VTuberモデルを2Dにするか3Dにするか迷ったら、「初心者だから2D」「本格的にやるなら3D」と考える必要はありません。
先に決めたいのは、自分のどの動きをキャラクターに伝えたいかです。
顔の表情や首の動きが中心なら2Dで対応しやすくなります。
手を動かす、立つ、踊る、振り向く、歩くなど、体の位置そのものを配信に使いたいなら3Dを検討する理由が出てきます。
ただし、3Dモデルを選んだからといって、最初から全身を動かす機材まで用意する必要はありません。
顔だけ3Dで動かして始め、必要になったら手や全身を追加することもできます。
2Dと3Dの違いは「絵か立体か」だけではない
2Dモデルでは、平面のイラストを目・口・髪・顔・体などに分け、決められた動きに合わせて変形させます。
VTuberでよく使われるのがLive2Dです。
例えば、顔を右へ向ける、口を開く、目を閉じる、体を傾けるといった動きをあらかじめモデルへ設定しておきます。
配信中はカメラなどで自分の顔を読み取り、その数値に合わせてモデルを動かします。
一方、3Dモデルはキャラクターそのものが立体です。
頭、腕、脚などの位置関係を持っているため、横を向く、後ろを向く、腕を上げる、歩く、踊るといった動きを立体空間の中で扱えます。
つまり違いは、「動くか、動かないか」ではありません。
どんな動きを作っておけるか、そしてその動きをどこまで自由な方向から見せられるかが違います。
雑談・ゲーム配信なら「顔より下を本当に使うか」を考える
ゲーム実況や雑談を予定しているなら、まず配信画面を想像してみます。
画面の大部分がゲームやコメント欄で、キャラクターは胸から上だけ。
その状態なら、実際に視聴者へ見せるのは、目、口、眉、顔の向き、首や上半身の傾きが中心になります。
この範囲なら2Dは有力な選択肢です。
3Dにしても、配信中ずっと胸から上しか映さず、手や体の位置を使わないのであれば、3Dならではの立体的な動きを使わない可能性があります。
ここでは「3Dの方ができることが多いか」ではなく、「そのできることを自分が使うか」で考えます。
手を動かしたいだけなら、すぐ3Dと決めなくてもいい
迷いやすいのが手です。
例えば、
ゲーム中に手を振りたい。
指を差したい。
物を持って見せたい。
手振りを交えて話したい。
こうした希望があると「3Dが必要なのでは」と考えやすくなります。
しかし、まず分けたいのが「決まった手の形を出したい」のか、「自分の手の動きをそのまま反映したい」のかです。
2Dモデルでも、あらかじめ作った手の形やポーズを表示したり、設定した範囲で腕や手を動かしたりすることはできます。
そのため、「ボタンを押したら手を振る」といった演出なら2Dでも対応できます。
一方、自分が実際に右手を上げたらキャラクターも右手を上げ、手を動かすたびにモデルも追従してほしいなら、3Dと手の動きを読み取る仕組みを検討する意味が大きくなります。
判断の境界は「手があるか」ではなく、「自分の手の位置をリアルタイムで反映する必要があるか」です。
全身を映しても、動きを読まなければ意味が違う
3Dモデルを作れば、自動的に自分の全身の動きがモデルへ反映されるわけではありません。
モデルと、自分の動きを読み取る仕組みは別です。
例えば3Dモデルでも、普通のウェブカメラだけで顔を読み取り、胸から上を表示して配信できます。
手を動かしたければ手を読み取る仕組みを追加します。
足や腰まで実際の動きに合わせたいなら、さらに全身の動きを読み取る方法が必要になります。
つまり、
「3Dモデルを持っている」
ことと、
「全身が自分と同じように動く」
ことは同じではありません。
3Dを選ぶときはモデルだけでなく、「自分のどこまでを読み取るのか」まで一緒に考える必要があります。
ダンスなら3Dを選ぶ理由がはっきりする
2Dと3Dの境界が分かりやすいのがダンスです。
ダンスでは、顔だけでなく、腕、腰、脚、体の向き、前後左右への移動そのものが表現になります。
さらに横から見せたり、カメラを回したりすれば、キャラクターの立体的な位置関係も必要です。
こうなると3Dを選ぶ理由が明確になります。
同じことは、体操、アクション、全身を使うコント、立体的なステージ企画などにも当てはまります。
「全身モデルが欲しいから3D」ではなく、「全身の動きが企画そのものだから3D」と考えると判断しやすくなります。
横や後ろから見せたいなら3Dの意味が出てくる
もう一つ大きな境界になるのがカメラの向きです。
2Dモデルは、あらかじめ作ったイラストを変形させています。
そのため顔を左右へ向けたり、体を傾けたりすることはできますが、立体の人形をカメラで一周するように、好きな角度から見る方式ではありません。
