Live2Dモデルは、イラストとモデリングを同じ人に頼むことも、別々の人に頼むこともできます。
初めて依頼するなら、キャラクターデザイン・パーツ分けイラスト・Live2Dモデリングまで一括で対応する人へ頼む方が、やり取りは簡単です。
ただし、「同じ人に頼んだ方が必ず良いモデルになる」というわけではありません。
好きなイラストレーターと、動きが好みのLive2Dモデラーが別にいるなら、別々に依頼しても問題ありません。
重要なのは、誰が作るかより順番です。
別々に頼む場合は、イラストを完成させてからモデラーを探すのではなく、できれば先にモデラーを決めます。
少なくとも清書へ進む前に、
どこまで顔を動かすか。
髪や服をどこまで揺らすか。
腕を動かすか。
表情を何種類作るか。
どのパーツを分ける必要があるか。
を確認しておきます。
この連携ができるなら、イラストとモデリングを別々に頼む方法も十分使えます。
Live2Dモデルはイラストとモデリングの2工程がある
Live2Dモデル制作では、最初に動かすためのイラストを作ります。
普通の一枚絵とは違い、
前髪。
後ろ髪。
目。
眉。
口。
顔。
首。
身体。
腕。
服。
装飾。
など、動かしたい部分を別々に描きます。
これがパーツ分けイラストです。
その後、Live2D Cubismという制作ソフトへパーツ分けしたイラストを読み込みます。
そこで、
顔を左右へ向ける。
目を閉じる。
口を動かす。
身体を傾ける。
髪を揺らす。
といった動きを作ります。
この後半がLive2Dモデリングです。
絵を作る工程と動きを作る工程は別なので、必ずしも同じ人が担当する必要はありません。
同じ人へ頼む一番の利点は「伝言がいらない」こと
キャラクターデザインからモデリングまで一人で担当する制作者もいます。
この方法の大きな利点は、イラストとモデリングの間で説明を引き継ぐ必要がないことです。
たとえば依頼者が、
「この長い髪を大きく揺らしたい」
と希望したとします。
一括制作なら、制作者自身が、
この毛束は独立させる。
ここは隠れた部分まで描く。
ここまで動くように作る。
と考えながら原画を準備できます。
モデリングを始めてから「この髪は分かれていないから動かせない」と気付く可能性を減らせます。
初めて依頼するなら一括制作は分かりやすい
Live2Dを初めて依頼する人は、
PSD。
パーツ分け。
可動域。
物理演算。
パラメータ。
といった言葉自体が分からないことがあります。
一括制作なら、「何パーツに分ければよいですか」と依頼者自身が判断する必要はありません。
たとえば、
ゲーム配信で上半身を使いたい。
髪はよく揺れてほしい。
顔はかなり左右へ向けたい。
笑顔と泣き顔を切り替えたい。
という完成後の希望を伝えます。
そこから制作者が、必要な原画とモデリングを逆算します。
特定のイラストレーターやモデラーへのこだわりがまだなく、制作工程もよく分からないなら、一括依頼は選びやすい方法です。
ただし同じ人だから両方とも自分好みとは限らない
一括制作にも確認したい点があります。
絵が非常に好みでも、モデルの動きまで好みとは限りません。
反対に、モデリングは非常に滑らかでも、キャラクターの絵柄が自分の好みと違う場合があります。
一括依頼を探すときは、静止画だけを見ない方がよいでしょう。
イラストの完成例。
実際に動いているモデル動画。
の両方を確認します。
「絵が好きだからこの人」ではなく、「この絵柄と、この動きの両方で活動したい」と思えるかを見ます。
別々に頼む最大の利点はそれぞれ好きな人を選べること
別々に依頼する場合は、
キャラクターデザインや絵柄はAさん。
Live2Dの動きはBさん。
という選び方ができます。
「このイラストレーターのキャラクターで活動したい」
「でもLive2Dは、このモデラーの顔の動きが好き」
という希望を両立できます。
VTuberのモデルでは、絵と動きの両方が見た目へ大きく影響します。
特に、
独特の絵柄。
横顔に近い高い可動域。
細かな髪の揺れ。
表情豊かなモデリング。
などへ強いこだわりがあるなら、別々に探す意味があります。
別々に頼むならモデラーを後回しにしない
別依頼で最も避けたいのは、
イラストレーターへ発注。
↓
パーツ分けPSD完成。
↓
納品。
↓
そこで初めてモデラー探し。
という進め方です。
Live2Dのパーツ分けは、「一般的な正解が一つある」作業ではありません。
どこまで動かすかによって必要な分け方が変わります。
たとえば前髪でも、ほとんど動かさないモデルと、何本もの毛束を細かく揺らすモデルでは作り方が変わります。
腕を固定するなら大きな一つのパーツで済む場合でも、自由に曲げたいなら細かく分ける必要があります。
