VTuberモデルは納品時にどこまで動作確認する?|表情・揺れ・差分

VTuberモデルが完成したら、納品前にどこまで動かせば確認したことになるのでしょうか。

目や口が動き、表情ボタンも反応するなら問題なさそうに見えます。

ただし、動作確認は「機能が1回動いたか」だけでは足りません。

特に確認したいのは、表情を出したまま瞬き・口パクをしたとき、髪や服が揺れたあと、衣装や髪型を切り替えた状態で顔を動かしたときなど、複数の動きが重なった場面です。

一方で、考えられるすべての表情・衣装・動きを総当たりする必要もありません。

自分が配信で実際に使う状態を中心に、「通常→動作→差分→切替→解除」まで確認するのが現実的です。

最初は何も差分を出さず通常状態を確認する

表情や衣装を切り替える前に、まず通常状態を確認します。

顔を正面にして、目を開けた状態、口を閉じた状態を見ます。

そこから普段の配信を想定して、

顔を左右へ向ける
顔を上下へ動かす
首を左右へ傾ける
瞬きをする
目線を上下左右へ動かす
普通に話す
笑う

といった動きを試します。

Live2Dでは、顔の向き、目、口、体などがそれぞれ別の動きとして設定されています。

そのため、「顔全体が動いた」だけではなく、動かした部分ごとに見る必要があります。

大きく動かしたときだけ、顔と髪の間に隙間ができたり、首と服が離れたりすることもあるため、普段より少し大きめに動いてみます。

ただし、依頼していない可動範囲まで無理に求める必要はありません。

注文したモデルがどこまで動く仕様だったのかを基準にします。

表情差分は「表示できる」だけで終わらせない

照れ、怒り、涙、ハート目、青ざめなどの表情差分を依頼した場合は、全部一度ずつ表示します。

しかし、ここで確認を終えない方がよいでしょう。

表情を表示した状態で、そのまま瞬きをします。

次に口を開閉し、顔を左右・上下へ動かします。

たとえば笑い目の表情では、通常の瞬きと表情側の目の設定が同時に作用します。

Live2D公式でも、笑い目や見開き目など、通常とは異なる目の開き方をする表情では、設定方法によって瞬きが不自然になる場合があると説明しています。 (Live2D)

そのため、

「笑顔ボタンを押したら笑顔になった」

だけではなく、

「笑顔のまま自然に瞬きできるか」

まで見ます。

同じように、怒り顔や泣き顔のまま普通にしゃべったとき、口が不自然に固定されないかも確認します。

表情を解除したら通常状態へ戻るかを見る

表情差分で意外と見落としやすいのが解除時です。

表情をONにし、しばらく動かしたあとOFFにします。

目、眉、口、頬などが通常状態へ戻るか確認します。

たとえば、

涙を消したのに目元だけ残る
照れを解除しても頬が赤い
怒り顔を解除しても眉だけ戻らない
衣装を戻したのに一部のパーツだけ残る

といった状態がないかを見ます。

VTube Studioでは、表情がLive2Dのパラメータを変更し、表情を解除すると顔認識や通常状態の値へ制御が戻る仕組みになっています。 (GitHub)

そのため「出せるか」と「元に戻せるか」はセットで確認します。

表情から別の表情へ直接切り替えてみる

通常顔から一つずつ試すだけではなく、よく使いそうな表情同士は直接切り替えてみます。

たとえば、

笑顔→怒り
怒り→泣き
照れ→笑顔

といった切り替えです。

VTube Studioでは、複数の表情が同じLive2Dの動きを変更する場合、最後に有効にした表情が優先される場合があります。 (GitHub)

そのため、一つずつなら正常でも、切り替えたときに前の表情の一部が残ったように見えることがあります。

ただし、10個の表情があるからといって、すべての組み合わせを試す必要はありません。

配信中に続けて使いそうなものを中心に確認します。

髪の揺れは「揺れるか」より動き始めと戻りを見る

髪の毛やリボン、ピアスなどの揺れには、Live2Dの「物理演算」が使われることがあります。

これは、顔や体の動きに反応して、髪や装飾品を遅れて揺らす仕組みです。 (Live2D)

