VRoid Studioで作ったモデルは、Blenderへ持っていって修正できます。
VRoidからVRMという3Dアバター用の形式で書き出し、Blenderへ読み込めば、身体や服の形を直接変えたり、独自の3Dパーツを追加したりできます。
ただし、「VRoidでできる修正まで全部Blenderでやる」のはおすすめできません。
Blenderへ移ったあとのVRMは、元のVRoid編集データとは別のモデルになります。
あとで顔を少し変えたい、髪型を変更したい、体型をスライダーで調整したいと思っても、Blenderで編集したVRMを通常のVRoid編集画面へ戻して続きを編集することはできません。
そのため、
VRoidで直せることはVRoidで直す。
VRoidでは作れない形だけBlenderで直す。
という順番で考えると手戻りを減らせます。
Blenderへ持っていく前に.vroidを残す
最初にやっておきたいのは、VRoid Studioの編集用データを残すことです。
VRoidには主に、
.vroid
.vrm
という別のデータがあります。
.vroidは、VRoid Studioで顔・髪・体型・衣装などを編集するための元データです。
VRMは、完成した3Dアバターを配信ソフトなどへ持ち出すための形式です。
Blenderへ持っていくのはVRMです。
しかし、VRMを書き出したからといって.vroidを削除してはいけません。
あとで、
「やっぱり顔を少し細くしたい」
「前髪を変えたい」
「体型を調整したい」
となった場合は、元の.vroidをVRoid Studioで開いて直す方が簡単だからです。
Blenderへ進む前の.vroidを、モデルの元データとして残しておきます。
顔や体型の微調整ならVRoidで直す方が楽
顔の輪郭を少し変更する。
目の大きさを変える。
身長や身体のバランスを調整する。
この程度なら、まずVRoid Studioで直します。
VRoid Studioには顔や体型を調整するスライダーがあります。
Blenderでも頂点を直接動かせば同じような変更はできます。
しかし、Blenderで直接形を変えると、次にVRoidで顔や体型を調整したくなったとき、その変更を元の.vroidへ自動的に戻すことはできません。
まだキャラクターの顔や体型が固まっていない段階なら、Blenderへ持ち出すのは早いと考えられます。
まずVRoidで変更しやすい部分を完成させます。
髪型もVRoidで作れる範囲なら先にVRoidで直す
髪についても同じです。
VRoid Studioでは、用意された髪型を組み合わせるだけでなく、毛束を追加して形を作れます。
髪の長さや太さを変更したり、毛束ごとに位置を直したり、揺れ方を設定したりすることもできます。
そのため、
前髪を短くしたい。
横髪を追加したい。
アホ毛を付けたい。
髪色を変更したい。
といった変更なら、まずVRoid内で対応できるか確認します。
VRoidではどうしても作れない形状になったところでBlenderを検討します。
Blenderが必要になるのは「VRoidにない形」を作りたいとき
Blenderへ進む意味が大きくなるのは、VRoid Studioの調整機能では作れない立体形状が必要になった場合です。
たとえば、
身体の一部分をVRoidのスライダー以上に変形したい。
衣装の形そのものを作り変えたい。
独自形状の帽子や装備を追加したい。
機械部品を付けたい。
VRoidにないアクセサリーを作りたい。
人型から少し外れた身体へ変更したい。
といった場合です。
Blenderでは3Dモデルを構成している頂点を直接編集できます。
そのため、VRoidのプリセットやスライダーで用意されていない形を作れます。
「もっと細かく調整したい」ではなく、「VRoidにその形を作る手段がない」となったところがBlenderへ移る分かりやすい境目です。
服の形そのものを直すこともできる
VRoidの服は、用意された衣装テンプレートの形を調整したり、表面の模様を変えたりして作ります。
これで希望する服になるなら、Blenderは不要です。
しかし、
肩周りだけ大きく変えたい。
袖の形を独自にしたい。
裾の立体形状を変えたい。
服の一部分を切り離したい。
別に作った3Dパーツを服へ付けたい。
