購入・依頼したVTuberモデルをVTube Studioへ入れたのに開かない場合、いきなり「モデルデータが壊れている」と判断する必要はありません。
まず確認したいのは、どの段階で止まっているかです。
モデル一覧に出てこないのか。
一覧には出るが、選ぶとエラーになるのか。
読み込めるものの、真っ黒・透明になるのか。
キャラクターは表示されるが、髪が揺れない・表情が出ないのか。
正常に表示されるのに顔に合わせて動かないのか。
この違いで原因はかなり絞れます。
まずZIPのままではなくモデルフォルダまで開く
モデルを購入したり、制作者から納品してもらったりすると、ZIPという圧縮ファイルで届くことがあります。
その場合は、まず解凍します。
解凍すると、中にモデル用のフォルダが入っています。
複数のアプリ向けデータが一緒に入っている商品では、
VTube Studio用
nizima LIVE用
その他のアプリ用
などに分かれている場合もあります。
使いたいのがVTube Studioなら、VTube Studio用として用意されているフォルダを使います。
ZIPの中からmoc3だけを取り出すのではなく、基本的にはモデルフォルダを一式のまま扱います。
モデル一覧に出てこないなら最初にmodel3.jsonを見る
VTube Studioへモデルを入れたのに、モデル選択画面にまったく出てこない場合です。
この段階では、髪の物理演算やカメラ設定より先に「VTube Studioがモデルとして認識できているか」を確認します。
重要なのが、
○○.model3.json
というファイルです。
これは、VTube StudioがLive2Dモデルを読み込むときの入口になるファイルです。
その中から、
モデル本体
テクスチャ
物理演算
表情
などの関連ファイルを参照します。
モデルフォルダ内にmodel3.json自体がなければ、まず納品データが正しいかを確認します。
VTube Studioへ入れるのはファイル1個ではなくフォルダごと
VTube Studioでは、モデルフォルダを「Live2DModels」というモデル保存場所へ入れます。
たとえば、
Live2DModels
└ model_A
├ model_A.model3.json
├ model_A.moc3
├ physics3.json
└ テクスチャ用フォルダ
という形です。
moc3だけをLive2DModelsへコピーするのではありません。
納品されたモデル一式が入ったフォルダを、その構成を保ったまま入れます。
VTube Studioには「自分のモデルをインポート」から保存場所を開ける機能があるため、初心者はWindowsのフォルダを自力で探すより、VTube Studioから保存場所を開く方が間違いを減らせます。
入れた後に一覧へ表示されなければ、一度VTube Studioを再起動して確認します。
一覧には出るがエラーになるならmoc3と参照先を見る
モデルが一覧には表示されるのに、クリックすると、
「読み込みに失敗しました」
「ファイルが見つかりません」
などのエラーになる場合です。
この段階では、model3.jsonは認識されているものの、その先で必要なファイルを読み込めていない可能性があります。
特に確認したいのがmoc3です。
moc3は、頂点、変形、パラメータなどモデル本体の情報を持つファイルです。
model3.jsonは、このmoc3を含む関連データの場所を記録しています。
そのため、
model3.jsonはある
moc3だけ消えている
という状態では正常にモデル本体を読み込めません。
ファイル名を自分で分かりやすく変更しない
納品されたファイルに、
abc_001.model3.json
abc_001.moc3
など分かりにくい名前が付いていると、
「my_vtuber.model3.json」
のように変えたくなるかもしれません。
しかし、先に名前を変更するのは避けた方が安全です。
model3.jsonの中には、ほかのファイルをどの名前・場所から読み込むかという参照情報があります。
Windows上でファイル名だけを変更すると、model3.jsonが探している名前と実際の名前が合わなくなることがあります。
同様に、
テクスチャフォルダの名前を変える
PNGを別フォルダへ移す
moc3だけ別フォルダへ移す
といった変更も原因になります。
開かなくなった場合は、まず納品された状態へ戻します。
購入直後なら元のZIPをもう一度解凍する方が早い
自分で何を変更したか分からなくなった場合、ファイルを一つずつ直すより元データへ戻す方が早いことがあります。
購入時・納品時のZIPが残っているなら、もう一度別の場所へ解凍します。
そして、中のフォルダ名やファイル名を変更せず、そのままVTube Studioへ入れて確認します。
こちらでは開くのであれば、以前使っていたフォルダで何らかのファイルを削除・移動・変更していた可能性を切り分けられます。
いきなりmodel3.jsonを自分で書き換える必要はありません。
真っ黒・透明ならテクスチャを見る
モデルは読み込まれているようなのに、
真っ黒になる
