VTuberモデルを依頼したあと、
「やっぱり髪型を変えたい」
「服をもう少し違う形にしたい」
と思うことがあります。
では、いつまでなら変更できるのでしょうか。
目安にしたいのは「納品前かどうか」ではありません。
服装・髪型・体型・シルエットなど、形そのものを変えるなら、基本的にはラフを承認する前までに決めます。
清書へ進んだ後は色味などの小さな調整、Live2Dモデリングへ進んだ後は動きの調整が中心になります。
後の工程でも変更できる場合はありますが、「修正」というより前の工程へ戻って作り直す作業になり、追加料金や納期延長につながりやすくなります。
一番大きく変更できるのはラフ段階
ラフとは、完成イラストを描く前にキャラクターの形やデザインを確認する下書きです。
この段階では、
髪型。
顔立ち。
衣装の形。
袖やスカートの長さ。
体型。
アクセサリー。
全体のシルエット。
などを確認します。
実際のVTuber向けイラスト依頼でも、ラフ段階に2回、3回、5回、あるいは回数制限なしなど、複数回の修正を設けている例があります。
回数は制作者ごとに違いますが、「デザインそのものを確認する工程」がラフであることは共通しています。
そのため、見た目に迷っている部分があるなら、ラフを承認する前に伝えます。
ラフなら何でも無料で変更できるわけではない
ここは注意が必要です。
ラフ段階だからといって、
「女性キャラクターだったけれど男性に変えたい」
「猫モチーフだったけれどロボットにしたい」
といった依頼内容そのものを変える修正まで無料とは限りません。
公開されている依頼条件でも、ラフ修正を無制限としていても、当初の依頼内容から根本的に変わる場合は追加料金とする例があります。
つまりラフは変更しやすい工程ですが、最初から別キャラクターを作り直すような変更とは分けて考えます。
カラーラフを承認する前がデザインを固める最後の重要地点
ラフにも、線だけのラフと、色まで入ったカラーラフがあります。
特に重要なのはカラーラフです。
ここまで来れば、
髪色。
目の色。
衣装の配色。
服の形。
装飾。
全体のバランス。
がかなり具体的に見えます。
この段階で「このデザインで清書へ進んでよい」と返事をすると、制作者はそのデザインを確定したものとして次の作業へ進む場合があります。
実際に、服装・装飾・体型・顔つきなどをラフ段階で確定し、その後の大幅変更を受けないとする依頼ページもあります。
そのため、少しでも迷っている部分があれば「とりあえず清書を見てから考える」より、ラフの段階で相談した方がよいでしょう。
清書後は「色を変える」と「形を変える」で扱いが変わる
清書とは、ラフをもとに完成形の線や塗りを仕上げる工程です。
ここから修正できる範囲が狭くなる制作者が多くなります。
例えば、
髪を少し暗い茶色にする。
目の色味を調整する。
小さな塗り間違いを直す。
細かな線を調整する。
といった変更なら、清書後の軽微修正として対応する例があります。
一方、
ロングヘアをショートにする。
ジャケットをワンピースへ変える。
袖の形を大きく変える。
体型を変更する。
大きなアクセサリーを追加する。
といった変更では、線画から描き直す部分が増えます。
公開されている依頼条件でも、清書後は色味などだけ対応し、大きなデザイン変更は追加料金または対応不可とする例が複数あります。
Live2Dでは清書のあとに「パーツ分け」がある
普通の一枚絵なら、完成した絵がほぼ最終成果物です。
Live2D用イラストでは、その先があります。
髪。
目。
まつ毛。
口。
顔。
首。
服。
腕。
揺らす装飾。
などを、動かすための部品として分けます。
これがパーツ分けです。
この工程へ入ると、「服の形を少し変えたい」という変更でも、単純に絵を描き替えるだけでは済まない場合があります。
変更した服を、Live2Dで動かせるようにもう一度パーツとして構成する必要が出るからです。
そのため、パーツ分け後の修正を原則有料とする制作者もいます。
パーツ分け後でも間違いや不足の修正は別
ただし、「依頼者が気分を変えてデザイン変更する場合」と「制作上必要なパーツが足りなかった場合」は分けて考えます。
例えば、モデラーが実際に動かしてみて、
髪の裏側が足りない。
首の描き足しが必要。
衣装の一部を別パーツにしたい。
ということが分かる場合があります。
Live2D公式でも、制作途中でパーツの描き足しや追加の素材分けが必要になることを想定した制作方法が案内されています。
イラスト制作者側も、モデラーから不足パーツの追加依頼があった場合は別途対応すると案内している例があります。
これは「やっぱり違う服にしたい」というデザイン変更とは別の問題です。
モデリング開始後にデザインを変えると何が起きる?