先に完成後の動きを決め、それに合わせてイラストを用意する方が自然です。
理想は先にモデラーを決めてからイラストを頼むこと
別々に頼むなら、まず依頼したいモデラーを探します。
そして、
このイラストレーターへ依頼予定です。
どのようなパーツ分けが必要ですか。
このくらい顔を動かしたいです。
髪はどこまで分ければよいですか。
腕差分はこの仕様で足りますか。
と確認します。
その内容をイラストレーターへ伝えます。
制作者同士で直接相談してもらえるなら、さらに進めやすくなります。
依頼者自身がLive2Dの細かな構造を理解して、両者の間を翻訳する必要がなくなるからです。
モデラーがまだ決まらないなら「どこまで動かしたいか」を先に決める
どうしても好きなイラストレーターの受付期間が先に来て、モデラーを決められない場合もあります。
このときも、「とりあえず一般的にパーツ分けしてください」だけで進めない方がよいでしょう。
少なくとも、
顔を大きく左右へ向けたいか。
身体をひねりたいか。
髪を細かく揺らしたいか。
腕を動かしたいか。
衣装を切り替えたいか。
表情差分を何種類使いたいか。
を決めます。
イラストレーターへ、「後でこの動きを付ける予定」と伝えておけば、それを前提にパーツを作ってもらえます。
パーツ数ではなく「欲しい動き」を伝える
初めての人が、
「100パーツにしてください」
「髪は10パーツ必要ですか」
と指定する必要はありません。
必要なパーツ数は、キャラクターデザインやモデリング方法によって変わります。
依頼者が決めるべきなのは、
髪を大きく揺らしたい。
横顔近くまで向きたい。
手を振りたい。
上着を脱着したい。
猫耳を動かしたい。
という完成後の動きです。
その希望から、イラストレーターとモデラーが必要なパーツを判断します。
イラスト完成後に不足が見つかると誰が直すか問題になる
別々に依頼すると、モデラーへPSDを渡した段階で、
髪の後ろ側が描かれていない。
首の描き足しが足りない。
目のパーツがまとまっている。
服の装飾を別にしてほしい。
という不足が見つかることがあります。
ここで問題になるのが、「誰が直すか」です。
元のイラストレーターが修正してくれるなら戻して直します。
しかし、
納品後は修正期間終了。
追加修正は有料。
モデラーによる原画修正は禁止。
という契約なら、その場で作業が止まる場合があります。
別々に頼むなら、イラスト発注時に「モデラー確認後にパーツ不足が見つかった場合の修正」まで確認しておくと安心です。
別のモデラーがPSDを修正してよいかも確認する
技術的には、モデラー自身が原画へ多少の描き足しをするケースもあります。
しかし、元イラストの利用条件によっては、別の人が自由に絵を変更できるとは限りません。
そのため、
モデラーへPSDを渡してよいか。
モデラーがパーツ分けを追加してよいか。
不足部分を描き足してよいか。
までイラストレーターとの契約で確認します。
「Live2D用に描いてもらったのだから、モデラーは自由に編集してよいはず」と自己判断しない方がよいでしょう。
「別の人」でも提携しているなら負担はかなり減る
同じ人が全部作らなくても、一括依頼に近い形があります。
たとえば、
イラストはAさん。
モデリングは提携しているBさん。
という制作です。
現在の依頼サービスでも、「モデリングは別の提携モデラーが担当する」「モデラーを紹介できる」というプランがあります。
この形なら担当者は別でも、普段から同じ組み合わせで制作しているため、
どんなパーツ分けを求めるか。
データをどう受け渡すか。
不足があったとき誰が直すか。
を両者が把握しています。
依頼者から見ると、実質的にはワンストップ制作に近くなります。
つまり、「同じ人かどうか」より「両者が連携できるか」の方が重要です。
別々に頼むなら3者で一度仕様を合わせる
依頼者。
イラストレーター。
モデラー。
この3者で制作前に同じ仕様を共有できれば、別依頼の弱点はかなり減ります。
最低限そろえたいのは、
完成時の可動範囲。
表情差分。
髪・服・アクセサリーで揺らしたい場所。
腕や手の差分。
衣装・髪型の切り替え。
パーツ分けの仕様。
PSDの大きさ。
納品データ。
不足パーツが見つかった場合の修正方法。
です。
依頼者が細かな技術指示を書く必要はありません。
「自分が何をしたいか」を伝え、イラストレーターとモデラーが技術仕様へ変換できれば十分です。
完成後に新衣装を作る予定なら分業しやすさも見ておく
Live2Dモデルは一度作って終わりとは限りません。
活動後に、
新衣装。
新髪型。
新表情。
新しいアクセサリー。
を追加することがあります。
一括制作者なら、その人へ再度頼めば元の構造を把握しています。
別々の場合は、