という場合はBlenderでメッシュを直接編集できます。
メッシュとは、3Dモデルの表面を作っている細かな面の集まりです。
この面そのものを動かしたり追加したりするため、VRoidの衣装パラメータより自由度は高くなります。
身体と服を分けて編集することもできる
VRoidから書き出したモデルをBlenderへ読み込むと、身体や服の3Dデータをさらに編集できます。
制作事例では、身体と衣装を分離し、それぞれ別に扱う方法も使われています。
これにより、
衣装だけ表示・非表示にする。
身体側だけ形を修正する。
服だけ別の形へ調整する。
といった加工が可能になります。
ただし、形を変更しただけで終わりではありません。
身体を動かしたとき服も自然についてくるようにする必要があります。
そこで次に関係するのが「ウェイト」です。
服や追加パーツを動かすならウェイト調整が必要になる
3Dモデルには身体を動かすための骨があります。
この骨を「ボーン」といいます。
腕の骨を動かすと腕の3D形状も動くのは、「この骨が、この部分の形をどれだけ動かすか」が設定されているからです。
この影響度を「ウェイト」といいます。
Blenderで新しい衣装やパーツを追加したとき、形をモデルの上へ置いただけでは、身体を動かしたときについてこないことがあります。
そこでボーンとの関係を設定し、必要ならウェイトを調整します。
たとえば肩周辺の服なら、
腕を上げたときに肩へ自然についてくるか。
服が身体へ食い込まないか。
反対側まで引っ張られないか。
を確認します。
「Blenderで服を作れた=VTuberモデルとして完成」ではありません。
実際にポーズを付けて変形まで確認する必要があります。
独自のアクセサリーを追加することもできる
Blenderでは、VRoidにない3Dアクセサリーを追加できます。
たとえば、
独自の帽子。
武器。
機械部品。
特徴的な髪飾り。
背中の装備。
などです。
ほとんど変形しない小物なら、特定のボーンへ付けて一緒に動かす方法があります。
身体に沿って曲がる服のようなものなら、単純にボーンへ付けるだけではなくウェイト設定が必要になります。
何を付けるかによって作業が変わります。
顔の表情もBlender側で変更できる
VRoid Studioでは笑顔や悲しい顔などの表情を調整できます。
これで足りるなら、VRoidで設定してから書き出す方が簡単です。
一方、Blenderでは「シェイプキー」と呼ばれる仕組みを使い、顔の3D形状を変形させて新しい表情を作れます。
たとえば、
口元を独自の形へ変える。
まぶたの閉じ方を調整する。
既存にはない顔の変形を作る。
といった変更ができます。
ただし、形を作っただけでは、VRM対応アプリがその表情を自動的に「笑顔」「まばたき」「口パク」と認識するとは限りません。
VRM側の表情設定と結び付ける必要があります。
顔の形と、VTuberアプリから呼び出せる表情設定は分けて考えます。
ボーンも変更できるが、触るほど注意が必要になる
Blenderではボーンも編集できます。
独自の揺れ物を付けるために骨を追加したり、3Dモデルの構造に合わせて調整したりできます。
ただし、VTuber用としてVRMへ戻すなら、好きなように骨格を変更して終わりではありません。
VRMは、人型モデルの動きをさまざまなアプリで共通利用できるよう、人の身体に相当する骨を定義しています。
頭。
首。
背骨。
腕。
脚。
手。
などです。
これらの対応関係が正しく設定されているから、別のアプリへモデルを読み込んでもモーションを反映できます。
重要なボーンを削除したり、階層を大きく変更したりした場合は、VRMとしての設定を確認し直す必要があります。
初心者が見た目だけ直したいのであれば、必要がなければ元の人型骨格まで変更しない方が扱いやすくなります。
髪や服の「揺れ」も別に確認する
VRMには、髪や衣装などを揺らすための仕組みがあります。
VRM 1.0では「SpringBone(スプリングボーン)」という仕組みが使われます。
Blenderで髪や衣装の形を変更した場合、
揺らす骨が正しい位置にあるか。
新しく追加した部分も揺らしたいのか。
身体を突き抜けないようにする設定が必要か。
を確認します。
見た目だけBlenderで直しても、揺れ設定が元のままなら動いたときに不自然になる場合があります。