姿が表示されない
一部だけ表示されない
という場合は、テクスチャを確認します。
テクスチャとは、Live2Dモデルの表面に表示するキャラクターの画像です。
Live2Dでは、
モデルの変形情報
と、
実際に表示するイラスト画像
が別になっています。
そのため、モデル本体を読み込めても、画像が見つからなければ正しく姿を表示できません。
テクスチャのPNGが消えていないか。
テクスチャが入ったフォルダを移動していないか。
フォルダ名・画像名を変えていないか。
を確認します。
テクスチャが存在していても場所が違えば読めないことがある
ここは「ファイルがあるか」だけを見ると見逃しやすい部分です。
model3.jsonには、テクスチャをどこから読み込むかが記録されています。
たとえばmodel3.jsonでは、
textures/texture_00.png
を探す設定なのに、実際には、
image/texture_00.png
へ移してしまっていれば参照できません。
つまり、
PNGはちゃんと残っている
のに、
モデルでは表示できない
ことがあります。
購入・納品モデルの場合は、自分でフォルダ構成を直そうとせず、まず元の構成へ戻すのが安全です。
physics3.jsonがない=モデルが開けない、とは限らない
モデルフォルダを見ると、多くの見慣れないファイルが並んでいます。
ここで「一つでも欠けていたら開かない」と考える必要はありません。
たとえば、
physics3.json
は髪、服、アクセサリーなどの揺れを設定する物理演算用のデータです。
これがなければ予定していた揺れが使えない可能性がありますが、model3.jsonやmoc3と同じ意味のファイルではありません。
同様に、
表情用のexp3.json
モーション用のmotion3.json
は、その表情やモーションを使うための追加データです。
それらがないからといって、キャラクター本体まで必ず読み込めなくなるとは限りません。
「不足しているファイルの名前」ではなく、そのファイルが何を担当しているかを見ることが重要です。
cdi3.jsonがないことだけでVTube Studioが開けないとは判断しない
納品物を調べると、
cdi3.json
というファイルを見かけることがあります。
これはLive2Dの表示情報に使われるデータですが、VTube Studio公式ではVTube Studio自体には必要ないとされています。
そのため、
「cdi3.jsonが見当たらない。だからモデルが開かない」
とは判断できません。
初心者向けの記事では「必要ファイル一覧」としてさまざまな拡張子が並べられがちですが、すべてを同じ重要度で探す必要はありません。
まずmodel3.json、moc3、テクスチャを確認します。
表示されるのに髪が揺れないなら「開かない」問題ではない
キャラクターの姿は正常に表示される。
顔にもある程度反応する。
しかし髪や服が揺れない。
この場合、モデルの読み込み自体はできています。
確認するのは物理演算側です。
physics3.jsonが書き出されているか。
model3.jsonから物理演算ファイルが正しく参照されているか。
などを確認します。
VTube Studio公式も、物理演算設定をモデルと一緒に書き出し、model3.jsonへ登録するよう案内しています。
「モデルが開かない」と「一部の機能だけ動かない」は分けた方が、原因を早く絞れます。
モデルは表示されるが顔に合わせて動かないならファイル不足とは限らない
モデルが画面に正常表示されているのに、自分が顔を動かしてもキャラクターが反応しない場合です。
ここまで来ているなら、基本的なモデル読み込みには成功しています。
次に確認するのは、
カメラ・iPhoneなどのトラッキング
自動セットアップ
VTube Studioのパラメータ設定
です。
VTube Studioでは、新しく読み込んだモデルに対して自動セットアップを実行できます。
標準的なLive2Dパラメータが使われていれば、VTube Studioが顔の動きとの対応を自動設定します。
制作者が独自のパラメータを使っている場合は、手動設定が必要になることがあります。
つまり、
「キャラクターは出るけど動かない」
から、
「納品ファイルが足りない」
とはすぐ判断しません。
VRMファイルをVTube Studioへ入れようとしていないか確認する
「VTuberモデル」という言葉には、2Dと3Dの両方があります。
VTube Studioが読み込むのはLive2Dモデルです。
たとえば、3Dアバターでよく使われるVRM形式のモデルを購入した場合、それをそのままVTube StudioのLive2DModelsへ入れてもLive2Dモデルとしては使えません。
購入ページや納品説明を見て、
Live2Dモデルなのか
3Dモデルなのか
VTube Studio対応と書かれているか
を確認します。
複数アプリ用のデータが一つの商品に入っている場合も、VTube Studio用フォルダを選びます。
自作モデルなら書き出し方も確認する
Live2D Cubism Editorで自分で制作したモデルの場合は、フォルダへ入れる前の書き出し方法にも原因があることがあります。
