Live2Dモデルの完成確認を見て、
「思ったより顔が横を向かない」
「体がほとんど動かない」
「髪があまり揺れない」
と感じたら、納品前に伝えて構いません。
実際、VTuberモデル制作では、モデリング後に動作確認を行い、一定回数まで修正を受け付ける制作者がいます。
ただし、「思ったより動かない=モデリングを無料で直してもらえる」とは限りません。
最初に確認するのは、
モデルそのものに動きが足りないのか。
自分の顔を読み取るソフトの設定で動きが小さくなっているのか。
最初の依頼内容になかった動きを新しく追加したいのか。
という違いです。
この3つを分けると、どこまで修正を頼めるのか判断しやすくなります。
まず制作者の確認用動画でも動かないかを見る
一番最初に見たいのは、自分のパソコンでの動きではありません。
制作者から送られてきた確認動画やプレビューで、その部分がどこまで動いているかです。
たとえば、
顔を左右へ向ける。
上と下を見る。
首を傾ける。
身体を左右へ振る。
口を大きく開く。
目を閉じる。
髪やリボンを揺らす。
といった動きを見ます。
確認動画の時点ですでに「顔を横へ向けてもほとんど変化しない」のであれば、モデル側の可動範囲について相談する対象になります。
反対に、確認動画では大きく動いているのに、自分がVTube Studioへ入れるとほとんど動かないなら、先にソフト側の設定を確認します。
この違いはかなり重要です。
自分の環境だけ動かないなら、すぐ再モデリングを頼まない
VTube Studioなどの顔追跡ソフトは、カメラで読み取った顔の動きを、そのまま同じ量だけモデルへ伝えているわけではありません。
「顔をどれだけ動かしたら、モデルをどこまで動かすか」という対応を設定できます。
たとえば、自分が顔を30度ほど横へ向けても、設定上はモデルの可動範囲の半分しか使わない状態になっていれば、「モデルが全然動かない」と感じることがあります。
動きをなめらかにする設定を強くすると、反応がゆっくりになることもあります。
そのため、
「納品されたモデルを入れたら動かない」
だけで制作者へ再モデリングを依頼するのは早い場合があります。
まずカメラの基準位置を合わせる
VTube Studioでは、カメラのキャリブレーションがあります。
簡単にいえば、
「この顔の向きが正面です」
という基準をソフトへ覚えさせる作業です。
正面を向き、自然な表情の状態で合わせます。
この基準がずれていると、
少し横を向いただけで限界へ達する。
反対に、大きく顔を動かしてもモデルがあまり動かない。
左右で動き方が違う。
と感じることがあります。
モデルの修正を頼む前に、一度正面を向いてキャリブレーションし直して確認します。
顔は動くが「動きが小さい」なら入力と出力を見る
モデル設定では、顔追跡から入ってくる動きと、Live2Dモデルへ出す動きの範囲を対応させます。
難しく考える必要はありません。
たとえば、
自分が少し顔を右へ向ける。
↓
モデルはかなり右へ向く。
という設定にもできます。
反対に、
自分がかなり顔を右へ向ける。
↓
モデルは少しだけ右へ向く。
という設定にもできます。
つまり、Live2Dモデル側に十分な可動域が作られていても、その全範囲を顔追跡ソフトで使えていないことがあります。
「確認動画ではよく動くのに、自分だと動かない」なら、この設定を疑います。
確認動画でも動かないならモデル側を見る
制作者の確認用動画でも可動範囲が小さい場合は、モデル側について確認します。
Live2Dでは、
顔の左右。
顔の上下。
顔の傾き。
目。
口。
身体。
腕。
髪。
など、それぞれに動きを設定します。
全部が同じように大きく動くわけではありません。
たとえば、
顔の左右は大きく動く。
身体は少ししか動かない。
腕は固定。
髪は揺れる。
というモデルも作れます。
そのため「VTuberモデルなら全身が全部動くはず」と考えるのではなく、自分が依頼した仕様を確認します。
「修正」と「動きの追加」は同じではない
ここが、完成前のやり取りで最も重要です。
たとえば最初の依頼で、
顔の上下左右。
首の傾き。
まばたき。
口の開閉。
身体の傾き。
髪揺れ。
まで含むと決めていたとします。
それなのに確認したモデルで顔の上下がほとんど動かないなら、
「最初にお願いした顔の上下が想定より小さいので、もう少し動くよう調整できますか」
と相談できます。
一方、最初は腕固定のプランだったのに、
「完成を見たら腕も動かしたくなった」
という場合は意味が違います。
これは不具合修正ではなく、仕様追加として扱われる可能性があります。
実際のLive2D制作サービスでも、基本プランと高可動プランを分けたり、可動域拡張や体モーション強化を上位内容として設定したりしています。
契約したプランをもう一度見る