確認するときは、一度頭を左右へ振って終わりではありません。

ゆっくり動かす
少し速く動かす
急に止まる

という動きを試します。

そのとき、

髪がまったく反応しない
一部だけ固まったままになる
動いた瞬間に大きく飛ぶ
揺れたあといつまでも戻らない
左右で明らかに違う動きをする
顔や体から大きく離れる

といった状態がないかを見ます。

揺れの大きさ自体は好みがあります。

そのため、「もっと大きく揺れてほしい」という希望と、「設定されているはずなのに動かない」は分けて考えます。

髪だけでなく依頼した「揺れ物」を一つずつ見る

物理演算は髪だけに使われるものではありません。

実際のLive2D制作サービスでは、

前髪
横髪
後ろ髪
瞳やハイライト
胸元
スカート
フリル
マント
リボン
耳
尻尾
アクセサリー

などが別々の揺れとして扱われています。 (SKIMA(スキマ))

したがって、依頼した部位を思い出しながら確認します。

「モデル全体がふわふわしているから大丈夫」ではなく、料金を払って追加した揺れが実際に働いているかを見ます。

大きく顔を振ったときだけ揺れ物が破綻しないか確認する

髪や装飾品の問題は、真正面では分からない場合があります。

顔を右へ向けた状態でさらに傾ける、下を向きながら左右へ振るなど、複数方向の動きも少し試します。

Live2Dの物理演算では、複数の入力が揺れへ影響するよう設定できます。 (Live2D)

そのため、普通の横振りでは問題がなくても、顔の上下と左右が重なったときだけ不自然になることがあります。

ただし、限界角度を何度も探す必要はありません。

実際の配信で起こりそうな範囲より少し大きく動く程度で十分です。

衣装・髪型差分は切り替えたあとにもう一度動く

衣装差分や髪型差分を依頼した場合、「切り替わったからOK」ではありません。

切り替えた状態で、もう一度顔や体を動かします。

特に髪型が変われば、揺れる髪のパーツも変わる可能性があります。

衣装が変われば、リボン、袖、フリルなどの動きも変わることがあります。

そのため、

衣装Aを表示
↓
顔・体を動かす
↓
衣装Bへ変更
↓
もう一度動かす
↓
元へ戻す

という確認をします。

髪型も同様です。

これで「表示切り替え」と「切り替え後のモデリング」の両方を確認できます。

小物の表示・非表示も動かした状態で確認する

眼鏡、帽子、獣耳、尻尾、マイクなどの追加パーツがある場合も、一度表示して終わりではありません。

顔を横へ向けたり体を傾けたりします。

特に顔に付く小物は、

眼鏡が顔から離れないか
帽子が頭の動きについてくるか
耳やアクセサリーが髪を突き抜けないか

などを見ます。

追加パーツに揺れが設定されている場合は、その揺れも確認します。

「表情+衣装」など実際に使う組み合わせだけ試す

表情5種類、衣装3種類、髪型3種類があるモデルなら、組み合わせは一気に増えます。

すべてを総当たりすると確認だけで大変です。

そこで、実際の配信で使う組み合わせを優先します。

たとえば、

新衣装+笑顔
新衣装+泣き顔
別髪型+照れ
帽子+顔を大きく横向き

などです。

特に同じ目・口・髪・衣装パーツを変更する差分同士は確認する価値があります。

VTube Studioでは、複数の表情が同じパラメータへ作用すると、どの表情を最後に有効にしたかなどによって結果が変わることがあります。 (GitHub)

「各差分が単独で正常」だけでは、実際に組み合わせた状態まで保証されるわけではありません。

モーションがあるなら途中で表情も使ってみる

手を振る、涙を流す、ポーズを取るなどのモーションを追加しているモデルもあります。

この場合はモーション単体を再生するだけでなく、自分が配信中に行いそうな操作も試します。

たとえば手振りモーション中に笑顔へする、といった使い方です。

VTube Studioでは、顔認識、モーション、表情、物理演算が同時に同じLive2Dの動きを変更すると、それぞれに優先順位があります。 (GitHub)

