成形を丸ごと指定するものではなく、「この動きが欲しい」と伝える資料として使う方が適しています。

同じモデラーでも作品例と同じ可動域とは限らない

一番最初に確認したいところです。

モデラーの制作実績に、顔が大きく横へ向くモデルが掲載されていたとします。

同じ人へ依頼すれば、自分も当然そこまで動くとは限りません。

実際のLive2D制作サービスには、

通常可動域。

高可動域。

とプランを分けているものがあります。

高可動域は追加料金になる場合もあります。

モデラー自身の公式サイトでも、「掲載例は高可動時のもので、通常モデリングではここまで動かない」と説明している例があります。

そのため、作品例を見るときは「この人にできる技術」だけでなく、「自分が申し込むプランに含まれる動きか」を確認します。

「この作品みたいに」では、何が欲しいか伝わらない

作品例を気に入った理由を一度分解します。

例えば、

顔を横へ大きく向けられる。

上を向いたときに顎や首が自然。

髪がふわっと遅れて揺れる。

横髪が細かく動く。

体が顔の動きについてくる。

口が大きく開く。

笑ったときに目まで自然に変わる。

というようにします。

同じ動画でも、依頼者が欲しい部分は違います。

「このモデルと同じにしてください」ではなく、

「この動画の○秒付近の、顔を右へ向けたときの立体感が欲しいです」

と伝える方が具体的です。

作品例のURLだけでなく「どの動きか」を指定する

依頼時には参考動画のURLだけ送って終わらせない方がよいでしょう。

例えば、

「この作品の顔の左右の動きを参考にしたい」

「髪の揺れ方だけ、このモデルに近くしたい」

「顔の可動域はここまで必要ありませんが、口の動きは近づけたい」

と説明します。

一つの作品例から一部分だけ指定しても構いません。

反対に、

顔の動きは作品A。

髪の揺れは作品B。

口は作品C。

という伝え方もできます。

ただし、すべてを組み合わせられるとは限らないため、見積もり時に実現可能か確認してもらいます。

そのモデラー本人の作品例を使うと話が早い

依頼したいモデラー自身の制作実績に理想のモデルがあるなら、その作品を指定すると伝わりやすくなります。

実際のLive2Dモデリング依頼でも、

「当方の実績の中で理想的な動きがあるか」

を見積もり時に聞いている制作者がいます。

制作者側も、

どの程度の可動域か。

どの物理演算を使ったか。

どの程度細かくモデリングしたか。

を把握しているためです。

まず依頼予定のモデラーの実績を見て、近い動きを探す方法があります。

他のモデラーの作品を参考にする場合は「技術指定」ではなく希望として見せる

別のモデラーが作った作品を、

「これとまったく同じものを作ってください」

とするのではなく、

「このくらい横を向けるようにしたいです」

という参考にします。

モデラーによって、顔の作り方や揺れ方、立体感の出し方には違いがあります。

同じ可動域を希望しても、仕上がりの見え方まで完全に同じになるとは限りません。

そのモデラー自身の作風を確認したうえで、「目的の動きが可能か」を聞きます。

高可動域にしたいなら、モデリングだけでは決まらない

大きく動かすには、Live2D上の技術だけではなく原画も関係します。

Live2Dでは、イラストをそのまま一枚で動かすわけではありません。

目。

まつ毛。

瞳。

顔。

前髪。

横髪。

後ろ髪。

首。

服。

などを、動かすための部品として分けます。

さらに、顔や髪が動いたときに初めて見える部分は、元絵に描かれていなければ描き足します。

そのため、「作品例のように大きく横を向きたい」と思っても、原画がその動きに対応した構造になっていなければ、追加のパーツ分けや描き足しが必要になる場合があります。

「普通のLive2D用イラスト」と「高可動域用」で分け方が違う場合がある

実際のイラスト制作サービスでは、高可動域用のパーツ分けを通常とは別に扱う例があります。

顔を大きく向ける。

髪を細かく揺らす。

指まで動かす。

といったモデルでは、細かいパーツ分けが必要になる場合があります。

Live2D公式でも、素材分けを細かくするほどモデルの品質を高めやすいと説明しています。

これからイラストも依頼するなら、

「後で高可動域にしてください」

ではなく、最初からモデラーとイラストレーターへ希望する動きを伝えます。

持ち込みPSDなら、見積もり前にデータを見てもらう

すでにLive2D用イラストを持っている場合は、そのPSDで希望する動きが作れるか確認してもらいます。

例えば、

顔の横向き。

見上げ・見下げ。

髪の大きな揺れ。

腕の動き。

衣装の着脱。

などです。

不足パーツがあれば、

イラストレーターへ描き足しを依頼する。

モデラーが対応可能なら追加加工も頼む。

希望する可動域を変更する。

といった判断ができます。

完成してから「この原画ではその動きは難しい」と分かるより、見積もり段階で確認した方が進めやすくなります。

正面の立ち絵なら何でも同じ可動域になるわけではない

同じ正面向きのキャラクターでも構造は違います。

大きな髪飾りがある。