静止画だけで完成判断をしない方がよい部分です。
色や質感も変えられるが、VRMで使うならMToonを意識する
Blenderでは材質の見え方も変更できます。
3Dでは、この表面の色・光り方・透明感などを「マテリアル」と呼びます。
VRMには、アニメ調のモデルに使われるMToonというマテリアルがあります。
VRM Add-on for Blenderでも、MToonの材質を設定してVRMとして書き出せます。
そのため、
影の付き方。
色。
輪郭線。
アニメ調の見え方。
などを調整できます。
ただし、Blender上で表示できる特殊な材質を何でもそのままVRMへ持っていけるとは限りません。
最終目的がVRM対応のVTuberアプリなら、VRM側で扱える材質として仕上げます。
Blenderで直したあとはVRMとして書き出せる
VRoidから書き出したVRMをBlenderへ読み込むには、VRM Add-on for Blenderを使う方法があります。
このアドオンはVRMの読み込み・編集・書き出しに対応しています。
Blenderで修正したあと、
ファイル
↓
エクスポート
↓
VRM
という形で、再びVRMとして出力できます。
そのVRMを使用予定の配信ソフトなどへ読み込みます。
ただし、Blender上で正しく見えるだけでは完成ではありません。
必ず実際に使うアプリへ読み込み、顔・身体・表情・揺れなどを確認します。
Blenderでは正常でも配信アプリで崩れることがある
VRMとして使う以上、最終的には利用先のアプリとの互換性も関係します。
VRM Add-on for Blenderの公式資料でも、書き出し時の高度な設定には互換性を失う可能性があるものがあると注意されています。
たとえばVRM 1.0では、一つの頂点に多くのボーンから影響を与える設定自体は可能です。
しかし、多くのVRM対応アプリでは一つの頂点について4つまでのボーン影響しか扱わない場合があります。
Blenderではきれいに曲がっていたのに、別アプリへ持っていったら形が崩れる可能性があります。
そのため「Blenderで作れるか」だけでなく、「使いたいアプリで再現できるか」を最後に確認します。
VRM 0.xかVRM 1.0かも確認する
VRMには従来の0.xと、新しい1.0があります。
現在のVRoid StudioはVRM 1.0にも対応していますが、利用するアプリによって対応形式が違います。
VRoid公式も、VRMを書き出す前に利用先アプリがVRM 0.x・1.0のどちらへ対応しているか確認するよう案内しています。
Blenderで修正後に書き出す場合も同じです。
「最新の1.0だから必ず使える」とは限りません。
最終的に使う配信ソフトを先に確認します。
Blenderで編集したVRMを通常のVRoid編集画面へは戻せない
Blenderへ進む前に知っておきたい最大の注意点です。
VRoid Studioから書き出したVRMは、通常のVRoid編集画面へ読み戻して、
目をスライダーで変える。
体型をVRoidのパラメータで変える。
VRoidの髪型エディターで髪を直す。
という編集はできません。
VRoid Studioで通常編集できるのは.vroidデータです。
つまり、Blenderへ移したモデルと、元の.vroidは別の制作ルートになります。
あとで元のVRoidモデルの顔を変更した場合、その変更がBlender側のモデルへ自動反映されることもありません。
再度VRMを書き出し、Blender側で行った独自加工を移し直す必要が出る場合があります。
だからこそ、キャラクターの基本的な顔・体型・髪型を決めてからBlenderへ進む方が手戻りを減らせます。
2026年現在はVRMを「着せ替え機能」へ読み込むことはできる
ここは以前のVRoid Studioとは状況が変わっています。
現在のVRoid Studioには通常のキャラクター編集とは別に「着せ替え機能」があります。
この機能では、VRMをアバターとして読み込めます。
そこへ対応する衣装を着せ、
自動で体型へ合わせる。
衣装の位置や大きさを調整する。
不要なメッシュを非表示にする。
動きを確認する。
といった作業ができます。
そして着せ替え後のモデルを再びVRM 1.0として書き出せます。