そのため、モーション再生中だけ表情の一部が変わらないことがあります。

ただし、そもそも同時使用を想定していない仕様もあります。

「何でも同時に動くのが正常」と決めつけず、依頼時に予定していた使い方を基準にします。

普通に動かないときはモデル不良と決める前に設定も見る

自分のVTube Studioで動かしたとき、

口があまり開かない
顔が横を向かない
笑顔になりにくい

という状態になることがあります。

VTube Studioでは、カメラなどで取得した顔の動きと、Live2Dモデル側の動きを対応させる設定があります。

入力と出力の範囲も調整できます。 (GitHub)

そのため、モデル自体は正常でも、自分の顔認識設定によって動きが小さく見える場合があります。

制作者から確認動画が送られていて、その動画では正常なのに自分の環境だけ大きく違うなら、まずVTube Studio側の設定についても確認します。

逆に、制作者側でも同じ現象が再現するならモデル側の修正対象か確認しやすくなります。

動作確認で見るのは「好み」より「依頼内容どおり機能するか」

納品確認では、どうしても完成したモデルを見て、

「もう少し髪を揺らしたい」

「もっと表情を大げさにしたい」

「顔をもっと横まで向かせたい」

と思うことがあります。

しかし、これは不具合とは限りません。

実際の制作サービスでも、表情差分、追加の揺れ、可動域、モーションなどは別オプションとして扱われています。 (ココナラ)

確認するときは、

依頼したものが動かない
動いたときに明らかに表示が崩れる
差分を解除しても元へ戻らない

という問題と、

正常に動くがもっと大きくしたい
完成品を見て新しい差分が欲しくなった

という追加希望を分けます。

この区別ができると、制作者へ修正を伝えやすくなります。

どこまで確認すれば納品を承諾できる?

目安は、「すべての機能を1回見た」ではありません。

次の流れで、自分が使う機能を一巡できたかで判断します。

通常状態で顔・目・口・体を動かす。

次に、依頼した髪・服・装飾品の揺れを出す。

すべての表情差分を一度ずつ表示し、その状態で瞬き・口パク・顔の向きを試す。

差分を解除し、通常状態へ戻ることを見る。

髪型・衣装・小物を切り替えたら、その状態でも一度動かす。

最後に、実際の配信で頻繁に使う差分同士をいくつか組み合わせます。

ここまで正常なら、使う予定のないすべての組み合わせまで試す必要はありません。

納品確認の目的はモデルを壊れるまで試すことではなく、自分が依頼した使い方を実際にしても問題が出ないことを確認することです。

「差分を出した瞬間」より「差分を出したまま使う」ところまで見る

VTuberモデルの納品時は、顔・目・口を一通り動かすだけでなく、表情、揺れ、衣装や髪型差分を実際の使用状態まで確認します。

特に見落としやすいのは、

表情を出したまま瞬きする
表情を出したまま話す
髪や服が揺れたあと止まる
別の表情へ切り替える
差分を解除して通常状態へ戻す
衣装や髪型を変更した状態で顔・体を動かす

といった場面です。

単体では問題がなくても、動きが重なったときに初めて気付くことがあります。

一方、すべての差分をすべての組み合わせで試す必要はありません。

「通常状態→実際の動き→差分を有効→そのまま動く→別差分へ切替→解除」という流れを、配信で使う機能を中心に確認できれば、承諾するかどうかを判断しやすくなります。

出典

Live2D|物理演算について

Live2D|物理演算の設定方法

Live2D|表情の設定と書き出し

Live2D|標準パラメータリスト

VTube Studio|VTS Model Settings

VTube Studio|Expressions (a.k.a. Stickers or Emotes)

VTube Studio|Interaction between Animations, Tracking, Physics, etc.

ココナラ|丁寧でかわいいLive2Dモデリング制作します

ココナラ|Vtuber向けLive2Dモデル制作します

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