VTuberモデルは、最初から全身を作らなくても始められます。
雑談やゲーム実況のように、配信画面へ顔から胸・腰あたりまでしか出さないなら、上半身モデルで困らない場合があります。
ただし、「いつか全身を見せるかもしれないから」という理由だけで決めると判断しにくくなります。
先に分けたいのは、「下半身を画面に見せたい」のか、それとも「自分の足や腰の動きまでキャラクターに反映したい」のかです。
この2つでは、必要になるモデルが違います。
普段の雑談・ゲーム配信なら上半身だけでも使える
配信画面では、キャラクターを右下や左下へ配置し、ゲーム画面やコメント欄を大きく見せる使い方があります。
この場合、モデルの足まで作ってあっても、実際の配信ではほとんど画面外になることがあります。
雑談でも顔や表情を大きく見せるなら、必要なのは目、口、顔の向き、髪の揺れ、上半身の傾きなどです。
そのため、
「ゲーム実況が中心」
「雑談では顔を大きく見せたい」
「基本的に座っているような構図で使う」
という活動なら、上半身モデルから始めても成立します。
実際にLive2D制作では、顔周りだけ、胸から上、腰から上といった制作範囲も用意されています。
VTuberだから全身が必須、という決まりはありません。
「上半身モデル」がどこまでかは依頼先によって違う
ここは依頼前に確認したいところです。
「上半身モデル」という名称だけでは、どこまで描かれるのか分からない場合があります。
胸のあたりで終わるモデルもあれば、腰まであるモデルもあります。
さらに、
腕はどこまで描かれているか。
手は付いているか。
手を振る動きができるか。
腰まで左右に動くか。
といった内容も同じとは限りません。
特に「手を使いたい」と考えている人は、上半身か全身かだけを見るのではなく、手と腕がどこまで作られ、どのように動くのかを確認します。
上半身モデルでも手を動かせるものはあります。
反対に、全身の絵があっても、手の細かな動きまで設定されているとは限りません。
モデルの範囲と、動かせる範囲は別に確認した方が分かりやすくなります。
全身Live2Dが必要になるのは「足を動かしたいとき」だけではない
全身モデルというと、「足まで動かす人向け」と考えがちですが、Live2Dでは少し違います。
全身Live2Dが役立つ一つの場面は、キャラクターの全体像を画面に見せたいときです。
たとえば配信開始時に全身を映す。
新しい衣装を頭から靴まで見せる。
動画の演出でキャラクター全体を登場させる。
立った姿でほかのキャラクターと並べる。
こうした使い方なら、下半身まで用意されている意味があります。
つまり、全身Live2Dの価値は「脚をリアルタイムで動かすこと」だけではありません。
画面の中でキャラクターをどこまで見せたいかも判断材料になります。
全身Live2Dでも自分の足がそのまま動くとは限らない
ここは、上半身か全身かを考えるときに特に混同しやすいところです。
Live2Dの配信では、自分の顔の向き、目、口などをカメラで読み取り、モデルへ反映する使い方が一般的です。
手の動きに対応する仕組みもあります。
しかし、全身のLive2Dモデルを作っただけで、自分が一歩歩けばキャラクターも一歩歩き、足を上げれば同じように足を上げるわけではありません。
脚を揺らす、歩く、跳ねるといった動きは、あらかじめアニメーションとして作って呼び出す方法などがあります。
そのため、
「全身の姿を見せたい」
と、
「実際に自分が動いたとおり全身を動かしたい」
は分けて考えます。
前者なら全身Live2Dでも対応できます。
後者が目的なら、3Dモデルも検討対象になります。
ダンスや身体を使った企画なら3Dまで考える
自分が立ち上がり、腰をひねる。
腕を大きく振る。
脚を上げる。
歩く。
踊る。
こうした身体全体の動きをキャラクターにも反映したい場合は、全身の絵があるだけでは足りません。
身体の位置や向きを読み取る「全身トラッキング」が必要になります。
トラッキングとは、カメラやセンサーなどで現実の人の動きを読み取り、キャラクターへ反映する仕組みです。
3Dモデルには頭、胴体、腕、脚などを立体的に動かすための骨組みを持たせられるため、身体全体を使った活動と組み合わせやすくなります。
そのため、
普段のゲーム実況では上半身Live2D。
全身の衣装を見せるなら全身Live2D。
実際に踊るなら3D。
という選び方もできます。
「全身」という言葉だけでLive2Dと3Dを一緒に考えないことが大切です。
手を使いたいだけなら全身モデルまで必要とは限らない
配信中に手を振りたい、指をさしたい、ピースをしたいという人もいるでしょう。
この場合も、必ず全身モデルが必要というわけではありません。
