VTuberモデルが顔についてこない|モデルと設定どちらが原因?

自分は顔を大きく横へ向けているのに、VTuberモデルは少ししか動かない。

上を向いてもモデルがほとんど反応しない。

こうした場合、すぐに「Live2Dモデルの作りが悪い」と判断するのも、「VTube Studioの感度を上げれば直る」と考えるのも早いです。

VTube Studioでは、カメラなどが読み取った顔の動きをいったん数値にし、その数値をLive2Dモデルの動きへ割り当てています。

そのため、どこまで数値が届いているかを順番に見ると、モデル側と設定側を切り分けやすくなります。

最初に「まったく動かない」のか「動きが小さい」のかを分ける

同じ「顔についてこない」でも状態が違います。

顔を左右へ動かしてもモデルがまったく反応しない。

少しは反応するが、自分が30度ほど向いてもモデルはわずかしか向かない。

途中までは動くが、大きく横を向くと止まる。

正面に戻してもモデルだけ少し傾いたままになる。

この4つを同じ原因とは考えません。

まず、自分の症状がどれに近いかを確認します。

特に「少しは動く」という状態なら、モデルそのものに顔左右の動きがまったく作られていない可能性は低くなります。

反応量の設定や、モデル側に作られている可動範囲のどちらが小さいのかを次に確認します。

カメラが自分の顔についてきているかを見る

モデルを見る前に、VTube Studioが自分の顔をどう認識しているか確認します。

顔を右へ向けます。

次に左、上、下、首を傾ける動きをします。

このときVTube Studio側で、顔左右・上下・傾きの入力値が変化しているかを見ます。

VTube Studioでは、

FaceAngleX=顔の左右向き
FaceAngleY=顔の上下向き
FaceAngleZ=首を左右へ傾ける動き

などの顔認識情報を取得できます。

自分は大きく横を向いているのに、この入力値自体がほとんど変わらないのであれば、Live2Dモデルを修正する前にトラッキング側を確認します。

入力値が動かないならモデルを直す前にカメラ側を見る

顔認識の入力値そのものが動いていないなら、モデルまで動きの情報が届いていません。

まずカメラを校正します。

校正するときは、普段配信するときと同じ程度の距離でカメラ正面を向き、自然な表情にします。

特にWebカメラでは、校正したときの正面がずれていると、普通に座っているだけなのにモデルが傾いたり、一方向だけ動かしにくくなったりする場合があります。

また、

部屋が暗い
顔がカメラから外れている
顔を大きく横へ向けすぎている
前髪などで顔の一部が隠れている

といった状況も確認します。

トラッカーによっては、大きく横や下へ向いたときに認識できる範囲を超えることもあります。

「普通の角度では動くが、大きく向いた瞬間だけ止まる」という場合は、この可能性も分けて考えます。

校正してから普段の姿勢でもう一度試す

校正するときだけカメラ正面へ座り、実際の配信ではモニターを見るため斜めを向いている人もいます。

すると、自分にとっての「普通の姿勢」とトラッカー側の「正面」が合わなくなる場合があります。

ゲーム配信なら、普段どの方向を向いて話すかを考えます。

モデルが正面を向かない、右にはよく動くのに左へ動きにくい、といった偏りがある場合は、まずこの基準位置を見直します。

入力値が動くなら次にVTube Studioの割り当てを見る

顔を動かしたときにFaceAngleXなどの入力値がしっかり変わっているなら、カメラは顔を認識しています。

次に、その入力値がLive2Dモデルのどの動きへ渡されているかを確認します。

VTube Studioでは、

顔左右の入力
↓
Live2Dモデルの「角度X」

顔上下の入力
↓
Live2Dモデルの「角度Y」

といった形で対応させます。

この対応がなければ、カメラがいくら正確に顔を読み取ってもモデルは動きません。

新しいモデルでまったく動かないなら自動セットアップも確認する

モデルを初めてVTube Studioへ入れた直後から動かない場合は、モデル設定が作られているか確認します。

VTube Studioには、Live2Dの標準的なパラメータ名を利用して自動的に設定する機能があります。