「思ったより動かない」と思ったら、見積もりや商品ページをもう一度確認します。
特に、
上半身か全身か。
顔の上下左右が入っているか。
身体の動きが入っているか。
腕は動くのか。
髪・服・アクセサリーの揺れが入っているか。
口の形は開閉だけか、細かく変わるのか。
といった部分です。
「高可動域」「プレミアム」「スタンダード」などの言葉だけで判断せず、何が含まれているかを見ます。
制作者によって同じ名称でも中身は違います。
髪が動かないなら「揺れ」の設定だけとは限らない
髪やリボンが思ったより揺れない場合は、物理演算という設定が関係します。
物理演算は、顔や身体の動きに合わせて髪などを遅れて揺らす仕組みです。
ただし、何でも後から揺らせるわけではありません。
Live2Dでは、髪などを動かしやすくするため、元のイラストを部品ごとに分けます。
前髪。
横髪。
後ろ髪。
アホ毛。
リボン。
ピアス。
などを別々に動かしたいなら、それに合ったイラストデータが必要になります。
元のイラストで一つの部品になっている部分を、完成直前になって「ここだけ独立して大きく揺らしたい」と変更すると、イラスト側の分け直しや描き足しまで必要になることがあります。
元絵のパーツ分けが原因ならモデリングだけでは済まないことがある
Live2D公式でも、細かくパーツを分けるほど高度なモデルを作りやすいと案内されています。
さらに、大きく動かす場所では、動いたときに後ろから見える部分まで描き足しておく必要があります。
そのため、
顔をもっと真横近くまで向けたい。
腕を大きく動かしたい。
髪を左右別々に動かしたい。
服を大きく揺らしたい。
という変更では、モデラーが数値を調整するだけで終わらない場合があります。
イラストレーターによるパーツ分けや描き足しが必要になれば、追加料金や追加日数の対象になる可能性があります。
口が思ったより開かない場合も二つに分ける
口が小さくしか開かない場合も、
モデル側で大きな口が作られていない。
モデルには大きな口があるが、顔追跡設定でそこまで使えていない。
という二つの可能性があります。
制作者の確認動画では大きく口を開けているのに、自分では小さいなら、先に追跡設定を見ます。
確認動画でも小さいなら、
「配信ではリアクションを大きく見せたいので、口をもう少し大きく開けられますか」
と相談します。
ただし、最初から「簡易モデリング」「口開閉のみ」といった内容だった場合は、追加作業になる可能性があります。
動きが遅いだけなら「可動域不足」とは限らない
顔を動かしてからモデルが少し遅れて付いてくる場合もあります。
これは「動けない」のではなく、「反応がゆっくり」な状態かもしれません。
顔追跡ソフトでは、動きをなめらかにする設定があります。
強くすると細かな揺れは減りますが、その分だけ反応が遅く感じられます。
そのため、
横へ向けない。
動くけれど遅い。
動くけれど小さい。
を一緒にしないことが重要です。
原因が違えば、直す場所も変わります。
完成前なら遠慮せず確認する
Live2Dモデル制作では、モデリング後に確認工程を設ける制作者が多数います。
今回確認した現行サービスでも、
完成サンプルを提出。
依頼者が動作確認。
一定回数まで無料修正。
修正後に納品。
という流れが複数ありました。
無料修正回数は1回、2回、3回など制作者によって違います。
だからこそ、最終確認を「とりあえず動いているからOK」で終わらせない方がよいでしょう。
実際に使ってから気付きそうな部分を、納品前に確認します。
動作確認では一部分だけ見ない
顔を左右へ振って終わりではなく、普段の配信を想定して確認します。
普通に話す。
笑う。
口を大きく開ける。
目を細める。
左右を見る。
上下を見る。
首を傾ける。
身体を揺らす。
少し大きく動く。
という使い方を想定します。
モデルによっては、真正面付近では自然でも、可動域の端へ行くと顔や髪が崩れて見えることがあります。
「どこまで動くか」と同時に、「端まで動かしたときに不自然ではないか」も確認します。
明らかな破綻なら仕様追加とは分けて伝える
顔を横へ向けたら目が外れる。
髪の間に穴が見える。
首と身体が離れる。
特定方向だけ急に形が崩れる。
といった状態は、
「もっと動かしてほしい」
という希望とは違います。
依頼内容に含まれる可動範囲で明らかな表示崩れが起きているなら、その状態を制作者へ伝えます。
実際、現行の制作サービスには、通常の無料リテイク回数を超えていても、明らかな表示上の不備については無料対応すると明記する例があります。
「動きを追加したい」のか「現在ある動きが破綻している」のかを分けて伝えることが大切です。
修正を頼むときは「もっと動かして」だけでは足りない
「全体的にもっと動かしてください」
だけでは、どこをどう変えればよいか分かりません。