VTube Studio公式では、Cubism Editorから「組み込み用」としてmoc3を書き出す方法を案内しています。
現在の公式案内では、VTube Studioで利用する際の書き出しバージョンとしてSDK 3.0、3.3、4.0、5.0以降が挙げられており、ベータ版のSDKは対応していない場合があるとされています。
自作モデルだけ開かない場合は、
ファイルを後から集めてフォルダに入れた
のではなく、
Cubism Editorから必要データを一式で書き出し直す
方法も検討します。
別のPCでは開くのに自分のPCでは開かない場合
制作者側では正常に開くのに、自分のPCだけ開かないこともあります。
この場合は「元モデルが壊れている」とはまだ断定できません。
まず元のZIPからもう一度解凍します。
次に、解凍後のフォルダ名や内部ファイルを変更せずVTube Studioへ入れます。
Live2D公式コミュニティでも、送信先だけモデルが開かない事例について、解凍時のフォルダ名変更を確認するよう公式スタッフが案内し、それによって解決したケースがあります。
配布元では開くのに受取側だけ開かないときは、転送後のフォルダ構成が変わっていないかを疑う意味があります。
Cubism Viewerで開けるかを見ると切り分けやすい
ファイル一式はそろっているように見えるのに、VTube Studioではエラーになる場合です。
この場合、Live2D Cubism Viewerでmodel3.jsonを開けるかを確認すると、原因を分けやすくなります。
Viewerでも開けない。
この場合は、モデルデータ側や参照先に問題がある可能性があります。
Viewerでは正常に表示できる。
この場合は、VTube Studioへの入れ方やVTube Studio側の設定・対応状況へ確認先を移せます。
Live2D公式コミュニティでも、この方法でモデル側とVTube Studio側を切り分ける案内がされています。
ただし、購入したモデルのファイル内部を自分で修正するより、エラー内容を制作者へ伝えた方が安全な場合があります。
ファイル不足を確認するときは全部の拡張子を覚えなくてよい
初心者がモデルフォルダを開くと、
moc3
model3.json
physics3.json
exp3.json
motion3.json
cdi3.json
などが並んでいて、どれが必要なのか分からなくなります。
まず確認する順番を簡単にすると、
model3.jsonがあるか。
moc3があるか。
テクスチャ画像があるか。
この3つから見ます。
次に、表示はするが髪が揺れないなら物理演算。
表情だけ使えないなら表情ファイル。
モーションだけ使えないならモーションファイル。
と進めます。
「全ファイルのチェックリスト」を上から埋めるより、今どこまで動いているかを見る方が早く原因へ近づけます。
「開かない」を5段階に分ければ確認先が決まる
VTuberモデルが開かないときは、次のように分けると判断しやすくなります。
| 今の状態 | 最初に確認する場所 |
|---|---|
| モデル一覧に出ない | 入れたフォルダ、model3.json |
| 一覧には出るがエラー | moc3、ファイル移動・削除、参照先 |
| 真っ黒・透明・一部欠ける | テクスチャと保存場所 |
| 表示するが揺れ・表情だけない | physics3.json、exp3.json等 |
| 表示するが顔に合わせて動かない | トラッキング、自動セットアップ、パラメータ |
これなら、「何かのファイルが足りないのでは」と闇雲にファイルを追加する必要がありません。
まず納品されたフォルダを元のまま使う。
ZIPなら解凍する。
VTube StudioのLive2DModelsへモデルフォルダごと入れる。
一覧に出なければmodel3.jsonを見る。
エラーならmoc3やファイルの移動・改名を確認する。
真っ黒ならテクスチャを見る。
正常表示されているなら、そこから先は「読み込み」以外の問題も考える。
この順番で確認すると、自分で直せる問題なのか、制作者へ再納品を頼むべき問題なのかまで判断しやすくなります。
出典
DenchiSoft|VTube Studio Wiki「Loading your own Models」
株式会社Live2D|nizima LIVE よくある質問「モデルが読み込めない」
株式会社Live2D|Cubism Viewerについて
株式会社Live2D|nizima ACTION!! よくある質問「Live2Dモデルが真っ黒に表示される」
株式会社Live2D|Live2Dコミュニティ「Vtube studioでモデルが正常に読み込まれない」
CastCraft|VTube Studioへのモデルの入れ方と設定方法
ユウシイ|Live2Dモデルが納品されたら最初にやること
べすぱ|Live2Dモデルのキャラクターを構成するデータ
スコマガ|VTuber超初心者が汎用モデルをnizimaで購入してみた
ひよこやろう|VTube Studio(PC版)使い方・設定方法