そのため、「BlenderからVRoid Studioへ一切戻せない」という説明は、2026年現在では正確ではありません。
ただし、戻れるのは着せ替え用のアバターとしてです。
Blenderで直したVRMを開き、昔の.vroidと同じように顔・髪・体型のスライダー編集へ戻るわけではありません。
この二つは分けて考えます。
Blenderへ進むタイミングは「基本デザインが固まってから」
BlenderでVRoidモデルを編集できるからといって、早い段階からBlenderへ移る必要はありません。
まだ、
顔を変えるかもしれない。
髪型を変えるかもしれない。
身長や体型を変えるかもしれない。
衣装の基本デザインも決まっていない。
という段階なら、VRoid Studioで調整を続けた方が簡単です。
反対に、
顔はこれで完成。
体型も決まった。
髪型も決まった。
でも、この肩の形だけVRoidでは作れない。
この衣装だけ独自形状にしたい。
このアクセサリーを3Dで追加したい。
となったら、Blenderへ進む意味があります。
判断は次のように整理できます。
| やりたい変更 | 先に使う場所 |
|---|---|
| 目・鼻・口・顔の輪郭を調整 | VRoid Studio |
| 身長・体型をスライダーで調整 | VRoid Studio |
| VRoidで作れる髪型変更 | VRoid Studio |
| 髪・服のテクスチャ変更 | VRoid Studioを先に検討 |
| VRoidにない身体形状へ変更 | Blender |
| 衣装の立体形状そのものを変更 | Blender |
| 独自3Dアクセサリーを追加 | Blender |
| ボーン・ウェイトを細かく修正 | Blender |
| 独自の顔の変形・表情を追加 | Blender+VRM表情設定 |
| 髪・衣装の揺れを大きく改造 | Blender+VRM揺れ設定 |
| Blender編集後に別衣装を合わせたい | VRoidの着せ替え機能も検討 |
Blenderは「VRoidの上位版」ではありません。
VRoid Studioは、顔・髪・体型・衣装を後から簡単に変更し続けるのに向いています。
Blenderは、その仕組みでは作れない3D形状そのものを直接編集するのに向いています。
その違いを理解して使い分けると、必要のない作業を増やさずに済みます。
元の.vroidとBlenderファイルの両方を残す
Blenderへ進むなら、最終的には少なくとも次のデータを残しておくと管理しやすくなります。
元の.vroid。
VRoidから書き出した元VRM。
Blenderの編集データ。
Blenderから書き出した完成VRM。
これらを別々に残します。
将来顔を変更するときは元の.vroid。
Blenderで作った装備を修正するときはBlenderデータ。
配信するときは完成VRM。
という使い分けができます。
VRoidモデルをBlenderで直すことはできます。
ただし、Blenderへ移ることを「VRoid編集の続き」と考えない方が分かりやすくなります。
VRoidで作ったモデルを一度VRMとして完成させ、そこからBlenderで別の制作工程へ進むイメージです。
VRoidで何度も変更したい部分は先に完成させる。
VRoidでは作れない形だけBlenderで変更する。
そして、ボーン・表情・揺れ・材質など、VTuberとして動かすためのVRM設定を壊していないか最後に確認する。
この順番なら、VRoidとBlenderそれぞれの得意な部分を使いながらモデルを作り込めます。
出典
VRoid|VRMファイルの編集方法 / VRMファイルはVRoid Studioで再編集できますか?
VRoid|VRMエクスポート機能について知りたい
VRoid|顔編集
VRoid|髪型編集
VRoid|体型編集
VRoid|VRoid Studioの着せ替え機能とは?
VRoid|「VRM」とは
VRoid|VRoid Studioガイドライン
VRM Add-on for Blender|VRM Add-on for Blender
VRM Add-on for Blender|VRM(.vrm)のエクスポート
VRM Add-on for Blender|アニメ風のマテリアル設定
VRM|VRMの特徴・内容