モデリングとは、分けたイラストをLive2D Cubismへ読み込み、顔の向きや目・口、髪・服の揺れなどを設定する作業です。
ここまで進んでも、技術的に絵を一切変更できなくなるわけではありません。
Live2D Cubismには、元のPSDを修正して再読み込みし、既存パーツを差し替えたり、新しいパーツを追加したりする仕組みがあります。
ただし、だから気軽にデザインを変更できるという意味ではありません。
新しく描き直した部分によっては、
イラスト修正。
パーツ分けのやり直し。
Live2Dへの再読み込み。
追加パーツの設定。
既存の動きとの調整。
が必要になります。
清書前へ戻るほどではなくても、すでに終わった作業へ影響するほど追加作業が増えます。
そのため、モデリング後の大幅な作り直しを別料金とする制作者があります。
モデリング後でも「動きの修正」はできる場合がある
ここでデザイン修正と動作修正を混同しないことが大切です。
例えば、
髪の揺れが強すぎる。
口が開きすぎる。
目をもう少し細めたい。
顔を横へ向いたときの動きを調整したい。
という要望があります。
これはキャラクターの服や髪型を描き直すのではなく、Live2D上の動きを調整する話です。
モデリング完成後に動作確認を行い、その段階でリテイクを受ける制作者もいます。
つまり「モデリングが始まったら一切修正できない」わけではありません。
モデリング後に向いているのは、完成したデザインを別のデザインへ変えることではなく、そのデザインの動かし方を調整することです。
「髪色変更」と「髪型変更」では締切が違う
同じ髪の修正でも内容によって違います。
髪色を少し明るくしたいだけなら、清書後でも軽微修正として対応してもらえる場合があります。
しかし、
前髪を短くする。
ロングからショートへ変える。
ツインテールを追加する。
髪飾りを大きく追加する。
となると、形が変わります。
Live2Dなら、その新しい髪を動かすためのパーツや設定も必要になります。
「髪を直したい」とだけ伝えるのではなく、色なのか形なのかで考えると、まだ通常修正で済むか判断しやすくなります。
「衣装の色変更」と「衣装変更」も別
衣装も同じです。
青い服を赤くしたい。
ボタンの色を変えたい。
程度なら、絵の形を大きく変えずに済むことがあります。
しかし、
制服からドレスへ変える。
長袖からノースリーブへ変える。
スカートをパンツへ変える。
上着を追加する。
となると、別の衣装を作る作業に近づきます。
清書後やモデリング後にこの変更を頼めば、「修正1回」ではなく追加制作として見積もられる可能性があります。
ラフ承認前に特に見るべきなのは「あとで形を変えそうな部分」
すべてを完璧に決めてから依頼する必要はありません。
ただ、ラフ確認では「あとから形を変えたくなりそうな場所」を優先して見ます。
例えば、前髪は本当にこの長さでよいか。
服のシルエットは気に入っているか。
袖丈はこれでよいか。
スカート丈はどうか。
頭身や体型はイメージ通りか。
大きなアクセサリーを後から付けたくならないか。
こうした部分は、後工程ほど変更が大きくなります。
反対に、ほんの少し色を明るくしたい程度なら後から対応できる制作者もいます。
「全部を細かく見る」のではなく、「形を変える可能性があるところを先に決める」と考えると確認しやすくなります。
ラフの修正回数を使い切る前に一度まとめて確認する
修正回数にも注意します。
公開されているVTuber向け依頼では、ラフ修正2回、3回、5回など制作者によって違います。
一つ気付くたびに、
前髪を修正。
次に袖を修正。
その次に靴を修正。
と別々に伝えると、修正回数を消費する場合があります。
ラフを見たら一度全体を確認し、変更したい場所をまとめて伝える方がやり取りもしやすくなります。
ただし、修正回数の数え方自体も制作者ごとに違うため、依頼前に確認します。
清書後に大きく変えたくなったら、勝手に直さず相談する
「もう清書されたから頼みにくい」と、そのまま進めてしまうのも一つの問題です。
完成してからずっと気になるくらいなら、清書後でも一度相談した方がよいでしょう。
その場合、
追加料金で直せる。
納期を延ばせば直せる。
今回は対応できない。
新衣装として後から作る。
など、依頼先によって対応が分かれます。
大切なのは「無料修正として押し通せるか」ではなく、今変更するとどこまで作業を戻す必要があるのかを確認することです。
モデリング後なら「今直す」以外に後から差分として作る方法もある
モデリングまでかなり進んでから、
別の髪型も欲しい。
上着を脱げるようにしたい。
違う衣装にしたい。
と思う場合があります。
そこで現在のモデル全体を作り直すより、
髪型差分。
衣装差分。
新衣装。
として追加制作した方がよい場合があります。
元のデザインを壊さず、追加パーツとして制作できるからです。
「変更したい」と思った時点で、今のモデルを修正する方がよいのか、後から差分として追加した方がよいのかもモデラーへ確認します。
結局、VTuberモデルのデザイン変更はいつまでできる?
服装、髪型、体型、シルエットなどを大きく変えるなら、ラフ承認前までに決めるのが基本です。
清書へ入った後でも修正できる場合はありますが、色味や細かな線など軽微な変更に限定する制作者が多くなります。
さらにパーツ分けやLive2Dモデリングへ進んだ後は、絵だけでなく動かすための設定にも影響します。
技術的には後からPSDを修正・再読み込みして変更できるケースがありますが、それは「まだ修正期間だから無料で直せる」という意味ではありません。
一方、モデリング後でも、目や口の動き、揺れ方などの調整を受けてもらえる場合があります。
そのため、
ラフではデザインを直す。
清書では細部を整える。
モデリング後では動きを整える。
と考えると分かりやすくなります。
そしてラフを承認するときは、「今の絵がきれいか」だけではなく、「この髪型・服装・体型のまま動くモデルになってもよいか」で確認します。
ここでデザインを固めておけば、清書やモデリングまで進んでから前工程へ戻る追加費用を避けやすくなります。
出典
Live2D|素材分けについて
Live2D|PSDの再インポート
Live2D|PSDのインポート
Kraz|利用規約
なか子|ご依頼について
ととり|Illustration & Live2D Creation – Illust
Hoka*|Live2D用パーツ分けイラスト・立ち絵制作
SKIMA|VTuber向けLive2Dパーツ分け済み立ち絵・モデリング
ランサーズ|Live2D用イラストからモデリングまでVTuberモデル一貫制作
つなぐ|立ち絵・パーツ分けイラスト・Live2Dモデリング