たとえば、
「顔を左右へ向けたとき、確認動画の最大位置でも正面との差が小さく感じます。横顔感がもう少し出るよう可動範囲を広げられますか」
「体の左右傾きがほとんど分からないので、配信画面でも分かる程度に少し大きくできますか」
「前髪の揺れがかなり小さいので、顔を左右へ動かしたときにもう少し遅れて揺れる感じにできますか」
のように伝えます。
「どの部分」「どの動作」「どう感じる」「どうしたい」をセットにすると伝わりやすくなります。
参考にしたモデルがあるなら「この部分だけ」を示す
他のVTuberモデルを見て、
「これくらい動いてほしい」
と思うこともあります。
参考動画を送ること自体は、希望を共有する助けになります。
ただし、
「このモデルと同じにしてください」
ではなく、
「顔を横へ向けたときの可動範囲は、この動画のような印象を希望しています」
など、参考にしてほしい部分を限定して伝えます。
イラストのパーツ構成も、モデリング方法も違うため、別モデルとまったく同じ動きになるとは限りません。
追加料金になるかは「最初の仕様」に戻って判断する
完成前でも、何でも無料で変更できるわけではありません。
判断基準はシンプルです。
最初から含まれていた動きが不十分・不自然なら、まず修正として相談します。
自分のソフトだけで動かないなら、設定を確認します。
最初になかった動きを新しく加えるなら、追加仕様として見積もりになる可能性があります。
この3つを混ぜないことが大切です。
納品前に確認できるなら実際の配信環境でも試したい
制作者によっては確認動画のみの場合もあれば、モデルデータを使った動作確認ができる場合もあります。
自分で確認できるなら、普段使う予定のカメラやスマートフォン、顔追跡ソフトで一度動かすのが理想です。
制作者の環境では問題なくても、
自分の表情。
カメラ位置。
照明。
追跡方法。
設定。
によって使ったときの印象が変わるからです。
確認用データを渡せるかどうかは制作者によるため、必要なら事前に確認します。
納品後にも直せる制作者はいるが条件は違う
納品後の修正を受け付ける制作者もいます。
今回確認した例には、
納品後2週間以内・2回まで無料。
納品後1か月以内・2回まで無料。
納品後2回まで無料。
といった条件がありました。
ただし全員が同じではありません。
納品後は有料になる制作者もいます。
そのため「使ってから考えればいい」と納品してしまうより、気になる動きがあるなら最終確認中に伝えた方が安全です。
完成前に確認する順番
「思ったより動かない」と感じたら、最初からモデラーへ「もっと動かしてください」と送るのではなく、原因を切り分けます。
| 状況 | 最初に確認する場所 |
|---|---|
| 制作者の確認動画でも動かない | モデルの可動範囲・依頼仕様 |
| 確認動画では動くが自分では動かない | 顔追跡・キャリブレーション・モデル設定 |
| 髪や服だけ動かない | パーツ分け・物理演算・依頼仕様 |
| 可動域の端で絵が崩れる | モデリングの破綻として相談 |
| 腕など依頼していない部位も動かしたい | 追加仕様として相談 |
| 顔や体をもっと大きく動かしたい | 契約した可動範囲と比較 |
| 動くが反応が遅い | 顔追跡ソフトのなめらかさ設定等を確認 |
この切り分けをしてから相談すれば、「無料修正を頼む場面」と「追加料金を払って機能を増やす場面」を混同しにくくなります。
完成前なら「思ったより動かない」をそのままにしない
VTuberモデルは、完成画像を見るだけでは使い心地が分かりません。
実際に動いたところを見て初めて、
顔が思ったほど横を向かない。
口が小さい。
身体が固く見える。
髪がほとんど揺れない。
と気付くことがあります。
だからモデリング後の確認工程があります。
ただし、「動かない」と感じた時点で再モデリングと決めないことも重要です。
まず、
制作者の確認用モデルでも動かないのか。
自分の環境だけ動かないのか。
最初の依頼仕様に含まれる動きなのか。
を確認します。
依頼した動きがモデル側で十分に出ていないなら完成前に修正を相談する。確認モデルでは動くなら自分の追跡設定を直す。依頼していなかった動きを加えたいなら追加制作として相談する。
この境界が分かれば、「思っていたのと違う」と感じたときに、どこへ何を頼めばよいか判断できます。
出典
Live2D|パラメータについて
Live2D|標準パラメータリスト
Live2D|物理演算について
Live2D|素材分けについて
VTube Studio|VTS Model Settings
VTube Studio|Getting Started
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