元イラストレーターに新衣装を描いてもらう。
元モデラーへ組み込んでもらう。
という流れになります。
長く同じモデルを育てたいなら、両者が将来も追加制作を受けるかも確認しておくとよいでしょう。
イラストレーターだけ先に見つかった場合
どうしても依頼したいイラストレーターがいるなら、別々に頼むこと自体を避ける必要はありません。
問い合わせ時に、
「Live2D用で、モデリングは別の方へ依頼する予定です」
と伝えます。
そして、
Live2D用パーツ分けに対応しているか。
提携モデラーがいるか。
おすすめのモデラーを紹介できるか。
モデラーからパーツ修正依頼が来た場合に対応できるか。
を確認します。
現在も、イラスト制作だけを受けながら、提携モデラーを紹介する制作者はいます。
自分で二人を一から探す以外の方法もあります。
モデラーだけ先に見つかった場合
動きが非常に気に入ったモデラーがいるなら、先に相談します。
「まだイラストレーターは決まっていません」と伝えて構いません。
モデラーによっては、
推奨するパーツ分け。
提携イラストレーター。
制作したことのある絵師。
必要なPSD仕様。
を案内してくれる場合があります。
「このモデラーのように動かしたい」という希望が強いなら、こちらの順番の方が合理的です。
そのモデラーが動かしやすい原画を最初から作れるからです。
絵を優先する人と動きを優先する人では選び方が違う
依頼方法は、自分が何を優先するかでも変わります。
「どうしてもこの絵師のキャラクターになりたい」
なら、そのイラストレーターを基準にします。
Live2D用イラストへ対応してもらい、その原画に合うモデラーを探します。
反対に、
「この人のLive2Dの動きがどうしても欲しい」
なら、モデラーを基準にします。
先にモデラーへ相談し、その仕様に対応できるイラストレーターを探します。
特にどちらにも強い希望がなければ、一括制作や提携チームの方が進めやすくなります。
自分の場合はこの3パターンで決める
判断を整理すると、次のようになります。
| 自分の状況 | 向いている頼み方 |
|---|---|
| 初めてで制作工程が分からない | イラスト+モデリング一括 |
| 特定の絵師・モデラーへのこだわりがない | 一括または提携チーム |
| どうしても頼みたい絵師がいる | 別依頼でも可。モデラー仕様を先に共有 |
| どうしても頼みたいモデラーがいる | モデラーを先に決めて原画仕様を確認 |
| 絵と動きの両方を細かく選びたい | 別々に依頼 |
| 自分で制作者同士の調整をしたくない | 一括または提携チーム |
| すでにパーツ分けPSDが完成している | モデラーへ確認してから依頼 |
| まだイラスト制作前 | モデラーを先に決めると手戻りを減らしやすい |
ここで重要なのは、一括依頼が上、別依頼が下という関係ではないことです。
一番避けたいのは「完成PSDを持ってモデラー探しを始める」こと
イラストとモデリングを別々にすること自体には問題ありません。
避けたいのは、完成するまで両工程を完全に切り離すことです。
先にモデラーが決まっている。
モデラーの仕様書がある。
イラストレーターとモデラーが直接連絡できる。
提携クリエイター同士である。
このどれかがあれば、別々でも進めやすくなります。
反対に、
「Live2D用に細かくパーツ分けしてもらったから、どのモデラーでもそのまま使えるだろう」
と考えるのは避けた方がよいでしょう。
どこまで動かすかによって必要な原画が変わるからです。
結局見るべきなのは「同じ人か」ではなく連携できるか
Live2Dを同じ人へ頼む最大の利点は、イラストとモデリングを一人の頭の中でつなげられることです。
別々に頼む最大の利点は、絵と動きをそれぞれ自分の好きな制作者から選べることです。
どちらにもメリットがあります。
判断するときは、
「同じ人の方が安心かな」
だけではなく、
この絵師とモデラーは制作前から仕様を共有できるか。
不足パーツが出たとき修正できるか。
PSDをモデラーへ渡し、必要な範囲で扱える契約になっているか。
まで確認します。
別人でもこの連携ができるなら、大きな問題ではありません。
逆に同じ人でも、イラストとLive2Dの両方の作例が自分の好みに合っていなければ、無理に一括へこだわる必要はありません。
初めてで特定の制作者にこだわりがないなら一括制作か提携チーム。
絵と動きでそれぞれ頼みたい人がいるなら別々。
ただし別々にするなら、イラスト完成後ではなく、制作前からモデラーを工程へ入れる。
この順番で考えると、自分に合う依頼方法を決めやすくなります。
出典
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