たとえばLive2Dで標準的な「角度X」「角度Y」「角度Z」などが使われていれば、それを基準に顔認識との対応を設定できます。

ただし、モデル側で独自のパラメータ名や範囲を使っていると、自動設定だけでは正しく割り当てられない場合があります。

「モデルを入れたら自動で全部動く」とは限りません。

入力と出力の赤い点を見比べる

VTube Studioのモデル設定では、現在の入力値と出力値を確認できます。

ここが原因を切り分けるうえで重要です。

たとえば顔を右へ向けます。

入力側の赤い点は大きく動いている。

しかし、出力側はほとんど動かない。

この場合は、顔認識そのものより、入力と出力をどう対応させているかを確認します。

反対に、入力も出力も端までしっかり動いているのに、画面上の顔はほとんど変わらないなら、設定だけではなくLive2Dモデル側を見る必要が出てきます。

少ししか動かない場合は「出力範囲」を確認する

VTube Studioは、顔認識で取得した動きをそのまま同じ大きさでLive2Dへ渡しているわけではありません。

どの入力範囲を、モデル側のどの範囲まで動かすかを設定できます。

そのため、

自分は十分横を向いている
入力値も動いている
モデルも少しは動く

のであれば、まず出力範囲を確認します。

VTube Studio公式では、一般的には入力範囲より出力範囲の調整を勧めています。

ここを広げれば、自分の比較的小さな顔の動きでもモデル側を大きく動かせる場合があります。

ただし、出力値を大きくすれば、モデルに存在しない動きまで作れるわけではありません。

感度を上げてもモデル本来の可動域を超えることはできない

ここがモデルと設定を分ける大きな境目です。

たとえばLive2Dモデル側に、顔を右へ10度程度向けたようにしか見えない変形しか作られていないとします。

VTube Studio側で感度や出力範囲を調整しても、そのモデルに存在しない「大きく横を向いた絵」が新しく作られるわけではありません。

モデルに設定された角度の端へ早く到達させることはできても、端そのものをさらに大きくするにはLive2D側の修正が必要です。

そのため、

設定を変えると反応は良くなった
しかし最大まで動いても顔の向きが浅い

という場合は、Live2Dモデル側の可動域を確認します。

Live2Dでは顔の左右・上下の動きを制作者が作っている

Live2Dには、顔の左右を表す「角度X」、上下を表す「角度Y」、傾きを表す「角度Z」といった標準的なパラメータがあります。

しかし、パラメータがあるだけで自動的に立体的な顔が完成するわけではありません。

モデラーが顔の輪郭、目、眉、鼻、口、耳、髪などを変形させ、

正面
右向き
左向き
上向き
下向き

といった状態を作ります。

その中間をLive2Dが補間して動かします。

そのため、モデルごとに顔を振り向ける大きさや見え方は違います。

出力値は動くのに画面上のモデルが動かない場合

さらに一段切り分けられます。

VTube Studioの設定画面で、Live2D側の出力パラメータまでしっかり動いているのに、実際のモデルが動かない場合です。

VTube Studio公式では、この場合、表情、アニメーション、物理演算など別の機能が同じLive2Dパラメータを上書きしている可能性を案内しています。

たとえば、特定の表情をONにした状態でだけ顔が動かなくなるのであれば、通常のトラッキング設定だけが原因とは限りません。

一度、

表情をすべて解除する
モーションを止める
通常状態へ戻す

という状態でも同じ症状が出るか確認します。

通常状態なら動くのであれば、モデル全体の作り直しではなく、その表情やモーション設定との競合を調べます。

「遅れてついてくる」は動かない問題とは分ける

顔を動かせばモデルは同じ方向へ動くものの、少し遅れてついてくることがあります。

この場合は、可動域不足とは別です。

VTube Studioには動きを滑らかにする設定があります。

滑らかさを強くすると、細かな震えを抑えられる代わりに、反応が遅く感じる場合があります。

そこで、

方向は合っている
最終的な角度も十分
ただし反応だけ遅い

という場合は、モデルを修正する前に滑らかさの設定を確認します。