3Dモデルなら、モデル自体が立体なので、正面だけでなく横や後ろから見せる表現ができます。
例えば、
キャラクターの周囲をカメラが回る。
後ろを向いて歩く。
ステージ上を移動する。
複数のキャラクターが立体空間で向き合う。
こうした場面を活動に使うなら、3Dとの相性が高くなります。
VR空間へ入るなら「配信用モデル」以外の使い方も考える
3Dを選ぶ理由は配信画面だけではありません。
VRMという3Dアバター用のデータ形式なら、対応している複数の3Dアプリでモデルを利用できます。
VRoid Studioで作ったモデルもVRM形式で書き出せます。
そのため、通常の動画配信だけでなく、対応する3Dアプリや仮想空間へキャラクターを持っていきたい場合は、最初から3Dを検討する意味があります。
ただし、使いたいサービスがどの形式のモデルに対応しているかは個別に確認が必要です。
「3Dならどの仮想空間でも同じモデルをそのまま使える」という意味ではありません。
3Dは「上級者になってから使うもの」ではない
3Dという言葉から、専門ソフトで一から立体モデルを作り、高価な全身トラッキング機材をそろえる姿を想像するかもしれません。
実際には、それだけが3Dの始め方ではありません。
VRoid Studioのように、用意された顔、髪型、服などを組み合わせ、数値を調整しながら3Dキャラクターを作れる無料ソフトもあります。
作った3Dモデルを、まずウェブカメラで顔だけ動かして使うこともできます。
そのため、
「初心者だから2D」
「上級者だから3D」
という分け方は適切ではありません。
初心者でも、最初から3D空間で活動したいなら3Dを選ぶ理由があります。
逆に長く活動している人でも、普段の雑談やゲーム配信で表情を中心に見せたいなら2Dを使う理由があります。
2Dで始めて、後から3Dを追加してもいい
2Dか3Dかを、一生使うモデルとして最初に決める必要もありません。
普段のゲーム・雑談配信は2D。
ダンスや記念配信だけ3D。
という使い分けもできます。
大切なのは、将来やるかもしれない企画を全部最初のモデルへ入れようとしないことです。
「いつか踊ってみたい」というだけなら、まだ3Dを選ぶ決定打にはなりません。
反対に、初配信後すぐダンス動画を作る予定で、企画や撮影方法まで決まっているなら、最初から3Dを選ぶ意味があります。
「できたらいい」ではなく、「実際にやる予定があるか」で分けます。
自分の場合はどこまで動けばいい?
迷ったら、配信中の自分の姿をモデルに置き換えて考えます。
顔の表情と首の傾きが伝わればいいなら、まず2Dを検討できます。
胸から上を中心に見せ、用意した表情やポーズを使えれば十分な場合も2Dで考えられます。
実際の手の位置や腕の動きを頻繁に見せたいなら、3Dと手の追跡を検討します。
立つ、しゃがむ、踊るなど、自分の全身の動きそのものがコンテンツになるなら、3Dと全身の追跡方法まで考えます。
そして、キャラクターを横や後ろから見せたり、3D空間内を移動させたりしたいなら、3Dを選ぶ意味がさらに大きくなります。
判断するのはモデルの豪華さではありません。
「視聴者に見せたい動きは、顔だけなのか、手なのか、全身なのか、空間そのものなのか」です。
2Dと3Dで迷ったら「一番大きく動かす企画」を見る
普段の活動を全部並べて多数決をする必要はありません。
自分が一番やりたい企画で、どこまで身体を使うかを考えてみます。
ゲーム配信で笑ったり驚いたりする表情を見せたいなら2D。
料理や楽器などで、自分の手の動きまでモデルへ反映することが重要なら3Dを検討。
ダンスや全身演技をしたいなら3D。
立体空間の中でキャラクターを動かすこと自体が活動なら3D。
このように「やりたいこと」から逆算すると、2Dと3Dの違いは分かりやすくなります。
3Dの方が上位ということではありません。
必要のない全身機能を持つ3Dより、自分が実際に見せる表情や上半身の動きを作り込んだ2Dの方が活動に合うこともあります。
逆に、体を使う企画をしたいのに、価格や初心者という理由だけで2Dに決めれば、後からやりたいことができない可能性があります。
先に決めるべきなのは2Dか3Dかではありません。
「自分はキャラクターをどう動かしたいのか」。
そこが決まれば、必要なモデル形式も見えてきます。
出典
Live2D|標準パラメータリスト
Live2D|パラメータについて
DenchiSoft|VTube Studio Manual
VSeeFace|VSeeFace公式サイト
VRoid|VRoid Studio
VRM Consortium|VRM