髪で顔の半分が隠れている。

長い前髪がある。

襟が高い。

首がほとんど見えない。

肩に大きな装飾がある。

といった違いがあります。

顔を大きく横へ向けたときに、これらのパーツが重なったり、今まで隠れていた場所が見えたりします。

そのため、別キャラクターの作品例と完全に同じ可動域を、そのまま自分のキャラクターへ移せるとは限りません。

斜め向きや特殊なポーズの原画は先に相談する

Live2D用立ち絵は正面に近い姿勢が多く使われます。

すでに斜めを向いたイラストや特殊なポーズがある場合、高可動域化に制限が出るケースがあります。

実際のパーツ分けサービスでも、斜め向きの立ち絵では高可動域モデリングが難しいと明記している例があります。

作品例のような大きな動きを希望するなら、イラストを描く前にモデラーへ相談する方法があります。

顔の「左右・上下・傾き」は別々の動き

Live2Dでは、顔の動きを一括して「顔が動く」と扱うわけではありません。

例えば、

左右を向く。

上・下を向く。

首を左右へ傾ける。

という動きがあります。

Live2Dでは一般に、これらを別の動きとして設定します。

そのため、

「顔をよく動かしたい」

だけでは希望が曖昧です。

「横向きを大きくしたい」

「上を向いたときの顎をしっかり出したい」

「首を傾げたときに髪も大きく揺らしたい」

と分けて伝えます。

「高可動域」という言葉だけでも内容は決まらない

高可動域という言葉はよく使われていますが、「ここまで動けば高可動域」という共通の商品仕様があるわけではありません。

Live2Dの標準パラメータでも、顔の左右方向は一般的な値よりさらに大きく設定すること自体ができます。

しかし実際にどこまで自然に見せられるかは、モデルによります。

そのため、

「高可動域プランだから安心」

だけで選ぶのではなく、実際の作品例を見て確認します。

特に自分が重要視する方向を見ます。

髪の「揺れ方」も作品によって違う

作品例で目立ちやすいのが髪の動きです。

頭を動かしたあとに遅れて揺れる。

毛先がふわっと動く。

横髪が別々に動く。

後ろ髪が大きく揺れる。

などがあります。

Live2Dでは、髪の前・横・後ろなどを別々の揺れとして作ることができます。

しかし元イラストの髪が細かく分かれているか、どの毛束を独立して動かすかによって見え方が変わります。

作品例の髪の動きが気に入ったなら、「髪をよく揺らしたい」だけではなく、どの部分の揺れが好きなのか伝えます。

動きの大きさだけでなく「自然さ」も見る

大きく動くモデルが、自分にとって必ず一番よいとは限りません。

作品例を見るときには、

動く範囲。

動いた途中の形。

正面へ戻るときの自然さ。

顔と体の連動。

髪や服が止まるまでの動き。

なども見ます。

顔を大きく横へ振れるモデルでも、自分が求めているのはもっと控えめで自然な動きかもしれません。

可動域の数値や大きさだけではなく、「この動き方が好き」と伝えることが重要です。

作品例の動画が、そのまま配信時の見え方とは限らない

ここも依頼前に確認したいところです。

完成したLive2Dモデルは、VTube Studioなどで自分の顔の動きを読み取って動かします。

VTube Studioでは、

顔を左右へ向く。

上下へ向く。

首を傾ける。

目を開閉する。

視線を動かす。

口を開ける。

笑う。

眉を動かす。

といった入力を、Live2Dモデル側の動きへ割り当てます。

つまり、Live2Dモデル側に広い可動域があっても、配信ソフト側でその範囲をどのように使うかによって実際の動き方が変わります。

VTube Studioの設定でも動き方は変えられる

VTube Studioでは、顔から取得した入力値に対して、Live2Dモデルをどの範囲まで動かすか設定できます。

さらに動きを滑らかにする設定もあります。

滑らかさを強くすると揺れにくくなりますが、反応には遅れが出ます。

つまり同じLive2Dモデルでも、設定によって、

よく動く。

控えめに動く。

素早く反応する。

ゆっくり滑らかに動く。

という違いが出ます。

納品されたモデルを初めて動かして「作品例と違う」と感じた場合、モデル自体ではなくVTube Studio側の設定が関係している場合もあります。

iPhoneとWebカメラでも条件は同じではない

依頼時に使用予定の追跡機器を聞くモデラーもいます。

VTube Studio公式では、iPhone・Webカメラ・Androidで利用できる顔追跡入力に違いがあります。

公式マニュアルでは追跡品質についても、iOS、Webカメラ、Androidで差があると案内されています。

例えば頬を膨らませる動きなど、利用できる入力が限られるものもあります。

作品例と同じモデルを作ってもらっても、その作品例と自分の使用機器が違えば、同じ反応にならない可能性があります。

作品例を見るときは「何で動かしているか」も確認する

理想の作品例を見つけたら、可能なら、

使用ソフト。

iPhoneかWebカメラか。

特殊な追跡機能を使っているか。

手動で切り替える表情や動きがあるか。

も確認します。

特に、

舌を出す。