一方、どれだけ待ってもモデルが十分な角度まで向かないなら、別の原因です。

左右どちらかだけ動きにくい場合

右には向くが左へ向きにくいという場合もあります。

まず、顔認識の入力値が左右とも同程度まで変化するか確認します。

入力値から左右差が大きいなら、校正、カメラ位置、顔の認識状態を確認します。

入力は左右とも同じ程度動くのに、Live2D出力の片側だけ小さいならVTube Studioの割り当てを確認します。

出力も左右とも端まで動くのに、モデルだけ片側の可動域が狭いなら、モデル側の左右の作りを確認する段階です。

「左右差がある」だけでも、この順番で原因を分けられます。

上下だけついてこないなら角度Yを切り分ける

左右は問題ないのに、上・下だけ動きにくいこともあります。

この場合は顔左右のAngle Xではなく、上下に対応するFaceAngleYとLive2D側の角度Yを見ることで原因を絞れます。

顔を上へ向けたときに入力値が変わらないならトラッキング側。

入力は変わるが出力しないなら割り当て側。

出力も動くがモデルの顔がほとんど上を向かないならモデル側。

全部まとめて「顔トラッキングが悪い」としない方が原因を見つけやすくなります。

モデルそのものの修正を相談する目安

設定を確認したうえで、次のような状態ならモデラーへ相談する理由があります。

VTube Studioの顔角度入力は十分動いている。

対応するLive2D出力も端まで動いている。

表情・モーション等を解除しても同じ。

それでもモデルの顔がほとんど振り向かない。

または、最大まで動かすと大きく表示崩れする。

この場合は、

「顔についてこない」

だけでなく、

「VTube StudioのFaceAngleX入力は端まで動き、ParamAngleX出力も最大まで動きますが、画面上では顔がほとんど横を向きません」

と伝えます。

これなら制作者も、VTube Studio側の設定ではなくLive2Dモデル側を確認しやすくなります。

制作者へ送るなら設定画面と動作を一緒に見せる

原因が分からない場合、文章だけで説明するより短い動画を送ると判断しやすくなります。

画面には、

自分が顔を動かした結果
VTube Studioの入力値
Live2D側の出力値
実際のモデル

が分かる状態を映します。

必要なら、

使用しているカメラ・スマートフォン
使用しているトラッカー
いつから発生したか
最初からなのか突然なのか

も伝えます。

「動きません」だけより、どこまで数値が動いているのかを示すことで設定側かモデル側かを切り分けやすくなります。

「モデルか設定か」は数値が止まる場所で判断する

VTuberモデルが顔についてこないときは、いきなり感度を最大にしたり、モデル修正を依頼したりする必要はありません。

まず、自分が顔を動かしたときの入力値を見ます。

入力値が動かなければ、カメラ、顔認識、校正などトラッキング側を確認します。

入力値は動くのにLive2Dへの出力が動かなければ、VTube Studioのパラメータ割り当てや範囲設定を確認します。

出力値まで十分動いているのにモデルの顔がほとんど動かなければ、Live2D側の可動域・モデリングや、表情・モーションによる上書きを確認します。

つまり、

自分の顔
↓
顔認識の入力値
↓
VTube Studioの割り当て
↓
Live2Dの出力値
↓
画面上のモデル

という順番です。

この流れのどこで動きが止まる、または小さくなるかを見れば、「設定を直す段階なのか、モデルを直してもらう段階なのか」を判断しやすくなります。

出典

VTube Studio|VTS Model Settings

VTube Studio|Getting Started

VTube Studio|VTube Studio Settings

VTube Studio|Mediapipe Webcam Tracker

Live2D|標準パラメータリスト

Live2D|キーフォーム(X,Yの動きをつける)

一束|うちのモデルのVTube Studioにおける設定について

らむしか|VtubeStudio Live2Dモデルを受け取ったら設定すること

CastCraft|VTube Studioの設定方法