上半身モデルに腕や手を含め、決められた手の形を切り替えたり、手の動きを読み取ったりする方法があります。
VTube StudioにもWebカメラを利用した手・ジェスチャーの追跡機能があります。
そのため、
「顔だけでは少し寂しい」
「手を振ってあいさつしたい」
程度なら、まず上半身モデルの中で対応できるかを確認する方が先です。
全身モデルへ広げる必要があるのは、手が欲しいからではなく、画面に腰から下まで登場させたい理由がある場合です。
新衣装を全身で見せたいなら最初から全身にも意味がある
配信中は上半身しか映さなくても、キャラクターデザインそのものを活動の中心にしたい人もいます。
たとえば靴まで含めた衣装に特徴がある。
長いスカートやコートを見せたい。
尻尾など腰より下に大きな特徴がある。
こうしたキャラクターなら、普段の配信画角だけを基準にすると魅力の一部が作られないことになります。
全身モデルにするかは、「普段どこまで映すか」だけではなく、下半身まで含めてキャラクターとして見せたい要素があるかも確認します。
逆に、上半身だけでデザインがほぼ完成しており、足元を見せる企画も考えていないなら、最初から動く全身モデルにする必要性は低くなります。
「立ち絵は全身、動く部分は上半身」という作り方もある
上半身か全身かを、すべて同じ範囲にそろえる必要もありません。
たとえばキャラクターデザイン自体は全身まで作ってもらい、Live2Dとして細かく動かすのは上半身だけにする方法があります。
これなら全身のデザインは残ります。
プロフィール画像、告知画像、キャラクター紹介などで全身立ち絵を使いながら、普段の配信では上半身を動かせます。
実際に制作サービスでも、全身の立ち絵を納品しながらLive2Dのモデリング範囲を上半身に限定する例があります。
「全身のデザインが欲しい」と「全身をLive2Dで動かしたい」は同じではありません。
ここを分けると、必要な制作範囲を決めやすくなります。
後から全身にしたくなった場合は下半身を足せば終わりとは限らない
最初は上半身モデルにして、
「必要になったら後で足を付ければいい」
と考えることもできます。
Live2Dでは、制作途中や完成後にイラストの部品を追加すること自体はできます。
ただし、上半身モデルへ完成済みの脚を貼り付ければ、そのまま全身モデルになるわけではありません。
下半身のイラスト制作。
動かす部分ごとの分割。
腰とのつながり。
服や髪が下半身と重なる部分。
身体を傾けたときの変形。
必要なら脚や衣装の動き。
こうした部分を新たに作る必要があります。
また、最初のイラストが胸や腰の位置で完全に切れている場合は、見えていなかった身体や衣装を描き足す必要があります。
制作者によっては追加対応できる場合もあれば、新規制作に近い扱いになる場合もあります。
「後から必ず簡単に全身化できる」と決めつけず、将来その可能性が高いなら最初の依頼時に伝えておく方がよいでしょう。
迷ったら「下半身を何に使うか」を決める
上半身モデルと全身モデルで迷ったら、「せっかくだから全身」という考え方から一度離れます。
見るべきなのは、作った下半身を実際に何に使うのかです。
| やりたいこと | 考えやすい選択 |
|---|---|
| 雑談・ゲーム実況で顔を大きく映す | 上半身Live2D |
| 手を振る・簡単な手の動きを見せる | 手まで含む上半身Live2Dを検討 |
| 全身の衣装や靴まで見せたい | 全身Live2D |
| 配信開始時などに全身姿を見せたい | 全身Live2D |
| 全身デザインは欲しいが普段は上半身しか映さない | 全身立ち絵+上半身Live2D |
| 歩く・踊るなど実際の身体動作を反映したい | 3D+全身トラッキングを検討 |
上半身だけで始めることは、全身モデルの簡易版を選ぶという意味ではありません。
普段の活動で下半身を使わないなら、それが必要な範囲である可能性があります。
反対に、衣装全体を見せたい、立った姿を使った動画を作りたい、身体全体を活動の表現に使いたいなら、最初から全身を用意する意味があります。
そして、実際の脚の動きまでキャラクターへ反映したいなら、「全身Live2Dにするか」だけでは解決しません。
その段階では、3Dモデルと全身トラッキングまで含めて考えます。
上半身か全身かを決めるときは、「どちらが豪華か」ではなく、「下半身を画面で何に使うのか」を先に決めると、自分に必要なモデルが見えてきます。
出典
VTube Studio – Official Website|DenchiSoft
Live2D Manuals & Tutorials|Cubism 3 Update History(PSD再読み込み・部品追加に関する公式資料)