頬を膨らませる。

手を動かす。

などは、通常の顔の左右・上下だけとは条件が違います。

動画で動いているものが、すべて顔を動かすだけで自動的に再現されるとは考えない方がよいでしょう。

「この動きは顔追跡で出ますか?」と聞く

作品例を見せるときに有効なのが、

「この動きは普通に顔を動かすと出ますか?」

という確認です。

例えば動画で腕を上げていても、

顔の動きに連動している。

キー操作で切り替えている。

別の入力を使っている。

という可能性があります。

依頼時に、自分がどの操作までできるのか確認しておけば、完成後に「勝手にこの動きになると思っていた」というずれを減らせます。

作品例と同じ「絵の立体感」にできるかも原画次第

顔を横へ向けたときの立体感は、モデリングだけではなくイラストのデザインとも関係します。

鼻。

輪郭。

前髪。

耳。

首。

服の襟。

などが動きに合わせて見え方を変えます。

実際に高可動モデルでは、通常より大きく顔を振ったときに鼻が輪郭より外へ見えるような表現もあります。

しかし、すべてのプラン・原画で同じ表現をするわけではありません。

作品例の「横を向いた感じ」が好きなら、「可動域」だけでなく、その立体表現まで希望として伝えます。

イラストとモデラーを別々に依頼するなら、先に動きを共有する

イラストレーターとモデラーが別の場合は、作品例をモデラーだけに見せるのでは遅い場合があります。

特に高可動域を希望するなら、

顔を大きく振り向く。

髪を細かく揺らす。

腕を動かす。

服を着脱する。

などをイラスト段階から伝えます。

モデラーへ先に相談し、

「この動きにはこのパーツが必要」

と確認してから、イラストレーターへパーツ分けを依頼する方法もあります。

実際のパーツ分けサービスでも、高可動域についてモデリング担当者との打ち合わせを求める例があります。

完成直前ではなく途中確認で見る

モデリング依頼では、制作途中に動きを確認できるサービスがあります。

その確認時に、

横向きが思っていたより小さい。

髪がもう少し柔らかく揺れてほしい。

体の追従を弱くしたい。

口をもう少し大きく開けたい。

などを伝えます。

ただし、修正できる回数・範囲は制作者によって違います。

完成後にモデル構造そのものを変える修正より、途中段階で方向を合わせた方が調整しやすくなります。

依頼前に、どの段階で動作確認できるのか確認します。

「同じように動く」の完成条件を依頼前に決める

ここまでの話をまとめると、作品例を一つ指定するだけでは完成条件として曖昧です。

例えば、

顔の横向きは作品Aくらい。

上向きは普通でよい。

髪は作品Bのように柔らかく揺らしたい。

体はあまり大きく動かしたくない。

口は「あいうえお」が分かる程度に動かしたい。

使用予定はVTube Studio+Webカメラ。

というところまで整理します。

これなら、モデラー側も、

現在の原画で可能。

パーツ追加が必要。

高可動域プランが必要。

その機器では同じ入力が取れない。

などを判断できます。

見積もり前に送る内容

作品例を参考に依頼するときは、次の内容を一緒に伝えます。

参考にしたい作品例。

その中で欲しい動き。

自分のパーツ分け済みPSD。

まだ原画がないならキャラクターデザイン。

上半身か全身か。

通常可動域か、高可動域を希望するか。

髪・服など特に揺らしたい部分。

表情・腕など追加したい動き。

使用する配信ソフト。

iPhone・Webカメラなど使用予定の追跡方法。

予算。

これを見せて、「この条件で作品例に近い動きが可能ですか」と聞きます。

結局、作品例と同じように動かしてもらえる?

作品例を作ったモデラー本人なら、その作品を参考にして近い方向のモデリングを相談できます。

しかし、同じ人へ頼めば自動的に同じ可動域・同じ揺れ・同じ立体感になるわけではありません。

通常プランと高可動域プランが違うことがあります。

元イラストのパーツ分けやデザインも違います。

VTube Studioなどで使用する追跡方法・設定も違います。

そのため依頼前には、

「この作品と同じにできますか」

ではなく、

「この作品の、この動きが欲しいです。自分の原画と使用環境で可能ですか」

と聞きます。

作品例は完成モデルをコピーするための見本ではなく、希望する動きを具体的に伝える資料です。

顔の横向き。

上向き。

体の連動。

髪・服の揺れ。

口や表情。

腕・手。

などへ分け、自分に必要な部分だけ指定します。

そして、原画のパーツ分けで対応できるか、高可動域など別プランが必要か、自分の追跡機器でその動きを出せるかまで確認してから依頼します。

それが、作品例を見て依頼したのに「思っていた動きと違った」を避ける確認方法です。

出典

Live2D|標準パラメータリスト

Live2D|素材分けについて

Live2D|Production Flow

VTube Studio|VTS Model Settings

VTube Studio|公式Wiki Home

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